2分割&ネタバレしてます。

第15話(1)はこちらからどうぞ。

 

■『トッケビ』第15話(2)


~トッケビハウス~
悩んでいるトクファ。
「なぜ、あのチキン屋の女社長は、おじさんの電話番号を知りたがったんだろうか?あの手紙に書かれていたチ・ウンタクって一体、誰なんだろう。ああ、知らないのは僕だけのような気がするのはなぜなんだ?もちろん、財閥3世なら人生で一度くらい記憶喪失くらい経験すべきだけどね、ああ、絶対おじさんたちの重要な誰かだって気がするんだよなぁ」
真相まであともう1歩ね。(笑)

夜のケベックの街を一人、歩いているウンタク。
風が落ち葉を舞い散らせる。


レストランに残り、一人考え込んでいるシン。
「間違っていたのかもしれない。もし、自分が忘れられたとしたら、そのままにしておくべきだったのに。ただ、彼女が恋しかっただけなのに。」

手にした楓の葉を見つめるウンタク。その葉を噴水のたもとに置いたとき、10年前のあの日に重なり、シンを「アジョシ」と呼ぶ自分や、笑顔で公園を駆け回る様子を思い出す。


《もし、落ち葉をつかめたら、あなたの愛は真実になるの》

「愛は真実になる・・・」
 

《いくら考えてもこれしかない、あなた、トッケビでしょ!》

《1000年も続く哀しみなんてないさ。同じように、永遠に続く愛もない》
《私は、ある、に賭けるよ》
《どっちに賭けるんだ?哀しみか愛か・・・》

「哀しい愛・・・・会いたかった」
怒涛のように、記憶が蘇り、とうとう涙があふれてくるウンタク。

《このままじゃすまないぞ》
《なんで? わたしがトッケビの新婦だから?》

記憶が完全に一致し、自分を取り戻した瞬間、町中、なにか吹き消す火を探して、走り回るウンタク。


以前、ふたりで来たクリスマスショップの前に、ろうそくが灯っているのに気づく。


吹き消し、「会いたいの」と絶叫するウンタク。
「会いたいの、どこなの?会いたいの」
涙でぐしゃぐしゃになりながら、周囲を見回す。
その時、腕をとられ、振り向くと・・・表れたシンからキスされるウンタク。

 

笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 

~ホテルの部屋で~
「考えてみれば、とても不思議だったわ。雨や雪になって戻ってくると言ったでしょう。ちゃんと約束を守ったのね。初雪の日に現れたもの。」

「“毎年、乙は、初雪の日には 甲に召喚されることに同意する、甲が乙を待っているから”」
「契約書のせいっていうのは、本当だったの?」

「行かないでって、あんなに懇願したのに、どうして私を置いていけたのよ。もし、それが最善だったとしても、しかも私の手で。」

「すまなかった」
首をふるウンタク。
「いいの、約束を守ってくれたから」

神様、ウンタクの記憶を戻したのは、トッケビの辛い放浪を経てもなお、「彼女が恋しい」っていう想いの強さに反応したのかな。

「で、どうして無の世界から戻ったの?」
「お前に会いたくて」
「理由はわからなかったけど、雨が降るとおかしくなってた。辛くて泣いていたわ。自分でもどうしたらいいか分からなかった。薬も何の救いにもならなかった。あなたが私に与えてくれた愛に報いるよう、ちゃんと生きるべきだったのに・・・ごめんなさい」
「これからは俺が幸せにするよ」
何度も頷くウンタク。


シンの頬を撫でる。
「気付いてないようだから言うんだが、さっきから、お前は俺に触りすぎだ。結構、恥ずかしいんだぞ」
「まだ、信じられなくて、確かめてるのよ。これって、夢なのかなって?」
「夢じゃないよ」

いつまでも、アジョシと呼ぶわけには行かないけど、“ヨボ”は早すぎる。でも、10年後には同い年になってしまうから、これからは、お互いに名前で呼びあわない?と提案するウンタク。
「だめだ」
ちーんショボーン

「あ、そうだ、社長さん(サニーのことです)は?会ったの?」
頷くシン。
「少し前にな。俺のことはわからなかった」
「社長さんは、いっぱい稼いで、いまや、土地持ちですよ。商売運をもたらすお兄さんに感謝しないと。とにかく、元気ですよ。直符使者のおじさんは?会いました?」
「あいつはまだうちに住んでた。元気かどうかは定かじゃない。だが、いまや、親友になったようだ。実は、だいぶ前から(笑)」
「運命だったのかも。」
片時も離れず、愛を語らいあうシンとウンタク。

帰宅当日。
「私だって、まだ一緒にいたいけど、数日しか休暇を取ってないの」
正規に飛行機で戻り、入出国記録をつけないと捕まっちゃうかもと説明するウンタク。
「監獄に会いに行こうか?」
「まったく、これだから、人間じゃない人は・・・」

「じゃ、一緒に飛行機で戻る?」
「ああ、それは考えてなかったな」
「嫌なの?」
「そうじゃないが、パスポートがない」
「いいわ、17時間後に韓国で会いましょ」

17時間後の韓国で、シンが待ち受けている。


空港のドアを通り抜けると、またもホテルのスイート。
「彼氏がトッケビだと便利だろ?」


二人きりの時間を過ごす。


早速、サニーに会いに来たウンタクは、店員に今日は不在だと知らされる。
「どこかに稼ぎにいったのかな」
家に行っても不在で、電話をしても連絡がつかない。
なんか嫌な予感!

お別れの部屋で、老女にお茶を振る舞う死神。
その時、ドアの向こうから同じく年配の男性が現れる。
一歩、踏み入れると、男性が亡くなった当時の若い頃の姿に戻る二人。
結婚後、初めての奥さんの誕生日の日から、73年ぶりの再会。

旦那さんは訓練で北朝鮮にいたときに、休戦ラインが引かれ、そのまま、北と南で離ればなれに。
積もる話のある老夫婦を座らせ、冷めてしまったお茶を入れ換えてあげる死神。


こういう分断された家族がたくさんいると言うことなんですよね。

~トッケビハウス~

死神が帰ってくると、シンだけでなく、ウンタクもいる。
「私が直符使者アジョシって言ったの、気づいた?」
「その他漏洩者か、確かに予期せぬ客人だ」
「彼女、記憶を全部取り戻した。お前のこともわかってるぞ」

「その他漏洩者、それ聞くの久しぶり。あ、聞きましたよ。ずっと記憶を失ってなかったのに、どうして会いに来てくれなかったんですか」
「人間に、直符使者が会って、なんの得がある?しかし、本当に久しぶりだな」
ウンタクのラジオを楽しみにしていたと話す死神。
「ひさしぶりにも程があります。私、もう29歳ですよ」
29歳と聞いて、少し不安を覚える死神。

自分の部屋に戻った死神、昔、ウンタクに話したことを思い出す。
「秘密を教えてやろうか」
完璧な数字になる前の年、9のつく年は不安定になる。
「お前は29歳で、(また)直符使者にあったんだな」


精神科医に会い、もう大丈夫になったと、今までの治療の感謝を告げるウンタク。
「よかったわ、でも、どうやって?」

医学の及ばない力ラブラブで、です。


火を吹き消しては、シンを呼び出すのを繰り返すウンタク。
それでも、たまらず、不安になるウンタク。
「すごく怖い。怖い夢。まだ夢のような気がする」
「夢じゃない。お前が俺を不安にさせるよ」
「これからは、3秒数えおわるまでに来て。どこにもいかないでね、いい?」
「わかったよ、どこにもいかない。さぁ、もう寝るんだ」
「一度、いなくなったわ」
「すまない」

でも、実際には、不安定になってしまう心は、そう簡単には治らない様子です。


眠ったウンタクの部屋から出てくるシン。

サニーの部屋を見つめていると、
「なにか御用ですか? オラボニ(お兄さん)」
外出から帰ってきたサニーに声をかけられる。
「なぜ、ウンタクの部屋から出てきて、うちの前で立ち止まってたの?もしかして、あなたがレストランの彼?」
「レストラン?」
その時、シンには、楽しそうに笑いあう死神とサニーの姿が見える。

「結局、そうなるのか?ついにそういう道を選ぶんだな。笑顔のお前に会えてうれしいよ」
「誰が笑ってるですって? 今、ここで笑ったほうがいいっていうんですか?」
「その性格は、まったく変わってないな。今でないかもしれないが、ちゃんとお前は笑顔になる、全部うまくいくんだ」
微笑みながら、外階段を降りていくシン。
「そんな恰好でどこにいくんですか?本当にそれで、外を歩く気? ねえ」

「うちのアルバイトちゃん、幸せにしてやってよ、お兄様、このバカな妹も幸せになるから・・・」

ここも、サニーの背負ったものの重さが辛いシーンです。


朝食を作っている死神とトクファ。
「こんなに朝っぱらから、あいつはどこにいったんだ?メス」
普通に、手術風に、包丁を渡すトクファ。
「端部屋おじさん、なにやってるの? 」

料理も几帳面な死神(笑)


そこへ、普通にガウン姿で帰ってきたトッケビ。

 

「また、来たのか?懲りないな。お前も、正体ばれてるぞ」


「ぼくが、まず、おじさんを見つけたんだよ。おじさんが来た時は、青いオーラみたいなのに覆われてた。まるで、自然燃焼みたいだった」
「お前のほうがうっかりじゃないか、トッケビ。トクファ、信じるのは難しいだろうが、おまえは本当のことを知るべきだ」
「なんのこと? おじさんがトッケビで、端部屋おじさんが直符使者だってこと?」
「なんで知ってる?」
「おれたちが彼に話しただろう」
「ああ、でも、なぜ、お前はショックを受けてないんだ?」
「ハラボジが、僕が6歳になった頃に話してくれたんだ。お前には、トッケビのおじさんがいる。我がユ氏一族は代々、トッケビを仕えてきたんだって。そのときには、変な宗教かなにかだと思ったんだ。ハラボジが言うトッケビっていうのが想像できなかったんだ」
「わかるよ、とても想像するのは難しいだろうな」
「だから、証明してください。できるなら何かやってみて。二人とも。ね?」
この時の、シンと死神の示し合わせたような顔が好き。

一瞬で姿を消し、別の場所に現れる死神。
「どうだ?」
フライパンを念力でもちあげるシン。
「こんなの見たことあるか?」
「それくらいなら、人間にだってできるよ。デービッド・カッパーフィールド、しらない?」
急にやる気をなくすシン。
「出ていけ」
「それしかできないの?」
「お前、俺と一緒にくるか?いいところには行けないかもしれないがな」
急に怖くなり、シンの側によるトクファ。
「お、おじさん・・・」
「それがお前の運命なら、仕方がないな」
立ち去るシン。
朝食の続きを作り始める死神。

「復讐してやる!やられる前にやらないと!」
NASAの電話番号を検索していると、急に凍ってしまうトクファの携帯。(笑)
「おじさんたち、なにか誤解してるよ。ソウルに支店を出すか、聞こうとしただけなのに?おじさんたち? ねぇ、おじさん?」

*****
朝、出勤しようとして、家を出たところで、おもいがけない人物に出会うウンタク。
「おばさん・・・」

うわ、これまた、ど派手なヒョウ柄で。


「何をそんなに驚いた顔してるんだよ。会いにくるのは禁止されてないよ、なんか食べるものあるかい?ないの?ああ、そうだろうね。いまや、金持ちになったから、いつも出前をとるんだろう?」

混乱するウンタク。
「中にお入りください。なにか作りますよ」
「好き嫌いはないからさ。なにか焼いてくれればいいんだよ」
ためらいつつ、たずねるウンタク。
「ギョンミやギョンシクオッパはどうしてますか?会ってますか?」
「あいつらのことなんか知らないよ。便りがないのがいい便りって言うだろ。いい厄介払いさ、あいつら無しのほうがいいんだよ。ところで、あんた、ここい住んでるの? 稼いでるんだろ?いまなら、もっといいところに住めるだろうに。ここ家賃いくら?」

答えず、家に入るウンタク。
「ああ、なにかさっさと食べさせておくれ。忙しいだろうからさ」

*****
ウンタクに頼まれ、番組の法律相談コーナーに出演した委員長。
「どうだった?」
「うわ~、職替えしたら。さすがだわ」
「あんたの言うことは聞かないわよ。なんか機嫌わるそうね、飲もうか?」


「ああ、だめなのよ。社長に会いにいかないといけないし、約束もあるの。また、今度ね」
「じゃ、先に帰るね」


~オリーブチキン~
「では、週末には出ていきます」
「わかりました。オーナーに知らせておきます」
不動産屋と話をするサニー。

入れ替わりに、ようやく、サニーに会えたウンタクが店に入ってくる。
だきつくウンタク。
「どうしたのよ、ちょっと外国に行ったくらいで外国人みたいな真似して・・・」
「社長、会いたかったの。店にも家にもいなかった。どこに行ってたの?」
「引っ越しの準備よ」
驚くウンタク。
「引っ越しって? 家、それとも 店?」
「両方よ、私は、引っ越しマニアなのよ」
「そんなの嘘よ。これ、カナダのお土産なの」
お酒を取り出すウンタク。
「いつ会ってもいいように、持ち歩いてたんだから」
「それで、あなたが探しに行ったものは見つかったの?」
「ええ。全部、完璧に見つかった。社長に話しても、信じてくれないかもしれないけれど。全部見つけたし、彼氏もね。ケベックで全部。運命だったのね」
「運命の人はイケメンなの?」
「とにかく、すごいの。背も高いし、目はきれいだし、国を守る仕事をしてたの」
「きっと頑固なんでしょ」
「ええ・・・・え?」
「男を選ぶ基準が低いのは知ってるもの。レストランの彼と楽しめたの?」
「また、今度紹介します。本当に、彼に会ってほしいんです、社長と」
「いいわよ」
「なんで?」
「もう あなたの部屋から帰っていく彼をみたから。どうしたいの?何よ?」
「ただ、なんとなく。昔を思い出してました」
「そう、あなたも、あなたの望むとおりにすればいいわ。健康には気を付けるのよ、わかった?」
まるで、永遠の別れのような口ぶりのサニー。
「どうしたんですか?まるで、もう会わないみたいですよ。きょうのところは、帰ります。ある人に会わないといけないから」
ウンタクの後ろ姿を見つめるサニー。


カフェで考え事をしているウンタク。
ケベックで、通りすがりに「また、会ったね」と声をかけてきた男性は、10年前に見かけた幽霊だったことを思い出す。
「彼は・・・幽霊だったのね。しばらく、幽霊を見てなかったのに・・・。なぜ、また、見えるようになったのかな」

会わないといけない人とは・・・当然、シンでした。
「何をそんなに考え込んでる?」
「カナダのことを考えてたの」
「俺のことじゃなく?」
「カナダのことを考えていたら、自然に、キム・シンさんのことを考え始めてた。あなたは、初恋の人とそこに4回行ったって言ったでしょ?初恋の人にステーキをおごり、その初恋の人はまだ、とても可愛いって言ったでしょ」
「それで?」
「考えてみたんだけど、それって、私のことなんじゃないかなって」
「それで?」
「でも、いくら考えても変なの。朝鮮後期に会ったって言ってた初恋の人は誰なのかってこと」
「お前のことだよ」
「嘘つき」
「俺たちは、実際に会う前に、お前が現れることを以前から知っていたんだ。哲宗(チョルジョン)時代12年にお前を見たんだ。未来のお前を。」
「嘘・・・」
「嘘みたいだが本当に見たんだ」

「すごいわ。なんだか不思議。初恋の人が私だったなんて、嘘みたい。あ、そうだ。それなら、初雪が降って、願い事をした時に現れたのは、武将のキム・シンさんだったってこと?」
「うん」
「そうだったのね。私の知らないあなたの過去のことが本当に不思議に思えるのに、そうやって、あなたに会えていたのね」
「そんなに変だったか?」
「ううん、かっこ良かったわ、高麗の男」
楽しそうに笑うウンタクに、急にまじめな顔をして立ち止まるシン。
「そうだ。今日は、正にそれを伝えたくて。君がとても輝いているから言うんだけど。君が初恋の人だからいうんだけど。いつかまた、こんな違う良き日に、この高麗の男の花嫁になってくれるか?」

桜満開の中、改めて、本当のプロポーズをされるウンタク。

★16話(最終回)に続く★

トッケビの新婦も、ちゃんとプロポーズされるんだね(笑)

良かったね、ウンタク。

なんだか、「トッケビの新婦って運命で決まってるんだから、あたしがなってあげるよ」っていうノリで始まったのに、あれから、いろんなことがありました。

 

こんなに、ファンタジー満載なのに、すーっと自然に、違和感なく入ってくるのはなぜなんでしょう。

伏線の置き方の上手さなのかな。

反転ほど仰々しくなく、ああ、そういうことだったのか、と気づけるような、まるで、ドングリを拾いながら導かれるように進んで来たら、ふと、この桜の木の下に、シンやウンタクと一緒に、立っていたような気分です。

 

実は、本放送のときは、このあとの16話はそのまま、放送されたので、実質、この15話は、2時間半弱の最終回の前編のような扱いです。

最終回後編も、胸が締め付けられ、目頭が熱くなる展開だと先に言っちゃいます。てへぺろ


★16話(最終回)に続く★