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2分割しています。前半の【Episode1】(1) はこちらから
ホテル・デルーナ호텔 델루나
【Episode 1】(2)
「ピョンチャン市の市長、パク・ギュンホがここに来ております」
檀上から、深々と頭を下げるパク市長(キム・ウォネ)。
「さて、ここで、ピョンチャン市の革新的成長に寄与したビジネスマン賞を授与します。この賞は、Beomin社のCEO、キム・ドンファン氏に贈られます。」
この人、漢江の事件の時、現場にいた人じゃない? どうみても、ヤ〇ザ・・・。
「おめでとうございます」
口々に、祝いの言葉を述べる一同。
市長から賞状を受け取るキムCEO。
茶番というか、癒着の匂いしかしない(笑)
その時、会場全体に、高音のノイズが走る。
皆が一斉に、耳を押さえ、中継のテレビカメラにも映像に乱れが生じ、切れてしまう。
授賞式を続行するためにも、写真を撮るようにスタッフに指示を出す市長。
その時、突然、扉が開き、紫のドレスをきたマンウォルが、ライフルを片手に颯爽と登場する。
市長「あれは、誰だ?手に銃を持った女がこっちに向かってくるぞ!早く、阻止しろ!本当に、銃を持っているんだぞ!おい、銃を置きなさい」
その場にいる人には、マンウォルの姿は見えていない。
中央で立ち止まったマンウォルが、ライフルを構える。
このライフルも装飾バッチリのゴージャスアンティーク調!
ねらうは、檀上の市長。
殺されたイ刑事の頭部から抜き取った銃弾が、市長の胸を直撃。
「し、市長・・!」
「撃たれた・・・」
衝撃で、膝をつく市長。
余裕で、市長を見つめているマンウォル。
「銃撃? 何を言ってるんですか?」
「あの女が今、まさに、銃で私を撃ったのだ」
自分の胸を見ても、何もなっていない。
「あの女は確かに撃ったんだ」
混乱し、周囲を見回すうちに、背後を振り返ると、亡くなったイ刑事の亡霊が立っている。
「イ刑事か? お前は死んだだろう。来るな! 来るな!」
当然、市長以外には、マンウォルだけでなく、イ刑事も見えていません。
恐怖のあまり、壇上から転げ落ちる様子を見て、バカにしたように、笑っているマンウォル。
「あそこにいるのは、イ刑事だよな?」
「どうされたんですか? 落ち着いてください」
「おい、この野郎!」
混乱状態の市長を囲み、遠巻きにする参列者たち。
その様子をみて、唇を噛みしめ、目を伏せるイ刑事。とりあえず、これで、来世に向かう決心がついたのね。
ライフルを担ぎ、その場をあとにするマンウォル。
ああ、この両肩担ぎ、今は、ちょっと見るのが辛いです。
~ホテルデルーナ 執務室~
ノ支配人「社長様は、イ刑事が自分で逮捕することができなかった男を、刑務所よりも苦しい場所に閉じ込めたということですな。」
マンウォル「もし、十分にあの男を引きずりおろせたら、おそらく、このホテルにくることになるでしょうね」
シャンパンを飲みながら、こともなげに話すマンウォル。
「で、先日、彼女が話したものは見つけられたの?」
「はい。駅のロッカーの中に、これを見つけました」
マンウォルの前に、大量のダイヤモンドの粒をざらざら~っと出して置くノ支配人。
「彼女が発見した密輸品の中の一つだったのでしょう」
笑い出すマンウォル。
「当分、シャンペンをたっぷりいただけそうね」
こういう、ちょっと俗世っぽいところもあるんだ(笑)
「これは、借金の返済に充てませんと・・・」
強制的に、ダイヤの粒の一部を回収してしまうノ支配人。
「そんなに借金があるの?」
頷くノ支配人。
「ま、いいわ。まだ、これだけあるし・・・」
「こちらは、未来の支出に対し、支払う分として必要なものでございます」
更に、取り分を手でわけてしまうノ支配人。
「そんなに必要なの?」
頷く支配人。
「ホテル経営に、なんで、そんなお金がかかるのよ?(怒)」
もう遠慮なく、ヒステリックに怒鳴ってます(笑)
「すべては、社長様のお車、お買い物、シャンペンなどへの支払いでございますよ。ホテルを運営するのに、これほどのコストはかかりません」
もっと言ってやれ!(笑)
つまらなそうなマンウォル。
「金の儲け方を知る以前、私のために働く男がいた時は、金の心配などしたことはなかったのに」
「その前に、社長様のために働いていた別の男のせいで、あなたは餓死するところだったと聞きましたよ」
イスの持ち手をバンっと叩くマンウォル。
「あの男のことを思いだすと、まだ、腹がたつわ!」
「私の後任者のためにも、なぜ、節約なさらないのですか?」
節約?(笑)
マンウォルにその観点があるとは思えないけれど・・。
「これは、20年分の養育費を支払うための資金ですよ」← チャンソンの養育費だよね?
そう言って、残りのダイヤモンドを回収する支配人。
「ちょっとお待ち!」
ノ支配人の手を押さえるマンウォル。
「子供ひとりを育てるのに、本当にこんなに費用が必要かしら?」
頷く支配人。
悲しそうに、ダイヤを見つめるマンウォル。
「いいわよ。持っていきなさいよ。その子が成長したら、負担させればいいんだから」
我が儘マンウォルが折れた!
残りの二粒のダイヤを手のひらに乗せるマンウォル。
******************
退院してきた日、1億ウォンが入金された通帳を見つめるヒョンム。
ヒョンモ「夢じゃなかったんだな。父さん、本当にお前を売り渡してしまったようだ。あのホテルを見つけ出さないと・・・。この金を返さなきゃならない、取引は中止だ」
慌てて、松葉づえをつき、歩き始めるヒョンム。
「アッパ、気をつけて」と、あとに続くチャンソン。
ホテルデルーナを探して、街中、歩き回るヒョンム。。。
当然、見つからない。
ヒョンモ「ここらへんだったと思うんだけどな・・・。息子や、ちょっとだけここにいろ。動くなよ」
自分だけで探しまわろうとするヒョンム。
一人残されたチャンソンの前に、黒塗りの高級車が静かに停止する。
後部座席の窓が下り、現れたのはマンウォル。
チャンソンの顔を確認しにきたようね。
自分に微笑むマンウォルを見て、微笑みをかえすチャンソン。
なぜか、むっとするマンウォル。
その様子を微笑ましそうに見ている運転席のノ支配人。
窓を閉め、そのまま、無言で行き過ぎるマンウォル。
その車をじっと見つめるチャンソン。
マンウォル「毎年、あの子の誕生日に、花を送って。そうすれば、この取引のことを忘れたりはしないでしょう。月見草(待宵草)がいいわね」
なぜか、正面の屋敷が気になるチャンソン。
~2019年~
成長したチャンソン、スーツ姿です。
「ク・チャンソンさん?」
声をかけてきたのは、チャンソンが就職する事になるこのホテルのオーナー秘書。
「社長がいらしています。一緒についてきてください」
「はい」
履歴書を確認している女性社長。
「私どものために、シンガポールのホテルから移る事については、決して後悔させないわ。あなたと働けて、光栄よ」
握手を求める社長。
「私を信頼し、このような大きな役目を与えてくださり、感謝しております。」
「昨年、あなたは私どもの依頼を断ったのに、今年になって、了承したわよね? どうして?」
「ちょうど20年たったからです。20年の間は、決して、韓国に戻ってこないこと・・・というのが亡くなった父との約束だったんです。昨年は、まだ、その20年を迎えていませんでしたが、晴れて20年になりましたので、こうして、戻ってくることが出来たのです」
「そのような約束をしなければならない、なにかご事情があったのね」
「借金や、なにか犯罪に絡んでいるということはありません。もっと・・・迷信のような・・・不幸を避けるというか、そういう感じです。」
「ああ、お年寄りのなかには、そういうことを本当に信じていらっしゃる方もいるわね。私も29歳で結婚しなければ不幸を避けられない、とか、散々言われたわ。悪運を避けるための策なんて、どこにもないのにね?」
「ところで、ソウル市内に、外壁をツタで覆われた、約100階建てくらいで、広いプライベートビーチを持っているようなホテルがあるか、ご存じでしょうか?20年くらいまえに、そのようなホテルが存在していたのでしょうか?」
「え?」
「ありませんよね?」
荒唐無稽な問いかけに、自ら、結論を出すチャンソン。
社長との面談が終わり、秘書とともに、階下に降りてきたチャンソン。
「あなたの荷物は全て、あなたのオフィスに届ける手配をしてあります」
「ありがとうございます」
「ソウルで、どこか滞在される場所は見つかりましたか?」
「少しの間は、友人のところにおります。」
「どういうわけか、あなたの誕生日プレゼントがこちらに届いたんです。ハッピーバースディ。今日は、あなたのお誕生日ですよね? オフィスにプレゼントを置いてあります」
顔色が変わるチャンソン。
「ちょっと待ってください。そのプレゼントというのは・・・」
「お花です。どんな花だったのかまでは覚えてませんが」
「月見草・・・です」
自ら答えるチャンソン。
愕然とした表情で、黄色い月見草の鉢植えを見つめるチャンソン。
「もう20年経ったじゃないか。なぜ、まだ、これを受け取れと?」
ウロウロと歩きまわる。
「恐れるな! お前は、自分の手で人生を手に入れて来たんだ」
メッセージカードに気づく。
「これはなんだ? ホテルデルーナ?」
インヴィテーションカードね(笑)
親愛なる ク・チャンソン様
ホテルデルーナに採用されましたことをお知らせいたします。
明日より、ご出社ください。
ホテルデルーナ 社長 チャン・マンウォル
チャンソン「なんだよ、これ。 このホテル、実在してたのか? 住所まで載ってる・・・。明洞?」
月見草の鉢植えを持って、帰宅の途についたチャンソン。
「本当にそこに行かなくちゃいけないのかな?」
“誕生日おめでとう 親愛なる ク・チャンソン”と書かれた月見草の鉢植えを、駅のゴミ箱に捨てるチャンソン。
満員の地下鉄で、人波をかき分け、隣の車両まで移動してきた時、誰一人乗っていないことに気づく。
ただ一人を除いては・・。
チャンソンが捨てたはずの月見草の鉢植えを持って座っているマンウォル。
それに気づいた段階で、心理的にアウトね(笑)
マンウォルの前の座席に腰を降ろし、対峙するチャンソン。
「あなたですか?私を買った方というのは?」
「このために、ずっと時間をかけて準備をしてきたと思うけど・・。まず、私が何者かを訊ねるのかと思っていたわ」
「聞かなければならないことは何もありません。うちの父から説明されたとおりでしょう。あなたは、ホテルデルーナのオーナー、チャン・マンウォルさんですよね?毎年、誕生日になると、その花を送り続けてくれた女性です。」
「あなた、今日したように、毎年、この花を捨てたわね?」
「この花を受け取るたびに、私は、父が私に語ったことが本当だったと恐怖を覚えました。あなたが私のところに来るのが怖かったんです」
「それが、外国を転々としていた理由なの?そうすれば、私があなたを捕まえにいくことが出来ないだろうと?」
「ええ、逃げていました。でも、本当にあなたが来るとは期待していなかったんです。昨年、全て終わったと思った時、あなたを過小評価しました。」
「それが、私が期待したことであり、私が今年、来た理由よ。昨年、良い休暇を与えてあげたんだから、明日からは私のために、働きはじめるのよ」
「私の父は、あなたを怖い人だと言っていました。拒否したら、私を殺しますか?」
「あなた・・・私が怖いの? そりゃ、怖いくらい可愛いすぎるってことくらい、私だってわかってるわよ」
「同意します。ですから、あなたは怖い人ではないと思いたいし、あなたの申し出を拒否し続けます。」
少しだけ、俯き、ふふっと笑いをこぼすマンウォル。
「毎年の誕生日に花を送っていたことは、間違ったアイディアだったみたいね。代わりに、鳥の頭を送りつけてやればよかった。」
鉢植えを隣に置くマンウォル。
「今年のあなたの誕生日の為には、違うものを送ることにしましょう」
緊張するチャンソン。
マンウォルが立ち上がると、車両が真っ暗になる。
一歩ずつ、チャンソンに近づいていくマンウォル。
チャンソン「あなたには、信じられないほど力があり、あなたのホテルはとても成功を収めているに違いありません。それなのに、なぜ、私のような普通の男を手に入れようとするんですか?なぜ、私をこのまま、解放してくれないんですか?」
チャンソンのすぐそばまで近づき、頬をそっと撫でると、あごクイするマンウォル。
チャンソン「ま、まさか・・・私の誕生日プレゼントに、鳥の頭を送ろうとして?」
ビビりながらも、言うだけのことは言ってやろうと、会話をやめないチャンソン。
彼の目に、そっと息を吹きかけるマンウォル。
風圧に目を閉じるチャンソン。
「心配しないで。臆病者のク・チャンソン。あなたの首は、まだ無傷よ。」
「僕に何をした?」
「プレゼントよ」
にっこり笑うマンウォル。
「誕生日おめでとう。今年のプレゼント、特別なものになるはずよ」
車両の電気がつき、マドゥル駅に到着。
マンウォル「降りないの?」
降りかけて、ゆっくりとマンウォルのほうを振り返るチャンソン。
マンウォル「なに? もっと私と一緒に過ごしたいの?」
シートに置かれた鉢植えを手に持つと、
チャンソン「私の誕生日に送ってくれた花を捨てるつもりはなかったんです。空港では、農産物などは検査対象になるからです」
それだけいうと、車両から降りるチャンソン。
思わず、笑ってしまうマンウォル。
駅を出ても、なお緊張状態が続くチャンソン。
「一体、俺に何をしたんだ・・」
マンウォルに息を吹きかけられた目をこする。
「彼女のホテルに、俺を雇うメリットなんて、何があるっていうんだよ」
耳に息を吹きかけれらる妄想に進展(笑)
チャンソン「まさか、彼女のおもちゃになれってか?」
耳元で、父親の声が聞こえてくる。
ヒョンモ「チャンソン、逃げろ! あそこは怖いところだ。そこで、死んだ人間を見た。チャンソン、逃げるんだ!彼女に出会う前に・・・逃げろ!」
「わかったよ、父さん」
逃げるんだ、逃げなきゃだめだ!
小走りに、泊っていたホテルに戻ると、荷造りを始めるチャンソン。
(ここ、よくよく見返したら、後で一緒に住むことになる友人サンチェスの家だった)
パスポートを確認した時、目がかすんで、文字が見えない。
目をこすると、再び、見えるようになる。
急いで、スーツケースを持ち、外に飛び出す。
「申し訳ありません。 次週から働き始めることができなくなりました。詳しくは、Eメールでご説明しますので・・・」
就職先のホテルに断りの電話を入れるチャンソン。
タクシーを拾うため、通りに立つと、どうにも、目に違和感を覚え、また目をこするチャンソン。
再び、目を開けると、サングラスをかけた女性が前方に立っているのに気づく。
~ホテルデルーナの執務室~
マンウォル「今頃、彼は、誕生日プレゼントを受け取った頃ね・・・、そして、新しい世界が彼の目の前に広がっているはずよ」
支配人「おそらく、死者が見えるようになって、パニックを起こしても、誰からも助けられることはないでしょう」
マンウォル「馴れるしかないわよ。ここで働かなければならないんですもの。もし、このホテルで働くなら、お客様を見ないわけにはいかないでしょう」
支配人「社長様は、彼に警告さえもされなかったとか・・・。もし、予期せぬ段階で、はじめて死者を見たりしたら、重大な事故を起こすかもしれませんよ」
マンウォル「そうかしら?」
支配人の忠告をきき、はじめて、心配になるマンウォル。
マンウォル「ああ、ショックを起こして死なせることはできないわ。ことが複雑になってしまうじゃない」
~大通り~
サングラスの女性を少し気にしつつ、先を急いでいるチャンソン、先にタクシーが止まっているのに気づく。
チャンソン「すみません。私が先だったんです。あのタクシー、私が先に乗ります」
不思議そうに、チャンソンの方を向くサングラスの女性。
チャンソン「あなたも、先に私がここに立っていたのを見たでしょう。・・・見ましたよね?」
女性「見てません。だって、私、あなたを見ることができないんです」
サングラスを外す女性。
目が・・・ない。。。
さすがに、キャプチャー画像は載せません。
チャンソン「うわ~~!(恐)」
マンウォル《誕生日おめでとう。今年のプレゼント、特別なものになるはずよ》
目をこすっても・・・目の前の女性の、目が・・ない。。。
女性「あなた、どこにいるの?」
アワアワしてしまうチャンソン。
女性「なにか言ってよ」
その時、タクシーが止まる。
運転手「ねぇ、お客さん、乗るの? 乗らないの?」
チャンソン「の、の、乗ります!」
その声を聞き、チャンソンに近づく女性。
うわ~~~と、反対方向に走って逃げだすチャンソン。
不思議そうなタクシーの運転手さん。
逃げるチャンソンをずっと追いかけるサングラス女性・・・を後ろから、見ているマンウォル。
「自ら臆病者の一人になったわね」
闇雲に、細い路地街を走り回ったチャンソン。
「ここはどこだ?」
息を整えながら、角をまがると・・・サングラスの女性と鉢合わせ。
また、逃げ出すチャンソン。
「来るなよ、来るな・・・」
隠れているチャンソンの頭上に石を投げたり、怖がり、逃げ惑う彼のあとを追うマンウォル。
どこに逃げても、サングラスの女性からは逃げられず・・・。
「なんで、僕のあとを追いかけ続けてくるんですか?消えてくれ!」
絶叫するチャンソン。
そんな様子をじっと見ているマンウォル。。
「ちょっと、やりすぎね。ウリチャンソンが、どんどん可愛そうなことになってる・・・」
サングラスを外そうとするのを止めるチャンソン。
「君が何も見えないっていうのは、もうわかってるから!サングラスなしじゃ、怖すぎるんだよ。行けよ! どっか行ってくれ!」
大声で叫ぶチャンソンの口を後ろから、ふさぐマンウォル。
「し~」
木の実を投げ、サングラスガールがその音の方に移動していくのを見守る2人。
これで、声を出したり、音をたてるから、サングラスガールがついてくるのだ、と学習したチャンソン。
スーツケースを持っているチャンソンを見て、
マンウォル「遠くに旅行に行くつもりみたいね」
立ち上がるチャンソン。
チャンソン「そうですよ」
精一杯、強気なふりをする。
マンウォル「私があなたにあげたプレゼントはね、空港の税関に引っかかったりしないわよ。あなたには、それを取り除くことはできないの。悪いわね」
チャンソン「あなたが、あの変な女を俺のところに寄越したんですか?」
マンウォル「いいえ、私は何も送ったりはしてないわ。あなたが見たままよ。前には見ることができなかったものが、見えるようになったの」
「あれはなんだ?」
「幽霊よ」
驚きで声も出ないチャンソン。
アッパから聞いてたけどね。。。
「う、嘘だろ!」
目を覆うチャンソン。
突然、話題を変えるマンウォル。
「ねぇ、この近くにテレビにも紹介された有名なマンドゥ(韓国風餃子)屋さんがあるんだけど、そこに行きましょう」
「マンドゥ屋?!」
「行きたかったのよ、ちょうど良かった。何してるの? 行きましょう」
「もし、あなたについて行かなかったら、さっき見た何者かが、私を殺すんですか?」
「死なないわよ。さっき、あなたが見た者には、人間を殺すほどの力はないわ。あなたの弱い心臓が驚いたからって、別に、取り返しがつかないって訳じゃないでしょ?それでいい? マンドゥ屋が閉まっちゃうわ。遅れるわよ」
「帰ってください。そして、私の目を元通りにしてください。あなたがそうしなければ、僕はここから、どこにも行きません!」
不機嫌になるマンウォル。
「もし、あなたのせいで、遅くなって、お店が閉まったら、あなたの目は、閉じたままになるわよ・・永遠に」
~マンドゥ屋~
あはは・・・。
あんなに強気になって、一歩も動かないって宣言したのに、結局、マンウォルと一緒に店にいるじゃん。(笑)
料理の写真を器用に撮影してる(笑)
まさか・・・インスタやってんの? マンウォル?
「ねぇ、目を開けなさいよ。人間はね、空腹のままだと死んじゃうのよ。私がここに連れて来たんだから、あなたは死んだりしないわ。あ、“食後に死んだ男”って知ってる?この店は、彼らが30個のマンドゥを注文した店なの。でも、彼らは、一つ残らず食べきったのよ」
店員が、Closeの札を入り口に掛ける。
「ね?もし、もう少し遅かったら、食べられなかったのよ」
怒りで言葉にならないチャンソン。
店の前の看板の電気を消しに出て来た店員が、道の真ん中にリヤカーが止めてあるのに気づく。
「なんだよ、動かしたほうがいいよな」
そう言いつつ、店に戻ると、リヤカーに近づく男が現れる。
飲食店のくず野菜とかをもらっている様子。
あ、ホームレスかと思ったら、年を取ってはいるけど、あの時の市長じゃん。
残飯の中から、サンドイッチを取り出して食べていると、店の中にいるマンウォルに気づく。
忘れもしない、あの時、自分に向けて、銃を撃った女。
~店内~
「つまり、僕は、一日中、さっきみたいな、あんな恐ろしいものを見続けなければならないんですか?」
「さっきのは、ちょっと不運だっただけよ。結局、恐ろしいもののうちの一つを見ることになっちゃったわけだけど・・・。別に、みんなが怖いってわけじゃないの。そうねぇ」と周囲を見回す。
「ほら、あの子。あそこの彼をみてみて」
窓際で、マンドゥを食べている少年。
「彼なんかは、全然、怖くないでしょう」
・・・と思っているのは、マンウォルだけ(笑)で、十分ビビってるチャンソン。
「もし、たまたま、見かけたとしても、人間だと思って通り過ぎればいいのよ。あいつらのほとんどは彼みたいな感じだから、そんなに恐れることはないの」
「あそこで、彼は何をしてるんですか?」
マンドゥ食べてるじゃん。
「突然、死んじゃったせいで、彼らの中には、理解できてない者もいるのよ、自分が本当に死んでしまったってことを・・・。で、その中には、自分が生きていたときに好きだったことに夢中になるものもいる。。。どうやら、あの子はマンドゥに夢中だったんじゃない? なんか説明しずらいわ。」
ここら辺は、昨秋の『今日の探偵』に出てきた幽霊たちも同じ感じでしたね。
「なんで、俺に、あんなものを見させるようにしたんですか?」
「ホテルデルーナに来たら、わかるわよ。なぜ、私がおいでって言ってるときに来なかったのよ?そうすれば、こんな風に恐ろしい目に合わなくてもすんだのに・・・」
あ、熱い・・・と言いながら、マンドゥを口にしようとするマンウォル。
「相当熱いわ。どうやって、キム・ジュンヒョンは、一口で5つも詰め込んだの? 信じられないわ」
チャンソンにも、マンドゥをすすめるマンウォル。
拒否するチャンソン。
「信じられないのは、あなたもだ。 ちらっと見ただけじゃなく、近寄って見ても、あなたは普通の人間みたいです。あなたもまた、死んだ人間なんですか?」
その問いかけにきちんと向き合い、返事をするマンウォル。
「私は死者じゃない。まだ、死んだりしてない。ただ、ここにいるだけ」
フ~フ~冷ましながら、小籠包を食べるマンウォル。
マンウォルの答えの意味を、考えているチャンソン。
チャンソン「あなたの言う、“まだ”とは? いつかは死ぬかもしれないということですか?」
マンウォル「なぜ、そんなことを聞くの?私を殺そうとするつもり?」
びっくりして固まるチャンソン。
マンウォル「ほら、1個でもいいから、一口で食べてみなさいよ。成功したら、チャンスをあげてもいいわ」
チャンソン「俺はただ、俺の視界からあなたに消えてほしいだけなんです」
あくまでも、自分を否定するチャンソンの言葉に、面白くなさそうなマンウォル。
店からの帰り道。
マンウォル「私に会うのが嫌なク・チャンソン、この道をまっすぐ戻ったところで、ミルクティーを買ってきてよ。それを飲み終わったら、死ぬから」
チャンソン「(小声で)小籠包をいくつ食ったと思ってるんだよ。そんなに、キム・ジュンヒョンがすごいと思ってるのか?人間じゃない・・・」
マンウォル「急いでよ。あなたのせいで閉まっちゃったら、あんた、死ぬことになるわよ」
言い返そうとして、結局、来た道を戻るチャンソン。
結局、マンウォルには、どうあっても逆らえないのだ。(笑)
道の隅でこちらを窺っている元市長の殺気に気づいているマンウォル。
マンウォルの前に姿を見せる元市長。
「俺を撃った女だな?確かに、俺を撃ったよな?」
「あなたの罪はひどいものだった。だから、こんなふうに落ちぶれたんでしょう。あなたは、自分の来世を期待することは出来るわ、たとえ、悪くなるとしても・・・。」
懐から、さびついた鉄筋の棒を取り出す元市長。
「みんな、おまえのせいだ。死ね~~~」
マンウォルの胸に、棒を突き刺す元市長。
元市長が、その手を離し、残虐な笑いを浮かべる様子を、じっと見つめるマンウォル。
その時、せっかく、遠ざけたチャンソンが、ミルクティーを手に戻ってきてしまう。
チャンソン「おい、何してる!」
マンウォルの前に立つ不審者に声をかけるチャンソン。
電柱にもたれ、そのまま、座り込むマンウォルの元に駆けつけ、マンウォルの胸にささった鉄筋の棒を見て、驚愕する。
「それ、刺されたんですか?」
「あの人間は・・・なぜ、自分の過ちについて考えず、他人の非難ばかりするの?」
「大丈夫かって聞いてるんですよ」
「私は、あの汚らしい老人をあえて、あざけったりはしない。私もかつては、ちょうどあんな風に剣を振り回し、狂っていたから・・・。ねぇ、ク・チャンソン、あんた、一口で小籠包を食べられなかったけど、2回目のチャンスをあげるわ。もし、逃げたいなら、このまま、お行き。もし、振り返ったり、歩いたりしなければ、あんたの望んだとおり、視界から消えてあげる。行きな。」
そう言われても、この状況でとても、離れられないチャンソン。
マンウォル「もし、今、あんたが去らないなら、手遅れになるよ」
それを聞き、駆け出すチャンソン。
胸に鉄筋が刺さったまま、電柱にもたれ、目を閉じるマンウォル。
・・・しばらくして、カラカラと音が聞こえ、リヤカーを引いて、走って戻ってきたチャンソン。
「何よ」
「起き上がれば助けてあげます。このリヤカーに乗ってください。病院に連れて行きますか?それとも、ホテルデルーナへ? さぁ、早く」
チャンソンの手を振りほどくマンウォル。
「あんた、何やってんの?」
「俺の腕であなたを運ぶほどの力はないんですよ。これは、たいして汚くないから、乗ってください」
そう言って、荷台の野菜くずを払うチャンソン。
立ち上がり、普通に胸に突き刺さっていた鉄筋を抜き去るマンウォル。
血の一滴もでていない様子に驚くチャンソン。
「大丈夫なんですか?」
「ク・チャンソン、あんたって本当に・・・臆病な男ね」
力なく笑ってみせるマンウォル。
「このリヤカーを引っ張ってきた。私、あんたのそういう弱っちいところ、すごく、気に入ったわ」
「剣が刺さっても死なない驚くべき人なんですね。この弱い人間は、とんだ時間の無駄をしたようだ。それじゃ、ここで、帰らせてもらいます」
「もう帰れないわよ」
さきほどまで、自分の胸にささっていた鉄筋を 宙に浮かべて、グルグルと回転させるマンウォル。
「な、何をしてるんだ?あんたは・・・本気で・・・」
ピタリと止まり、方向を定めた鉄筋が猛スピードで飛び出したのを辛うじて、除けたチャンソン。
そのまま、道の先にいたホームレス(元市長)に突き刺さると、砂のように身体が崩れ去り、絶命する。
ああ、既にこの人も、さ迷う死者だったのね。
マンウォル「私が逃げる最後のチャンスを与えたのに、お前は諦めた。これから、お前が逃げようとすれば、殺すからね」
信じられずに立ち尽くすチャンソンと、向きあうマンウォル。
★『ホテルデルーナ』1話(2)雑感★
謎多き女性であるマンウォルが、ちょいちょい、俗世的な雰囲気を出すところとか、性別変えれば、完全に、ラブコメのツンデレナムジャの立ち位置です。(笑)
外見が猿なら、孫悟空(笑)
亡くなったお父さん(ヒョンム)から、話は聞いていたとは言え、聞くと見るとじゃ大違い。。
完全に、巻き込まれた感のチャンソンは、そういう意味では、強気男子に反発したり、逆らえなかったりする、典型的なヒロインです。
このパターン、ありだと思います。
・・・とは言うものの、昔の回想シーンで、ちらりと映る乙女なマンウォルを見ると、まぁ、逆転も十分ありですけどね。
いろいろと、知りたいことが一杯あって・・・。
結局、あの後、父ちゃんは改心したのかな、とか、
なんで、チャンソンはあんなに虚弱・虚弱って言われるのかな、とか。
心臓疾患でもあるのかな。
去年、マンウォルが連れに行かなかったのは、手術したからとか?
これに関しては深読みしすぎで、単なる臆病者って解釈でよかったみたい。
さもなくば(そりゃ、私なら一目みて、無理だと判断されても文句は言わないが(笑))、IUならお姫様抱っこくらいできるべぇ、とか。
あと、あの密輸ダイヤの流用はセーフなのかな、とか(笑)
まだ1話なので、疑問は湧き出てきます。
後半は、ホテルデルーナのゴージャスホテルライフが出てこなくて、寂しかったです(笑)
ノ支配人とマンウォルの会話、ツボる。
































