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『花遊記』第18話(1)は、こちらから。

『花遊記』第18話(2)は、こちらから。

『花遊記』第18話(3)は、こちらから。


第18話(4)

~パーティー会場~
ついつい忘れそうになっていましたが、悟空とソンミのふたりは、パーティー会場で立ち話中でした。

「その悪鬼は強くて、危険なんでしょう?だから、あなたは私に何も言ってくれなかったのね?」
「ああ、そうだ。半端なく強い。魔王が闘って、撤退したくらいだ、まだ、奴の目には恐怖が浮かんでる」
「それじゃ、本当に強いってことね」
「心配するな。俺は魔王より全然強いんだ」
「魔王様はそうは言ってなかったわよ」
「魔王が? 俺は、あいつより断然強いぞ!
悟空の思わぬ大声に、みんなが注目する。
「何見てやがる!」と一喝する悟空。
「まったく、あの野郎・・・」
「ねえ、さっきから、みんな見てるわよ。もうあなたは有名人なんだから」
「くだらない。一日中テレビを見たり、お前を追いかけまわしてるほうが、全然ましだ」
「じゃ~んって現れたり、消えたりできないわね。周囲に囲まれて、不快でしょうね」
「だから、おとなしくしてるよ。人間に対処するのは、それほど特別なことじゃない」
そのとき、後ろからきた男性が、ソンミにぶつかる。
「すみません」
軽く言い終えて、向こうに行きかける男性に、
「おい!気を付けて歩け」
内容は正しいけど、言い方とポーズ(ちゃんと見てるからな、のハンドサイン)に難あり(笑)


「あ、ああ」
呆れながら、行ってしまう男性。

「人間は、目上の人にそういう言い方はしないのよ」
「あいつがいくら長生きしたって80年かそこらだろ。俺が何歳か知ってるのか?」
答えないソンミ。
「ま、いいや。お前との年の差を持ち出したくない」
「人間のふりをしたいなら、まず基本的なマナーを身につけないと」
通り過ぎた給仕の女性に声をかける悟空。
「すみません。こちらのお嬢さんに、シャンペンを1杯お願いします」
へ~っと見直すソンミ。
「どうだ?お前が心配しなくても、俺は何でもできるんだよ」
微笑みあう2人。

そこへ、ど~みても、金持ち臭漂わせた中年女性と、その娘登場。
「ああ、こんにちは。先日、社交クラブでお目にかかりましたわ」
「あ・・ああ」
全然、ちりほどにも記憶にない悟空(笑)
「あの、娘ですの。今、パリにお料理の勉強に行ってまして・・・。」
あからさまな娘と、事業の売り込み。


真ん中に、氷になった美女が一人。

そこへ、さきほどソンミのために頼んだシャンペン到着。
「あら、サンキュー」と平然と受け取り、娘に渡してしまう母親。
ムカっとする悟空。
小声で、ソンミに「俺のマナーを見せるべきか?」と確認する悟空。


「いつもどおりにやって」← 実はソンミも、だいぶ、姐気質。


頷く悟空。
娘から、シャンパングラスを取り上げると
「何、持ってんだよ、お前のじゃないだろう」と一喝。
「ちょっと、一体どういうマナーをしてらっしゃるの」
「××🙅マナーだよ。もっと見たいか?」
「まったく、なんてこと、行きましょう」と退散する母娘。
グラスを受け取り、微笑む2人。

人目につきすぎるので、移動してきました。(笑)


シャンペンを口許に運ぶソンミ。
「香りがいいわ」
「ここに集まった人間は、悪臭だらけだ。ここにこれだけ集めると、耐えがたいものがあるな。だから、お前が入ってきたときは驚いたよ。ここ数日会わなかっただけなのに、お前の香りは強くなってた。」
「魔王様もおっしゃってたから、本当なのね」
「周辺を見回ってきたら、ここに戻ってこい。お前は変わった」
「私は、これからもっと変わるわ。私、雑貨屋の店主に会ったの。私がしなければならないことについて、話してくれた」
「なんだと?」
「彼女は、私にとって大切なものを空にして、選ばなければいけないだろうと言ってたわ。」
顔色が明らかに曇る悟空。
「それがなんなのか、私、ずっと懸命に考えたの」
「なぜ、それについて考える? お前は皿か? 空にするってなんだよ!」
「たぶん、それは心のことでしょう。今まさに私の心を一杯に満たしているのは、あなたへの愛なの。そのせいで、心配していても、その間、躊躇っているだけだった。もし、その想いを手放したら、私の義務をすすめることができると思ったの。だから、心を手放すつもりよ」
ソンミの決意が、ここまで進んでいることに、正直、驚きながらも、怒りを抑える悟空。
「公平だな。俺も消えて、お前も、お前の心を空っぽにする」
「白鷺が私に特別であることと、人を救う能力について、私に言ったことを信じることに決めたの。特別な人間なんだから、きっと私の心を手放せるはずよ。だからあなたも 一気にすべて捨てようとしているものについて、私に全部話して」
これは、悟空が何をしようとしているか、わかっていないとできない質問ね。
「空っぽにしてみろ。そして、その皿をちゃんと洗えてるかどうか、確認しろ」
結局、感情的にならずには、いられない。
その場を離れようとするソンミの手首を掴む悟空。
「お前・・、俺がそれを道端や片隅に捨てても、気にしないのなら、俺の前に現れるな。
お前のことで全てを満たしてる俺は、ずいぶん惨めだよな。俺の見えないところで上手くやれ」
先に出ていってしまう悟空。



思い悩みながら、屋上に出てきたソンミ。
星を眺めると、悟空の部屋で、星空を見たことを思い出す。

「心を空っぽにしなくちゃ・・・そうすれば、星を見ながら暮らせるわ」 
ん?ソンミは、この先のことをどの程度までわかってるの?
自分が犠牲になれば、悟空は助かるって思ってる?

~ルシファー会長室~
緊箍児(きんこじ)を手に取り、思いあぐねている魔王。
「なぜ、雑貨屋の孫や私は外せないのに、マ秘書は簡単に抜けてしまうのか・・・男性専用とか?」
ちょうど、マ秘書が入ってくる。
「戻りました。魔王。三蔵は、斉天大聖に会っています。」
「彼女は理解したのか、斉天大聖が彼女の代わりに死のうとしてるのを」
「まだです。ですが、終わりについては気づいているのではないでしょうか」
頭を抱えて唸る魔王。
「ああ、彼女は理解する前に、これの外し方を解明しなければ・・・マ秘書、もう一度やってみてくれるか?」
「はい」

~雑貨店~
足音も荒く、悟空が入ってくる。
「斉天大聖、来ましたね」
座ったまま、迎える女主人。
「三蔵に会ったそうだな、なぜ、彼女に会いに行った?」
「特別で重要な人間だからです」
「彼女に会って、手放せとかなんとか、余計なことを話した理由はなんだ?なぜ、あんたがぶちまける?手放させたあと、埋めるつもりか」
「三蔵は受け皿です。この世の邪悪が産み出した悪鬼を包み込む受け皿なのです」
「それで、あんたは受け皿ごと、壊せば満足なのか?」
「私は、物事に圧力をかけたりはしない。それは、三蔵は、最後には選択肢をすること。あの子は、犠牲になるために生まれた特別な人間なのです」
「どうか、彼女を生かしてやってくれ。その犠牲、俺が代わるから」
「あの、傲慢で手のつけられなかった斉天大聖が、犠牲になるとみずから申し出るとはな」
ふと違和感を覚える悟空。
「あんたが俺に緊箍児(きんこじ)をつけさせたんだ。あんた、何者だ?」

一瞬、口元に笑みを浮かべた女主人。
「孫悟空、もはや、緊箍児の拘束は必要ないようだ。おそらく、既にその緊箍児は、なんの力も持ってはいまい。」

 

~ルシファー会長室~

相変わらず、スポンスポンと抜け放題状態のマ秘書と旧式緊箍児(笑)

「私にはどうも作動しないようです」

納得いかない魔王。

「ああ、まったく。どういうことなんだ?」

「これは服従させるためのにつけるものです。最初から、魔王様に服従している私には、おそらく必要ないものなのではないでしょうか?」

ぎろりと、マ秘書を見る魔王

「んん、ああああ、そういうことか!君には、最初から、緊箍児に意義を唱える意図がない、だから・・・抜け落ちてしまうんだ。それなら、孫悟空の緊箍児も、外すことが出来るのか?」

 

~雑貨屋~

「俺自身の手で外せると言ったのか?」

悟空には、もはや、緊箍児の愛によるいかなる拘束も関係ない。と言う女主人。

「そんなおまえに、なぜ、抑えつける拘束具が必要なのだ?」

緊箍児を見つめる悟空。

「お前は、緊箍児のコントロールから完全に抜け出した。その場合、致命的な運命と天国の計画は、すべて異なって進むこともありえるだろう」

え? ここに来て、方向転換もありって話?

 天界は、そのあたり、柔軟に対応してくれるの?


~屋上~

星を眺めているソンミ・・・を後ろから見つめている悟空。

 

緊箍児を悟空自ら外すと、するすると外れる。

外した緊箍児を握りしめると、ソンミを見ながら、一歩一歩、近づいていく悟空。

「どうすればいい。こんな風にお前を見ても・・・綺麗に見える」

ずっと知りたかった疑問がひとつ解決して、よかったね、って、感動シーンが身も蓋もないような感想ですが、

魔王が言ったみたいに、

「誰だ?この女、全然タイプじゃねぇ、ブスじゃん」

なんてことになるわけないし・・・(笑)

 

ずっと、空を見ていたソンミのもとに、一粒の、金平糖が落ちてくる。

周囲を見回すソンミ。

当然、誰がやったことかもわかっている。

 

部屋に戻ってきた悟空を、なぜか部屋の中で迎える魔王。

また、暗証番号とか共有してんの?(笑)

あ、もともと鍵なんか要らないのか・・・。

牛猿ハウスは暗証番号キーだったよね。

 

「おお、斉天大聖、このトライ~。ついに見つけ出したぞ。緊箍児の秘密を見つけ出したんだ。さぁ、外し・・・」

既に外していた緊箍児を、魔王に見せる悟空。

「え?」

がっかりする魔王。

「もう外してたか・・・」

自嘲する悟空。

「つい、さっきな」

「それで、どんな感じだ? 三蔵を見たか? どうだった?」

「まず、おれは、これを屈服させた。俺の感情、俺の感情は強制もされないし、消滅もしない」

「つまり・・お前はまだ、彼女を愛していると・・・。」

「俺は、これをいつ取り外せていたんだろう?」

「私は、お前がヤンニョムを捨てた時から、変だと思ってた。」

「そうだったか?でも、もう間違いなく、俺はソースは作れないな」

「だとしたら、どうするんだよ?結果的にどうするんだ?」

 

緊箍児を嵌めなおす悟空。

「何してる? なぜ、また、嵌めた?」

「彼女のためだ」

「三蔵はいつもお前の愛が本物か偽物か心配し続けていたんだぞ。もし、それが本当なら、彼女は本当に喜ぶだろう」

「俺は、白鷺の最後の決意を見たんだ」

 

《そうでなければ、この長い人生を、一人で耐え続けるのはあまりにも辛すぎます》

 

「チン・ソンミが一人残された場合でも、愛する気持ちは無くならないだろう。すべてが終わり、俺が無事だったときに、そのときには、俺自身の手で外し、彼女に見せるよ」

 

「あくまでも、悪くてクールなふりをするわけだ、悪い奴め」

 

「おまえ、与えられた剣をどこに隠した?」

「なぜ? お前は、剣も探しているのか?そんなに俺が好きか?」

「もういいよ。言わなくていい。くそ、試そうと、大金出して緊箍児なんて買って無駄だったな」

 

「剣を隠してるのは、スリョン洞だよな?で、お前は、誰も入れないように結界をはってるんだよな?」

さかんに、剣のことを気にする魔王。

 

「魔王、俺は緊箍児にも勝てたんだ、ドラゴンにも勝てると思ってるよ」

 

渓谷の川中で、泳ぎ回る龍の姿。

 

 

~バー~

「お前、アサニョとここに一緒に来たって?」

「プジャのオンマが死んだあと、彼女が泣いたのを見たんだ。おそらく、彼女はプジャに戻りつつあるのかもしれない」

 

「アサニョ様には気を付けてください」

 

「おまえもあいつが嫌いだろう、冬将軍。彼女と話したとき、申し訳ないようにと感じた。彼女を慰めたあと、俺、またあいつの兄になってやろうと思うんだ。」

 

「バカ言うな。あいつは、本当に悪い女だぞ」

「お前になにがわかるんだ」

「おい、知ってるか?あいつ、プジャを殺した男と一緒にいるんだぞ」

冬将軍も、八戒も、驚愕!

「なんだと?」

「プジャが彼女を殺した人間を探していたとき、あいつが彼女の身体を乗っ取った。彼女は本当の悪鬼だ」

 

石棺を見に行った時、

「ここ、カン・デソンとかいう男の家なんだよな?なんで、そいつと一緒にいるんだ?」

「彼を選んだの」

 

 

「プジャを殺した奴だと知ってもなお、あいつは、あの男を選んだのか?あいつら、殺してやる!あの男とアサニョ、絶対、殺してやる」

 

~悟空のペントハウス~

悟空が一人でいるところに、やってくるソンミ。

 

「どうした?」

「なせ、これを投げたの?」

「引っ越したから、ビルの屋上から惨めに捨てられたものを、投げ捨てだだけだ。

「なぜ、好き勝手に捨てたりするの?そうよね。あなたはいつも、捨てたいから捨てるのよね。あなたが、捨てようと、投げようと、私はちゃんと拾い集めてきた。そのために、手放したものだっていっぱいあるわ。そういうの、あなただけのものなの? あなたの勝手で捨てたりしないで」

「そんなにため込んだものがあって、俺に言いにきたのか?」

「私がどれほど言いたいことがあるか、知ってるの? 悪い奴!」

金平糖を悟空に投げつけるソンミ。

「そんなに積もり積もってたとは知らなかったな。」

「歩道に座りこんで諦めたりすることもなく、部屋の隅で泣いたりもせず、全部、吐き出してあげる。」

「ああ、そうしてみろ。お前の気持ちが心地よくないなら、好きにしろ。聞いてやるから、言ってみろ」

「愛してる」

「愛してる」

 

「すごく愛してる」

 

「愛してる。愛してるって言ってるの」

 

悟空を抱きしめるソンミ。

 

「愛してる」

 

ソンミのほうから、キスする。

 

「お前がこんな風にするなら、俺は止められないぞ」

「愛してる」

 

ようやく、悟空のもとに自ら飛び込んだソンミ。

 

 

★第19話に続く★

「こんぺいとうキス」と可愛らしくネーミングされたわりには、悲壮感の塊のような・・・今生の別れのような、愛の告白とラブシーンで、なんか、ストンとこないジレンマを感じてるのは、わたしだけ?

(Youtube、ラストシーンだけの動画、ログインせずに見ようとしたら、18禁年齢確認されたよ~~。)

 

前半の屋台での告白のほうが、ボロ泣きだったわ~~。

本当に、スリョン洞で、美味しいおつまみを食べたり、あのたくさんのお酒を飲み切るくらい、ずっとずっと一緒に幸せに暮らせたらいいのに、って、ソンミがそんなに可愛いらしい夢を見ていたのかと思うと、ほんとに、オットカジョ~でした。

 

時間かかると思ったら、文字数も最長記録更新だった(笑)

 

ネタ祭り(1)

これは、言わないお約束です。

一生懸命、磨いたら、変形したことにしておいてください(笑)

 

ネタ祭り(2)

ちなみに、私が遊んでるゲームで開催中のイベントに、タイムリーにも

レアな黒龍が登場しますが、私の武器が弱すぎて、いっぺんも勝てたことありません。笑い泣き笑い泣き笑い泣き
悟空が心配です(笑)

 意地を張らずに、適材適所な武器を使いましょう!