まだまだ、13話の余韻が残ってます。

 

ネタバレOKの方のみ、おすすみください。お願い

 

■ 第14話(1)

前回の壮絶なラストのおさらいです。

ウンタクの手を支えに、自分で剣を引き抜いたトッケビ、その勢いのまま、パク・チュンホンに切りかかる。

パク・チュンホンの消滅を確かめたあと、側に立っていた死神に、声をかける。

「お許しください。ようやく、陛下に壮絶な死をご報告できます」

これが自分の仕えていた王としての彼への最後の声かけのような気がします。

その様子を涙ぐみながら、黙って見守るしかない死神。

剣が消えると同時に、意識を取り戻したウンタク。

「だめよ!」
シンに駆け寄り、抱きしめるウンタク。

「だめ、だめ・・・だめよ、だめ」

すこしづつ、火の粉のようなものが立ち上るトッケビの身体をおさえつけるように抱きしめるウンタクを、少しだけ放すシン。

このあたりから、ウンタクの嗚咽にみんなやられまくり。

「お前に会えたことは、俺の人生の褒美だった。」
「嫌よ。お願い・・。私の手を離さないって言ったじゃない。約束したじゃない。」

「雨となって戻ってくるよ。初雪となって戻ってくる。そう神に懇願してみるから・・・」
「こんなのいや・・・。こんなふうに行ったりしないで。愛してる。愛してる、愛してるの・・・」
「俺もだ、愛してるよ。もう、とうの昔からだ・・・」

ずっと、ウンタクから、目をはなさず、微笑んでみつめていたシン。

ゆっくりと、目を閉じた瞬間、包まれるように身体全体が火の粉となり、天に召されていく。
ここの映像処理もすっと、違和感なく入ってきました。

あとに残されたウンタクが号泣する。
見事な本気泣きに、もらい泣きも号泣えーん

そのとき、雷鳴がとどろき渡る。

なにかを感じるトクファ、
店の外の様子をうかがうサニー。
仕事の手をとめるキム社長。
考え事をする委員長。
子供たちへのお土産のぬいぐるみを持ちながら、足がとまるキム・ウシク。

シンが書き留めた漢詩が一文字ずつ、消えていく。

ウンタクの詩集に書き込まれた 「初恋だった」というシンの文字も燃えたように消えていく。

ああ、もしかして、シンのこの世での痕跡が全て消えていくということ?


屋上で泣いていたウンタクの記憶の中でも、シンとの思い出が走馬灯のように駆け巡る。

急ぎ、メモを取り出すと、

「覚えてるのよ!絶対に、覚えていなきゃ!

彼の名前は、キム・シン。
背が高く、寂しげに微笑む。
雨とともにやってくる。
初雪のときも。

約束を守ってくれる・・・。

覚えておくのよ。忘れてはだめ。

あなたは、その人の新婦なの。」


必死に書き留めたメモを抱きしめ、泣き崩れるウンタク。

*******

この世ではない、いずれかにある無の世界のどこかをさまようキム・シン。

三神ハルモニ「神は言ったのさ・・・。」

全能神《お前は、お前を知る全ての者の記憶から消された。それは彼らの平安のためであり、私からの配慮だ。》

三神ハルモニ「神は、こうも言った。“おまえの罰はすでに終わった。これからは、全てを忘れ、眠りにつくことができる。安らかに。”と。 しかし、トッケビの目には、涙があふれていた。」


ケベックのレストランで、29歳になっていたウンタクの前で座っていた男性は、シンの姿。

シン《ようやくわかったよ。結局、俺が・・・その選択をしたんだな。》


ここで、このままでいることを望んだのだ。
ここに残り、雨となることを。
風になることを。
初雪となることを。

たったひとつだけ、そのひとつだけを、神の許可を願い出た。


三神ハルモニ「彼がしたのは、確かに愚かな選択だったよ。」

全能神《お前の生ある間、いつも側にいたというのに。しかも、この場所は、神すらいない場所なのだぞ》
離れていく白い蝶。

三神ハルモニ「トッケビは、そんなふうに、たった一人で生き抜き、神ですら放棄した、この世と来世、生と死の間にある場所に居続けることになったのさ。」

道端で野菜を売る三神ハルモニから、話をきくキム・ウシク(高麗時代の真の家臣)。

ウシク「はぁ・・・なんてことだ。それで? トッケビはどうなりました?」
三神ハルモニ「さぁね。記憶は、まもなく忘れ去られ、無駄な栄光だけが残された。トッケビは、その栄光とともに歩き続けた。終わらない歩みの後に、彼になにが起きるだろうねぇ。一体、どこで生きていることやら・・・。」
ウシク「なんて、哀しい話でしょう・・・。 これ、いくらですか?」
髪留めをかざずウシク。





~9年後~
夢をかなえ、ラジオ局で、PDとして働くウンタク。
突然の雨に、放送内容の変更が入る。
愚痴を言う放送作家を淡々といさめるウンタク。
「雨が降るのは止められないでしょ、こっちがオープニングの内容を書き直すしかないわよ」

相変わらず、ダメ従姉妹からは、借金の催促メッセージが・・・。(依頼でも、お伺いでもなく、命令調だし!)
まだ、縁が切れないのかな。

局の正面玄関で、降り続く雨を見ているウンタク。気鬱そうに、ただ、見つめるだけ。
ここまでのウンタクを見る限り、決して、生き生きと楽しそうな毎日を送っているようにはみえない。

カフェで、ウンタクの後ろに並ぶ死神。
今はどういう立場なのかな?
ウンタクは、死神のことも記憶になさそうです。
背中合わせの席に座る2人。


外はまた、雨。


完璧な数字の前の年は、なにかが起きる不安定な年だったよね。

でも、9才の頃、死神と会った記憶は、うっすらと残っているみたい。
カフェで、後ろに並んでいた男性に見覚えがあったように感じるウンタク。
「気のせいだったのかな?そうよね、20年も前のことだもん」

シンからもらったネックレスは身に付けている。
「これって、オンマの形見だった?いつからつけてるんだっけ?このネックレス・・・」
携帯のライトを当てて、天井に影を写し出す。
浮かび上がる“運命”という文字を見ている。

まだ、不毛の雪原を歩き続けているトッケビ。
倒れても倒れても、起き上がり、歩き続けるのみ。

砂漠で、たった一人孤独で、ときおり、後ろ向きに歩いた
自分の前の足跡を見たかったのだ。


トッケビが諳じているこの詩は、ウンタクの大事にしている詩集の一説だったのね。

前のページに、不自然な焼け焦げのような汚れを見つける。
「これ、どうしたんだっけ?」

シンが書いた“初恋だった”の文字は、神によって焼け焦げたような跡のように遺された。
ほらね、跡形もなく、消滅させようと思えばできるのに・・・。ヒントを残している神。

サニーの店には、ちゃんと顔を出してるウンタク。
記録的な長雨のせいで、憂鬱な気分。
そこへ、もう一人、今は弁護士になった委員長キム・ユラも入ってくる。
「あ、委員長、そこよ」
「あんた、いつまで委員長呼ばわりするつもり?」
呆れるサニー。
「裁判、勝った?」
「じゃなきゃ、事務所から出られるわけないでしょ?」
笑うと子犬みたいに可愛いシェフを、ウンタクに紹介するというユラ。
「なんで、私が、あんたの好みの男とデートしなきゃならないのよ」
高く売れるときに売っておかないと後悔すると、独身女の悲哀を力説するサニー。
女3人、チキンをつまみに、あーだこーだと夜が更けていく。
「雨の日に、こうして、お酒が飲めて、こんな風に私を心配してくれる友達が二人もいて、すっごくいい日だわ」
サニーも委員長も、おそらく、この9年、不安定になるウンタクをずっと見守ってきたような感じ。揃って、同じような表情で心配している。

酔いながらフラフラと傘を差して歩くウンタクには、もう道端の幽霊たちの姿は見えていない。
くぅー、あの目のギョロっとした幽霊オンニ、まだ成仏できないのね。
ウンタクとコンタクト取れないんだもんね。

「あの子、トッケビの新婦なんでしょ。なんで、私たちが見えないの?」
「あー、確かにトッケビの新婦だったよ。29歳にもなるって言うのに、まだトッケビが現れないんだ。もう、寡婦(未亡人)みたいなものなんだよ。以前は、私のことも見えてたのに。」

雨の降る晩、ベッドに横たわりながら、嗚咽が止まらないウンタク。


「なんで、こんなに悲しいの?一体、どうなっちゃってるの?私・・・」
ウンタクのトッケビへの愛は、神の配慮をも越えるほど、消すことのできないものだったのか、それともこれも神の計算ずくだったのか。

荒涼とした無の世界をさ迷い続けるトッケビ。
その手には、ウンタクと交わした契約書。
力尽き倒れ、半ば意識を失いかけたトッケビの手から離れた紙が、強く吹きすさぶ風に飛ばされていく。
必死にそのあとを追うトッケビ。

*******
「あれ、初雪だ。いつもより早くない。」
「それもいいんじゃない?」
初雪を歓迎するカップルたちと、すれ違うウンタク。
黙って、空を見つめている。

トッケビもまた、力なく倒れたまま、なにかを見つめ、涙をこぼす。

~放送局の屋上~
そんな季節外れの初雪が舞う中、ろうそくを1本だけ立てたケーキを持ち、ベンチに腰かけているウンタク。
「何を忘れてるの?誰の顔を忘れてるって言うのですか?どんな約束を忘れているんですか?なぜ、こんな深い悲しみに包まれるの。誰でもいい、なんでもいいから、どうか助けて!」

ウンタクのその切実な声が届いたのか、力尽きて倒れているかのように見えていたトッケビの目が微かに開く。

マッチに擦り、ろうそくに火を灯す。
そこに現れた武臣姿のトッケビ。

ここで、『Round  and  Round 』から、『初雪のように君に行く』へと、OST がチェンジするの(号泣)


ケーキを横に置き、立ち上がるウンタク。

高校生の頃、初めてトッケビと声を交わした突堤
消え行くシンを泣きながら引き留めた屋上

ゆっくりとウンタクに近づき、抱き締めるトッケビ。
ただ、訳もなく、涙を流すウンタク。
雪原をさ迷いながら、ずっと求めていたウンタクの温もりを、いとおしそうに抱き締めるシンの目からも涙がこぼれる。

しばらくして、我に帰り、身体を離す。
「ごめんなさい。私、時々、こんなふうになってしまうんです、すみません・・・」
ようやく状況に気付き、
「私ったらなにしてるのよ。なんで、私が謝ってるの?一体、あなたこそ、なんで抱き締めたの?私を知ってるんですか?どなたなんですか?」

「乙だ」
「乙?・・・もしかして俳優さんですか?」

ウンタクの身分証に目を止めるシン。
「夢を叶えたんだな」
「何を言ってるんですか」
「誇りに思うよ」
「それはどうも。でも、さっきはなぜ、抱き締めたりしたんですか?それに、ずっとタメグチだし。」

全能神《お前は、お前を知る全ての者の記憶から消された。それは彼らの平安のためであり、私からの配慮だ。》

「長い間、息災そうで良かった。ずっとそう願っていた」

「演技の台詞かなにかですか?ドラマ部門は、この建物じゃありませんよ。後ろの別館です」

行き過ぎようとして振りかえるウンタク。
「ところで、入館証もなしにどうやって入れたんですか?」
「ある者に呼ばれたのだ」
「ああ」
まだ、演技の続きかと思うウンタク。
変な人扱い。

*******
チョンヌグループの本社で、キム社長とともにいるトクファを訪ねるシン。
当然、不審者扱い。
「あえて嬉しいぞ。」
「今、僕の名前、呼びましたよね?“トクファって”言いましたよね?」
一応、話を聞こうとするトクファとキム社長。
「僕を知ってるんですか?」
「お前の叔父であったか、兄であったか・・・」
おかしな人に思われて、結局、無視される。

二人で、ランチのソルロンタンを食べるトクファとキム社長。
そのあとも、どうも、先程の変な男性のことが気になるトクファ。
「どう考えても変だ。さっき、おじさんと名乗ったあの男、おじさんの存在はチョンヌグループの中でもトップシークレットのはずだ。天国にいるハラボジと僕しか知らない。」
「他にも知ってる人がいるかもしれませんよ。」「誰が?」
「もしかして、そのかたは、キム・シンさんとおっしゃる方ですか?」
「何を言うんです。うちは、キム姓ではなく、ユ氏ですよ。その、キム・シンって誰です?」
キム社長となっても、トクファとの関係性がほぼ変わらず、未だに世話係。(笑)

今度は、サニーの様子も見に行くシン。
店の外にたち、じっと自分をみつめているだけの長身の男に気づくサニー。客に話しかけられ、振り向いた時には、すでにその姿は消えていた。

なんで、この人は、こんなに武臣姿がしっくり来るのかしら。

*******
「お別れの部屋」で、茶器を磨いている死神ワンヨ。
外に立つトッケビに気づく。
トッケビ「相変わらず、悪趣味な帽子を被っているんだな」
死神「無に帰り、戻ってきたと噂になっているトッケビとはお前のことだったのか?」
トッケビ「俺に関する噂は、大抵、誇張されてるんだ」
死神「雨や塵になって、舞い散ったわけじゃなかったのか。無論、食べるム(大根)にもならなかったわけだ。」
その言葉に、完全に、自分のことを覚えているのだと確信するシン。

トッケビ「どうなってる?なぜ、おれを覚えてるんだ?全て無に帰したはずだろう?」
死神「他のものたちは全て忘れているようだが、俺は覚えている。自分にも理由はわからないが、心当たりはある」

それは、最後の最後まで、僕は端部屋おじさんの味方だ、本心だと言っていたトクファの言葉。

実は、三神ハルモニと神が飲んだときにも、その事には触れていたのでした。
「どうも、気弱になっていたようだ。本心だぞ」
「どっちにしろ、あなたがどっちの味方をするにせよ、ヨの記憶だけは残したほうがいいわ」
「なぜ?」
「シンとウンタクがかわいそうすぎるもの。二人は生きていく世界を引き離されたのよ。私たち以外に、二人の愛の歴史を覚えているものが一人ぐらいいないと。」
「そうはいうが、閉ざされた世界を開くドアは見つけ出されてしまいそうな気がするんだ。私が閉め忘れたのかな?」
三神ハルモニに、微笑みかける神。
それだけでなく、細かいところに、いろいろ仕掛けを残してると思う、この全能ゆえにいたずら好きな神様。

改めて、シンに訊ねる死神。
死神「お前はどうなんだ?どうやって戻れた?」
トッケビ「甲との契約で無理矢理な・・・」
死神「よく戻ってきたな。戻ってくれて嬉しいよ」
トッケビ「私も、私を知るものと会えて嬉しいよ。気恥ずかしいが」
死神「本当に遅くなってしまったが、今更だと思うかもしれないが、9年前か、900年前に言うべきだったが、これを言うことを許して欲しい。私の妻と国を守ったお前を守れなかった。愛されていることに気づかず、誰からも愛されていないと思い込んでいた罪をどうか許して欲しい」


頷くシン。


「まず、髪を切らないとな」
親友が帰ってきたよ。おねがい

~とっけびハウス~
リビングで死神とビールを飲みながら、やっと我が家に戻ってきた、と安堵の表情をみせるシン。

死神「ここは、俺のうちだ。10年、ローンが残ってるが。」
笑ってしまうシン。

シン「妹とはどうなった?」
死神「もちろん、会ってないよ。9年間、彼女を想い続けていることが俺の罰だ。どっちにしろ、俺は生涯、罪人だ。ウンタクにはあったか?」
シン「うん」
死神「記憶、なかっただろう?」
シン「ああ、ラジオ局のPDになってた。元気そうだった。」
死神「時々、聞いてるよ」
シン「俺にも、聞き方を教えてくれ」
頷く死神。
その時、玄関の暗証番号を解除する音が!
「トクファだ!」
慌てて隠れるシン。この時の死神とシンの慌てぶりが可愛い。



「端部屋サムチュン(おじさん)」
「おお、来たのか?」
「今日さ、会社で変な奴を見かけたんだ。だから、ちょっと心配になって・・・。おじさんがどうしてるか見に来たんだ。ところで、端部屋おじさん」
「なんだ?」
「おじさんが、俺のおじさんなら、なんで、端部屋おじさんなの?考えてみれば、いつから、ここに住んでるんだっけ?」
「不動産契約書を見ればわかるんじゃないか?」
「ああ・・・、ところで、なんで、ビールの瓶が2本あるの?誰か来たの?」
二本の瓶を二つ、持ち上げると
「こうやって、両手で飲むのが好きなんだ? 変か?」
「じゃ、後ろのソファーから見えてる足はなんなの?」
吹き出す死神。
「いやぁ、このソファは、いいソファーだなぁ。主人の趣味がいいんだな。手触りがものすごくいい」
わざとらしく立ち上がるシン。

「あ、さっきの!あの・・変な格好した・・・髪切ったんですね」
「ああ、気に入ってるよ。俺は、彼の友達だ、それで・・・」
「帰るところだ。ちょうど、そうしようとしてた」
強制的に、手をふる死神。
「楽しかったよ。行けよ」
「ああ」

「あえて嬉しかったよ」
仕方なく、家を出ていこうとするシン。

どこでもドアが使えるってことは、トッケビとしての能力は元通り。
シンが、2階で物音をたてたせいで、怯えるトクファ。
「今、2階でドアが閉まった音がしたよね」
「いや」
「したって!」
「いや」
「聞こえたもん」
「お前は、何も聞こえてない、トクファ、俺の目を見ろ」
性懲りもなく、人間の記憶を消しちゃう死神。
また、監査部から、罰せられるよ(笑)

懐かしそうに、ウンタクの部屋を見るシン。

同じころ、自分の部屋で、天窓を見つめるウンタク。
今日、あった男性のことをおもいかえす。
傍らには、薬の容器。

★14話(2)に続く★