非現実というか、ファンタジーサスペンス系は嫌いじゃないのですが、どっちかというと謎説きメインとかのほうが好きなんですよね。。。
 
韓国での放映は終了していますが、

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い
 

ザ・ゲーム:0時に向かって 더 게임:0시를 향하여

【Episode 3】

 

(前回のおさらいシーン)

テピョン:世にいう、超能力とやらの中で、なぜ、神は、死が見える能力を僕に授けたのだろう。

 

寝室で、苦悩するテピョン。

 

テピョン:僕は、誰かの瞳を見ると、その人の、まさに死の瞬間を見ることが出来る。

 

ヤクザのボスが殺される場面に立ち会うことになったテピョンは、女性刑事ソ・ジュニョンと知り合うことになる。

 

テピョン:なぜ、彼女の死を見ることが出来ないんだ?

 

偶然知り合った女性刑事ソ・ジュニョンは、テピョンが人の死が見えるという能力を身につけて以来、はじめて、その死を見ることができない人間だった。

そしてまた、彼女は、7人の女性が犠牲となった20年前の「午前0時の殺人者」事件において、犯人逮捕時に亡くなった刑事ソ・ドンチョルの娘でもあった。

当時、わずか10歳だったソ・ジュニョンは、マスコミによって、悲劇のストーリーの中心に仕立てあげられ、一世を風靡する。

人々の好奇の目にさらす一端となった担当記者イ・ジュニ、現「ハナ日報」のキャップは、彼女が、今は父と同じく強力班の刑事となっていることを知る。


偶然、そのイ・ジュニの娘ミジンを見かけたテピョンは、その瞳を見て、なんらかの事件に巻き込まれて死亡することを予知し、その後を追う。

 

そして、その頃、ミジンは、何者かに襲われ、20年前の事件と同じく、土に埋められた木棺に閉じ込められ、必死に助けを求めている最中だった。

 

******************

強力班のオフィス、キョロキョロと誰かを探しているジュニョン。

部屋の隅で、座り込んで居眠りをしている、見習記者オ・イェジに声をかける。

緊張したそぶりをみせるイェジ。

同じように、床に座り込み、お菓子とジュースを手渡すジュニョン。

ジュニョン「もう今日は事件はないわよ。帰りなさい」

受け取りながらも、頑なに立ち上がろうとしないイェジを見て、くすっと笑うジュニョン。

ジュニョン「ま、あんたにとっては、ついてないことかもしれないけどね。とにかく早く記事を書かないとだめなんでしょ?でもね、事件なんて初めから、起きないほうがいいのよ。こんな風に一日中、ピリピリしてないで、(事件がなくて)よかったって思わなきゃ。。。」

それを聞いて、じっと俯くイェジ。

ジュニョン「食べて・・」

う〇ちネタで揶揄っちゃったお詫びかな。。。

 

~ミジンの連れ去り現場~

ミジンが母親の誕生日を祝うために買ったケーキが無残にも、道に落ちている。

道路に落ちていた携帯を拾ったテピョン、娘がなかなか戻らずに、心配するミジンの母と合流。

 

オンマ「さきほどお電話したものですけど、うちの娘の携帯電話をお持ちですか?」

声を震わせ、近づいてきたミジンオンマに手渡し、この場所で拾ったと説明するテピョン。

視線を落とし、ケーキの残骸を目にするオンマ。

オンマ「もしかして・・・これ・・・」

テピョン「お嬢さんが買われたものです」

ショックで立っていられず、地面に座り込むオンマ。

テピョン「大丈夫ですか?」

立ち上がらせ、オンマが落とした携帯も一緒に広いあげるテピョン。

オンマ「ど、どうしてご存じなんですか?」

テピョン「え?」

オンマ「これが・・・うちの娘が買ったケーキだと・・・どうしてご存じなんですか?」

だって、ミジンがケーキを買ったお店にいたんだもん。。。

そして、ミジンの死の状況を見ちゃったんだもん。

ミジンが発見された時、泣きわめいてるオンマの顔もすでに見えちゃってるんだもん。

娘を見たのか、と追及するオンマ。

テピョン「いえ・・・そうではなくて・・・・」

歯切れの悪いテピョン。

オンマ「そうじゃなきゃ・・・そいつらの仲間なの?どうやって、あの子の携帯を手に入れて、このケーキのことを知ったのよ・・・。あの子を見たんでしょ?」

携帯をオンマに押し付けるように渡しながら、「す、すみません。。もう、僕、行かないと・・」と立ち去ろうとするテピョン。

わ、一番まずいパターンじゃん。

オンマがそうはさせじと、テピョンの首元をつかんで離さない。

「あんたは、あの子が拉致されたのを知ってるんでしょ?そいつらの仲間なのね?誘拐犯はどこなの? さっさと話して!!」

渾身の力で、テピョンを揺さぶるオンマ。。

「娘はどこなの? あの子はどこにいるのよ! ミジンはどこなの~~!!」

半狂乱なオンマをみて、辛そうな表情を浮かべたまま、何も語れないテピョン。

 

******************

~木棺の中~

ミジン「オンマ~~! アッパ~~! 助けて~~~!」

自分がどこか狭い場所に、仰向けに寝た状態で、閉じ込められていることはなんとなくわかってきたミジン。

助けを求めながら、目の前の蓋らしきものを必死でドンドンと叩いているうちに、携帯の着信バイブが鳴りはじめる。

「助けて!!助けて」

なんとか電話に出ようと、括られた縄を解こうと、手をくねらせる。

 

~派出所~

道端に落ちた誕生日のケーキの残骸を手にもち、近くの派出所に、テピョンと共にやってきたミジンオンマ。

「で、で、ですから・・・私の・・・うちの娘はさらわれたんです。。」

「奥さん、どうか落ち着いて、もう一度、聞かせてください」

「あの子は、ケーキと携帯を落としたんです。あの・・・私が・・・だれかが・・・」

動揺と混乱で、呼吸も乱れ、たどたどしく説明するオンマを見かねて、テピョンが説明を代わる。

この時、そっとオンマの背中を手を添えてあげるんだよ。

あくまでも、さりげなく。。。

テピョン「僕が、携帯を拾って、そこからそう離れていないところで、そのケーキも見つけたんです。実は、カフェでケーキを買った学生さんを見てたんです。この方にあてて、もう家の側にいると言って連絡をいれてさえいるようです。彼女に何かが起きたとみて、間違いないと思います。」

ま、嘘は言ってないわね。

警官「ああ、それで、あなたはこの方の娘さんがさらわれたとお考えになったんですね?」

「はい!はい!はい!はい!」

テピョンへの質問なのに、オンマが力強く返事をする。

「お嬢さんのお名前は?」

「ミジンです、イ・ミジン・・・。高校1年で、17歳です」

「お二人が最後に連絡を取り合ったのはいつですか?」

「ちょ、ちょっと待ってください。あ、これを・・・」

震える手で、ポケットから携帯を取り出す。

「ここに、もう家の前にいるからって・・・メールをくれたんです。でも、私、気づくのが遅れてしまって・・・。それで、すぐに電話をして・・・、でも、取らなかったんです。それで、探しに行こうと思って・・・」

 

テピョン:彼女がこんなに怖がっているというのに、僕は、彼女の娘さんの死について、あえて話をすることはできません。

 

警官「落ち着いてくださいね」

真剣に、ミジンオンマの話を聞きとっている警官の顔をじっと見つめるテピョン。

 

テピョン:深い皺、薄くなった白髪・・・この警官は、年老いてから、妻の隣で寝ている間に亡くなるだろう。とても平穏な死だ・・・。

 

別の警官のほうを見るテピョン。

 

テピョン:しかし、大抵の人は、そうやって死に巡り合うものだ。

 

酔っ払いを保護してきた警官たちが戻ってくる。

「放してくれよ・・」

「静かにしなさい!」

「俺のどこが悪いんだよ?」

 

テピョン:あの男性は、眠っている間に、死ぬだろう。彼自身の家か、もしくは病院で。

それにしても、あの子は一体、どうしてあんな悲惨な死を迎えることになったんだろう。

神が我々の運命を選ぶというのであれば、僕も神に問いたい。

殺人は、神の失策の結果ではないのですか?

それとも、我々人間の傲慢さに由来するものなのでしょうか?

そして、僕は、その間(はざま)に立っているのですか?

 

オンマ「あの・・・先ほどは、大変失礼なことを言ってしまって、本当に申し訳ありませんでした」

考え事をしているテピョンに、震える声で、謝罪するミジンオンマ。

「わ、私、とても、ショックを受けてしまって・・・。本当に、ありがとうございました」

テピョンのことを誤解したことや、警察までついてきてくれたことにお礼を言うと、疲れた身体をひきずるように、隅のテーブル席に座り、携帯を見る。

その様子を見ていたテピョン、オンマの前に近づくと、ハンカチを差し出す。

「あの・・どうぞ、使ってください」

「ありがとうございます」

画面を丁寧に拭き始めるオンマ。

 

~中央署強力班オフィス~

ジュニョン「はい・・・わかりました」

電話を切るなり、立ち上がるジュニョン。

ジュニョン「ちょっと、派出所に行ってきます」

チーム長「どうした?」

ジュニョン「女子高校生が行方不明になったと通報があったんです。拉致の疑いがあるので、調べに行ってきます」

ジュニョンの言葉を聞きながら、すぐに立ち上がり、上着を着始めるガンジェ。

ボンスは、ぼ~~っと聞いてるだけ(笑)


そんな動きに、部屋の隅にいたイェジが、聞き耳をたてる。

ジュニョンたちが出ていくと、すぐさま、そう~っと、社に電話をかけるイェジ。

パク記者「おお、どうした?」

「インターンのイェジからご報告です」

「ああ、なにかあったのか?」

「オ・ソンミンに関してではないんですが、どうやら、女子高生が拉致されたようです」

「どうやって、拉致だってわかった? 裏付ける証拠でもあるのか?」

「ああ・・・それが・・・すみません。確認してから、折り返します」

新人あるある。自分の無力さを痛感中。

 

~ハナ日報 会議室~

パク記者「まったく・・・最近の見習いは仕事の仕方も知らないんですね。あいつら、一発で仕事をこなすことができないんですよ」

イ・ジュニ「お前もかつては、そんなもんだったぞ」

「ですよね・・・? さぁ、コーヒーどうぞ」

「サンキュー」

じっと、書類に目を通し続けているイ・ジュニ。

「なにかあったんですか?」

その間、奥さんから電話が入ってきてるのに、音切ってるから、気づかない!

 

~派出所の前~

テピョンが立っている横で、オンマがずっと、電話をかけ続けている。

ああ、オンマったら、しっかり、ケーキの残骸を持ち続けてる(涙)

テピョン「(旦那さんは)まだ、電話に出られないんですか?」

オンマ「会議だって言ってました。きっと忙しいんです・・」

 

そこへ、署からジュニョンとガンジェが到着する。

驚くテピョンとジュニョン。

 

~カフェの前~

店の外から、ジュニョンとガンジェが、オンマと一緒に、店内のCCTVの映像を確認している様子を見ているテピョン。


ガンジェ「彼女はケーキを買った直後に、ここを出てますね」

オンマ「あの子がここを出たあと、あの子のあとを誰かがついていったりとか、なにか変な物音を聞いたりしませんでしたか?」

店員「いえ、そういったことはなにも・・・」

じっと映像を見ているジュニョン。

ガンジェ「ミジンが、7時29分にカフェを出た・・・」

店を出たミジンが、テピョンの座っていた席の前のガラス窓で立ち止まったことに注目するジュニョン。

ガンジェ「お母さん、娘さんが次に、メッセージを送ったのはいつですか?」

オンマ「7時35分です」

ガンジェ「・・・7時35分」

映像の中で、テピョンがミジンの顔を見ているように見えて、画面にくぎ付けになったジュニョン。


同じく、店の外にいるテピョンがこちらを見ているのに気づく。

映像を少し早回しにし、テピョンが急に立ち上がり、カフェを飛び出していく場面を自分だけで確認するジュニョン。

ガンジェは、その部分を見てないのね。。

ガンジェ「ご協力ありがとうございました」。

ジュニョン「お母さん、娘さんの携帯電話を拾った場所も案内していただけますか?」

オンマ「はい・・・」

オンマを含め、店を出て来た3人は、店の前にいたテピョンを気にすることもなく、ミジンの拉致現場に向かう。

あまりにも見事にスルーされるから、テピョンって誰にも見えてない瞬間でもあるのかと錯覚しちゃいそうになったよ。

どうしても気になり、あとを追うテピョン。

 

携帯とケーキがおちていたあたりを調べるジュニョンとガンジェ。

ガンジェ「この辺には、CCTVはありませんし、停めてある車にも車載カメラは付いてません」

それを受けて、周囲を見回すテピョン。

ジュニョン「拉致の映像は残ってないかもしれないけど、一つだけわかることがあるわ。タイヤ痕からみて、1トントラックね」

オンマがすぐ横で聞いているのを気にするジュニョン。

ジュニョン「向こうの道につながるCCTVの映像を手に入れてきて。この時間、この地域を出るトラックをチェックしてちょうだい」

小声で指示するジュニョン。

ガンジェ「わかりました」

オンマのほうに近づくジュニョン。

オンマ「犯人は、うちの娘をさらうのに、トラックを使ったんですか?冷凍トラックのような?」

ジュニョン「確実かどうか、もっと確認する必要があります。娘さんは、ケーキを誤って落としたのかもしれません。ご心配なのはわかりますが、どうかご自宅に戻られてお待ちください。ご連絡いたしますので・・・。」

ガンジェ「お母さん、タクシーが拾えるところまで、ご案内しますよ」

ジュニョン「どうか、そんなにご心配なさらずに」

ガンジェ「行きましょう・・・」

ガンジェと共に、歩き出すオンマをじっと見送るテピョン。

彼らが見えなくなるや、テピョンに近づくジュニョン。

何もいわずに、テピョンの胸のあたりを数回触れる。

テピョン「な、なんですか?(焦)」

ジュニョン「着てないわね」

テピョン「え?」

ジュニョン「防弾ベストよ」

あ~~~、しまった!

ジュニョン「嘘はうまいけど、それほど細心ではなさそうね」

テピョン「好きなふうに考えてください」

ジュニョン「それじゃ、なぜ、あの学生のあとをついていったの?」

これに関しては、あの映像を見れば、予見するって覚悟していたテピョン。

ジュニョン「あなたは、あのカフェで、初めてあの子に会った。それなのに、どうして彼女を追っていったの?」

そう問われながらも、テピョンの脳裏には、木棺に横たわるミジンに必死に声をかけているジュニョンの姿と声が浮かんでしまう。

テピョン「・・・・・」

ジュニョン「どうしたのよ? まさか、一目ぼれしたなんて、言わないでよね」

テピョン「ただ、同じ方向に歩いていただけですよ」

呆れたように、更に追及するジュニョン。

ジュニョン「あなたがそうやって嘘をつき続けるから、みんなに誤解されるのよ。あなたの首もとは、延びきってるわ。あの子の母親に襟を強く掴まれたみたいね。以前の誤解もさっさと解いたほうがいいんじゃないの?」

テピョン「ずいぶん、鋭いんですね」

ジュニョン「誤解のせいで、拉致され、撃たれた。誤解のせいで、母親はあなたの襟を掴んだ。いつまで、誤解だと主張し続けるつもり?もし、その学生が本当にさらわれて・・・いえ、もし、あなたが、あの少女の死を見たのなら、今、その子は、とても危険な状態にいるかもしれない。本当のことを話してください。本当に、あなたは、人の瞳を見ると、その人の死を見ることが出来るの?」

ジュニョンがテピョンをまっすぐに見据えているところに、ガンジェが戻ってくる。

ジュニョン「どうなの? 彼女がどうやって死ぬのか話して。」

観念するテピョン。

もちろん、女の子のことが心配なのが一番だけどね。

テピョン「彼女は、まず生き埋めにされて、そして死ぬんです。廃工場のようなところで・・・。彼女の身長より少し短めの、1.5メーターくらいの木棺の中にいました。あなたが、その学生を助けようとするんです。」

 

ミジンの名前を呼びながら、心臓マッサージをするジュニョン。

 

「心肺蘇生も試みます。でも、残念ながら、その子は、今日の0時少し前に死んでしまうんです」

 

呆然と固まったまま、テピョンの話を聞いているジュニョン。

 

「今日の0時だっていうのは、どうやってわかったの?」

「携帯電話が置いてあったんです。おそらく、その学生のものではありません。でも、携帯に、日付と時間が表示されてて、それが今日の0時なんです」

「あなた、今、私に何を言ってるのか、わかってます?」

「すぐにわかりますよ」

腕時計を確認するテピョン。

「今、9時15分ですから、あと2時間45分あります」

それだけ言うと、立ち去るテピョン。

ガンジェ「先輩・・・。もし、今、あの人が言ったことが全て事実なら・・・」

ジュニョン「その子の名前・・・ミジンは、20年前、チョ・ピルジュが使った同じ手口で死ぬことになる。あんたが手に入れたCCTVの全部の映像をチェックして!どんなことをしても、トラックを見つけるのよ、急いで!!」

ガンジェ「はい」

テピョンの話に、息もつけないほど、ショックを受けるジュニョン。

 

~木棺の中~

暗闇の中で、助けを呼び続けているミジン。

ようやく、手首を縛っていた縄がほどけ、両手を動かせるようになる。

なんとか、携帯を手にとり、電話出る。

「もしもし?」

《もしもし? 私は、その携帯電話の持ち主だけど・・もしかして、君が拾ってくれたの?》

「おじさん、助けてください!」

《え?》

「私、今、どこかに閉じ込められているの。この携帯が中に入ってたんです」

《え? 君は今どこなの?》

「なんか、棺桶みたいなところだと思います」

《おい、君は誰だ? 俺の携帯をどこで拾ったんだ?》

「わかりません、本当なんです。目が覚めたら、棺桶の中に閉じ込められてたんです。で、おじさんの携帯電話が中にあったから・・・」

《あ~まったく、おかしな奴だ。からかってるんだろ?》

「もしもし、おじさん? おじさん!お願いだから、切らないで!」

暗証コードの画面が出てしまい、適当に入れても、ロックが解除できない。

緊急電話で、警察に電話をかけるミジン。

ミジン「た、助けてください」

警官「落ち着いてくださいね。まず、どうしたのか、話してくれますか?」

「私、棺桶の中に閉じ込められてるんです。助けてください」

泣きながら必死に、警察のオペレーターに訴えるミジン。

突然、声が聞こえなくなる。

「もしもし? もしもし?」

 

~テピョンの自室~

イ秘書「それで、彼女に本当のことを話したんですか? 全部?」

テピョン「高校生が、本当に危険な状態にいるんだ。ただ、黙って立ち去るわけには行かなかった。それに、彼女が死ぬ前に、事態を変えることができなくても、僕からの情報で、あの子の両親に届くことができるかもしれないだろう。」

イ秘書「それはそうでしょうね。可能だわ。でも、他の場合とは違うのよ。これは殺人事件なの。もし、彼女が良からぬ考えをもって、テピョンさんが危険な目にあったら、どうするの?そんなことも考え付かなかったの?」


ペク先生「もし、そうだとしたら、こんな面倒事は犯さなかっただろうな。もう今日のところは十分だ。こいつがバカでない限り、理解したことだろう」

部屋を出ていくペク先生。

 

~強力班オフィス~

チーム長「それで、お前は、それを俺に信じろって言ってるのか?」

ジュニョン「彼は、20年前の、チョ・ピルドゥの手口を私に話したんです」

 

強力班のオフィスのテーブルコーナーに座って、聞き耳を立ててるイェジ。

イェジ「チョ・ピルドゥ?」

 

ジュニョン「彼は、場所、殺人者が使用した棺桶のサイズ、被害者の死亡時間まで、推定してみせたんですよ。なぜ、彼は、そんなウソをつく必要があるんですか?」

チーム長「だから、それがなんだ! お前は、やつの話だけを頼りに、公式な捜査本部をたてるべきだって言ってるのか? なんと言って? “彼は人の死を見ることができるから、この人を信じるべきです”ってか?」

「彼は、木棺の中に携帯電話があったと言ってます。私は、絶対に彼女は助けを求めてくると思うんです」

「おい、ソ・ジュニョン!!」

「誰かが911に通報したかどうかだけでも、確認してみましょうよ!」

呆れかえるチーム長。

その場で、いたたまれず、立ち尽くしているボンス。

ジュニョン「彼のいうことを信じる、信じないにかかわらず、これが事実なら、再び20年前の恐ろしい連続殺人事件が始まる、稀有な機会なのかもしれないんです。そんなこと、起こさせるわけにはいきません」

ジュニョンの真剣な訴えに、仕方なく、ボンスに確認するように命じるチーム長。

 

その様子を耳ダンボで聞いているイェジ。

イェジ:チョ・ピルドゥって、なんのこと? なんで、彼女はあんなに興奮してるの?

 

早速、スマホで調べ始める。

 

ボンス「こちら、中央署の強力1班ですが、そちらに、拉致事件で、助けを求めてきた人はいませんか?」

 

イェジ:逮捕時に、刑事が死亡?

 

ボンス「ああ、はい。ありがとうございました」

電話を置くと、拉致事件の通報は受け取っていないと伝えるボンス。

あ~~~、これ、絶対、質問の仕方の問題よね。

溜息をつくジュニョン。

 

チーム長「お前が、チョ・ピルドゥの件では神経質になるのもわかるよ。理解しよう。あいつのせいで、お前の父親は死んだんだからな」

 

聞きながら、スマホの情報と繋ぎあわせようとするイェジ。

イェジ:逮捕中に亡くなった刑事の娘・・・

 

その時、緊急指令が響き渡る。

 

「1.2.1.2 こちら指令室より、コード0です。ただいま、午後9時33分。木棺の中に閉じ込められているという女子学生から入電あり。署内にいる強力班のサポートを要請します。」

 

ジュニョンに顔をむけるチーム長。

間髪入れず、飛び出していくジュニョン。

 

急いで、社に連絡を入れるイェジ。

「おお、どうした?」

「ソウル中央署から、インターンのオ・イェジが報告します。20年前に7名の女性を殺した、チョ・ピルドゥと名乗る連続殺人犯がいたんですけど」

「ああ、知ってるから説明する必要はない。そいつがどうした?」

「さきほど、その事件に酷似した拉致事件の通報がありました」

「ん? たしかか?」

「警察はたった今、通報を受け、被害者と話をしているようです」

キャップのほうを見上げるパク記者。

 

~通信指令室~

泣きながら、必死で助けを求めるミジンの通報音声を確認するジュニョン、チーム長、ボンスの3人。

「もしもし? もしもし? どうか助けてください。どうしてかわからないんですけど、電話が切れてしまったんです」

「もしもし? たった今、電話をかけてきた人かしら?」

「今、木棺の中に閉じ込められてます。・・・家に帰る途中、突然・・・でも、目がさめたら、この中にいたんです。あ~、お願いです、助けてください。ここから出して下さい。お願い!!」

「大丈夫だから、落ち着いて」

恐怖のあまり、泣きわめくミジン。

この辺りは『ボイス』見てると、グォンジュ(イ・ハナ)にいてほしいよね。


オペレーターに代わり、対応するジュニョン。

「ミジナ、ミジナ?」

急に、自分の名前を呼ばれて、驚くミジン。

「誰ですか?どうして、私の名前を知ってるんですか?」

「私はね、ソ・ジュニョン刑事っていうの。今から、ミジンがどこにいるのか、探しにいこうとしてるの、だから、泣かないで、なにがあったのか、ゆっくりと話してくれる?」

「目がさめたら、木棺の中にいました。この携帯電話の暗証コードを戻そうとしたんですけど、できなくて、でも、男の人から電話がかかってきました。この電話がいつまでもつか、わかりません。本当に怖いんです」

「ミジナ、私たちが、この電話のバッテリーが亡くなる前に、あなたを見つけ出すわ。約束する。」

「すみませんが、うちのオンマに電話してもらうことはできますか?オンマの名前は、ヨ・ジウォンで、アッパはイ・ジュニです。うちの固定電話は・・・」

メモするジュニョン。

声を出さずに、逆探知するようにボンスに指示を出すチーム長。

「オンマの電話番号は・・・・」

イ・ジュニの名前に憶えがあるジュニョン。

「わかったわ、ミジナ。もうあなたのお母さんから、通報をもらってたの」

「オンマがですか? 私のオンマですか?」

逆探知失敗のようで、悔しそうに目を閉じるボンス。

「先輩、番号が登録されていないので、追跡できません」

「識別番号ならどうだ?」

「どちらもだめです」

ミジンに声をかけるジュニョン。

「ミジナ、その電話に誰かが電話してきたって言ったわよね?また、誰かから電話がかかってきたとき、その番号を覚えて、私たちに伝えることはできる?もし、その番号がわかれば、あなたを探すのがとても簡単になるのよ」

「は・・い。わかりました。ありがとうございます」

ミジンを励ます言葉と裏腹に、焦りの色がにじむジュニョン。

 

~ハナ日報 会議室~

「探せ! これが全部か?1997年から1998年にかけてのファイルがないぞ!チョ・ピルドゥに関するものは全部持ってこい!」

久しぶりの大ネタに興奮を隠せないイ・ジュニ。

「はい」「はい!」

イェジに電話を入れさせる。

「おお、俺だ、イ・ジュニだ」

「はい、キャップ」

「被害者の詳細、わかったか?」

「17歳の女子学生だっていうことしか、まだ、確認はとれてません」

すぐさま、ホワイトボードに情報を記載していく。

・17歳女子

「それから?」

「犯罪の手口が20年前の事件と酷似しています。1.5メーターくらいの木棺の中に生き埋めにされています。死を見ることが出来る男性が彼らに語りました。」

「なんだと?」

頭を抱えるパクハ記者。

自分で判断するな、考えるな、見たまま、聞いたまま報告しろって言われるんだよね(笑)

イェジ「ソ・ジュニョン刑事は、犯人を逮捕した際に亡くなった刑事の娘です。」

パク記者「もう、それはこっちでもわかってる」

イ・ジュニ「ちょっと待て。おい、この事件の担当はソ・ジュニョンなのか?」

イェジ「はい」

イ・ジュニ「よし!大体、方向性がみえてきたぞ。・・・(イェジに)被害者について確認でき次第、すぐ知らせろ」

電話を切るパク記者。

ホワイトボードにポイントをまとめていくキャップ。

17歳の少女

同じ手口

チョ・ピルドゥの模倣犯

刑事の娘 ソ・ジュニョンは、父親の遺志をついで犯人を捕まえることができるか?

 

パク記者「キャップ、すごい見出しになりますよ」


イ・ジュニ「注目!みんな。、まず、我々は、この17歳の女子高校生の拉致事件について報道する。いいな?」

「はい」

「最初の記事から、ソ・ジュニョンに焦点を当て、被害者が分かり次第、記事を更新し続けるんだ。わかったな?」

「はい」


~強力班のオフィス~

飛び込んでくるジュニョン。

派出所で記入された、イ・ミジンの捜索願や写真資料に目を通す。

証拠品として預かっているミジンの携帯の待ち受けには、家族写真が使われている。

 

子供の頃の記憶を蘇らせるジュニョン。


被害者イ・ミジンの父親は、ハナ日報のイ・ジュニに間違いない。

 

自分の過去のみならず、イ・ジュニ記者との繋がりも発覚し、その衝撃に考え込むジュニョン。

チーム長が側にやってくる。

「どうなってるのか、さっぱりわからん」

「これは、単純な模倣犯の仕業じゃありません。」

「どういう意味だ?」

「イ・ミジンさんは、イ・ジュニ記者の娘さんです」

「イ・ジュニ記者?・・・イ・ジュニ・・・イ・ジュニ記者か?20年前にお前の親父さんの記事を書いた記者か?」

「チョ・ピルドゥ事件について、しつこく追い回した記者です。」

「はぁ・・」

溜息をつくチーム長。

「キム・テピョンは正しかった」

「なんて言ってたんだ?我々が彼女を発見するが、彼女は助からないと?」

「助けなきゃ・・・。そのためにも、あの子の母親にここに来てもらわなければ・・・。1分でも1秒でも時間を無駄にしないためにも、母親に、ミジンを落ち着かせたほうがいいです。」

「よしわかった、だが、もしも、なにか起きたらどうする? 彼女は、今は平気かもしれんが、もし、彼女の子供が死んだりしたら、どうなるかわからんぞ。やはり、ここは、イ・ジュニだろう」

父親の役目だと言いたいのね。

「だが、あいつは、全てをお前のせいにするかもしれない」

「もし、誰かが責任を取らなければならないなら、私が取ります。」

「ジュニョガ・・・」

「私たちは、なんとしてでも、あの子を助けなければ・・・」

 

~ハナ日報 会議室~

携帯の音を切り、オンマからの着信も無視するイ・ジュニ。

後悔するよ!

パク記者を呼び寄せる。

「お前は、イェジと合流し、ソ・ジュニョンの動向を見張れ。彼らが被害者を見つけ次第、報告し、そのまま、残って、現場の写真を送ってこい。いいな?・・・よし、いいか、急げよ」

他のスタッフたちにも発破をかけるイ・ジュニ。

 

~ミジンの部屋~

父親であるイ・ジュニになんとか連絡を入れようとしているオンマ。

見知らぬ番号から着信があり、警戒しながら電話に出る。

「もしもし?」

「ソ・ジュニョン刑事です」

ほっとするオンマ

「はい、刑事さん」

「今すぐに、警察署に来ていただけますか?」

「え?」

「ミジンから電話がかかってきました」

「え、ええ」

急いで支度をするオンマ。

 

これから、母親にさせようとしていることを思うと、気が重くなるジュニョン。

 

係長とボンスが通りかかる。

とんだことになったな・・・と、ジュニョンの様子を案じる視線をおくる係長。

「お疲れ」と通り過ぎる。

 

~木棺の中~

ミジン「うちのオンマの誕生日なんです。」

「ミジン、なにも心配いらないから、こうなった状況について、思い出せることをなんでも、お姉さんに話してくれるかな?」

オペレーターがミジンに話しかける。

 

係長も、通信指令室で、そのやりとりを黙ってきいている。

 

★『ザ・ゲーム:0時に向かって』3話の雑感★

 閉じ込められたミジンの緊迫感、オンマの混乱ぶり、そして、仕事優先にするあまり、かえって事態把握ができていない父親。

被害者家族の三者の描きかたは、上手いなぁと思います。


テピョン、すっごくいい青年なんだけど、ジュニョンのキャラと比較すると、どこか傍観者な感じです。

イ秘書が興奮して諭していたように、今までいろんなことに巻き込まれてきたんでしょうね。


あえて、存在感を消して生きてきたことを示そうとして、画面上でも、気配消してるのかな?(爆)