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『花遊記』第11話(1)は、こちらから。 


■ 第11話(2) 

~魔王の病院~

ウ・フィの見舞いに来たソンミとハンジュ。
「花束じゃなくて、花籠のほうがよかったですかね?3万ウォン以上だして花籠にすべきだったかなぁ」

「あの方は、別に気にしないわよ」
「でも、本当に奇跡ですよね、1週間以上脳死状態だったのに、完璧に回復するなんて。」
「確かに死ぬって言ってたのに、何で生き返ることにしたのかしら?」

聞きようによったら、人格疑われるねガーン

「代表、そんな言い方、冷たいですよ。生き返ったんだから、よかったじゃないですか」


でも、悟空の嫉妬がそうさせたっていう真相をソンミさんはご存知ないのね(笑)

「あ、あれ、カン・デソン教授ですよ、いやぁ、オーラ、半端ないですね。大人物ですよ。」
「確かに、オーラはあるわね」
「いやぁ、背も高いし、かっこいい」
ソンミは、デソンを凝視している男から、ただならぬ妖気を感じ、気になる。
病室の様子を伺っているのに気付き、男を追いかけるソンミ。


見失ったところに、「オンニ」とプジャに呼ばれる。

猪八戒も一緒。

 

豚「なにか探してたのか?」
悪鬼に操られた人間を見かけて、追いかけてきたが見失った、と答えるソンミ。
「この病院でか?」
「ええ、たくさんの患者がいるから、私の血を使って、呼び寄せたほうがいいのかしら?」
「ここは病院だ。ここには、死神もウヨウヨしてるんだ、お前の血の香りを嗅いでも、病院じゃ混沌とするだけだ、ここで見かけたんだよな? プジャや、お前は悪鬼が見えないから、ここで待ってろ。あ、それから、絶対に寝るなよ。あいつらは、お前を死体だと思って、モルグ(安置所)に運ぶかもしれないからな。」
「はい、目を見開いてます」
素直なプジャが可愛くて、頭を撫でる八戒。
「行こう」
ソンミと猪八戒は、悪鬼探しへ。プジャは病室の前のベンチに腰かける。
わー、ここ、プジャのお母さんの病室なのね。

棚には、ビラや写真がおかれている。



ウ・フィ(魔王)の見舞いを終えたカン・デソンも、ここが、チョン・セラ(プジャの本名)の母親が入院していることを思い出す。


「時々、意識が戻るようですが、希望はないそうです」
デソンの秘書が報告をする。
セラオンマ、そんなに悪いんだ。
「ウ・フィ会長のように、死の縁から生き返ることもあるかもな」
「そうそう、奇跡は起こらないと思いますが・・・ご指示通り、本日、別の病院に移送します。」
「次の病室に、花籠を送っておけ。わたしは彼女の入院費を支払っている篤志家だからな」

プジャの目の前を通って母親が移送される。なんとなく、目で追い続けるプジャ。


病室から、セラ(プジャ)を探すビラや写真、私物も撤去されてしまう。

ソンミ「その悪鬼は、カン・デソン教授を狙っているようでした」
魔王の病室で報告するソンミ。
豚「魔王を刺した悪鬼と、今日、三蔵が見た奴は同じじゃないかな?カン・デソンも、聖火リレーの走者立ったんだろう?同じ悪鬼が人間に憑依し、カン・デソンを狙ったような気がする」
ソ「教授が危険じゃありませんか?」
牛「しかし、悪鬼のターゲットになるような人物には見えなかった」
豚「でも、人間なのに」
牛「八戒、お前もこの世界に生きてだいぶ長いんだから、人を見抜く目をもってもいいんじゃないか?国を治めようとしている人間との違いがわからないのか」
豚「ああ、あの人、大統領になるんだっけ」
ソ「そのような人がなぜ、狙われるのでしょう?」
牛「三蔵、悪鬼を探し出してくれ、私はまだ、歩き回れる状態じゃないから、マ秘書と一緒に行ってくれ」
一瞬、微妙な空気が流れる(笑)
犬「ベストを尽くします。魔王を刺したのですから、見つけたら、すぐに殺してやります」
牛「いいだろう」

悪鬼を処分するのはOKなんだね。

「私は、カン・デソン教授の周辺を調べてみる」

「はい、では、帰ります」

引き留めるマ秘書。
「三蔵、夏天女に聞いたけど、愛鈴を見たんですって?」
「あ、はい」
「鈴の音を聞いたの?」
「とても、可愛らしい音色でした」

愛鈴だと思い込んでいるソンミの照れたような、恥ずかし気な表情に、その後ろ姿を見ながら、
「死鈴の音色を聞いてしまったようね」
さすがのマ秘書も、それ以上追及できない。

 

~牛猿ハウス~
「どうしたんだ?この花」
毛布にくるまった悟空がプジャに尋ねる。


リビングのテーブルに埋め尽くされた花束やアレンジメントの数々。
「全部、魔王様の病室から、運んできました。キレイでしょう?」
「すぐにダメになるものを何で、わざわざ運びこんできたんだよ。全部、捨てろ」
「でもまだ、大丈夫ですよ」
まるで、自分のことのように思えたプジャ。
「でも、これが傷んでいくところなんて、誰も見たくないのはわかります。私と一緒ですね」
「同じじゃない」
このときの悟空の顔(涙)
「お前、この綺麗な花と同じだっていうのか」
「・・・私もきれいです!」
「お前は、そこまできれいじゃないぞ。」
「ゾンビになったあとでも、芸能人にならないかって、名刺ももらったりしましたよ。だから、本当に本当に、きれいなんです!」

こうして、最初から、遠慮なく、ポンポン言い合える本当の兄のような存在だった悟空。
「わかった、わかった、きれいだ、きれいよ。おい、ゾンビ、俺の口から、きれいなんて聞けて、贅沢だな」
笑顔になるプジャ。

「ええ、贅沢です。孫悟空様、こうして贅沢な生活をさせて頂き、ありがとうございます。」
プジャの決意に気づく悟空。
深々と頭を下げるプジャ。
「私決めました。孫悟空様の手で、燃やして下さい」
「お前が何者かも、なんで死んだのかもわからずに逝っても大丈夫なのか?」


うーんと言葉に詰まるプジャ。
「私を探している家族がいるとは思えません。ただ、私の敵には会いました、私を埋めようとしていたアジョシたちです。」
「会ったのか?じゃ、そいつらに復讐できるじゃないか?」
首を振るプジャ。
「嫌です。復讐しようとしたら、あの人たちを傷つけることになります。怖いです」
「ゾンビが人を襲うことを怖がるなんて・・・」
「悪鬼になりたくないんです、だから、復讐は必要ありません。こんな風に綺麗なうちに、消えたいです」


「そうか。わかった。」
「皆さんには秘密にしてください。お別れの挨拶をする時間だけ下さい。孫悟空様、寒いでしょう。どうか暖房を付けて、クーラーを切ってください。私はバスタブで寝ますから。」
そういって、花を整理しはじめるプジャ。
「ああ、いい、いい。俺がやってやる。バスタブに持っていくんだろう?俺が運んでやる。」
籠をかかえていく悟空に微笑むプジャ。

~魔王の病室~

魔王をねらったのは、韓国財団の開発工事関係者だということがわかる。

今回のカン・デソン絡みの悪鬼退治について、どうにも悪い予感がすると頭を悩ます魔王。

「三蔵には、孫悟空がついているから、何も起こらないとは思うが・・・」
そんな魔王の様子を見て、とうとう死鈴のことを報告するマ秘書。
「死鈴が、三蔵の手に?」
驚く魔王。
「もしかして、鳴ったのか?」
「はい。おそらく、三蔵はまだ、この意味を知りません」
「何てことだ!」

死鈴を見ながら
「マ秘書さんは、私が愛鈴を持ってることを知ってるようだったわ。彼女のところに持っていって、これの本当の取引について聞いてみようかな。」
しかし、思い返して、また、宝石箱にしまう。

悟空からメールが。
《今からいくから、10数えろ!》
うちだったら、10秒で片付けるのは無理(笑)
しかも、ちゃんと、玄関から入ってきた!(@_@)


「来たのね?なにがあったの?あらかじめ、メールで聞いてくるなんて?」
夜に突然来たら、大騒ぎするくせに、と、先日来、結構、紳士的な態度を見せる悟空。

ソファーに座る悟空。
「でも、どうして来たの?」
「言いたいことがあってきた。お前は、悲しいニュースを、先に知るのと終わったあとから聞くのとどっちがいい?先に知ったからと行って、阻止できないし、必ず起きることだとして」
「どうしても起こることなら、先に知ってしまうと、それだけ長い間、悲しいってことよね」

「わかった、じゃ、終わってから言う」

ん? 帰ろうとしてるの?

「何か飲む? 私、こういうふうにあなたが来た時のために、お茶を買っておいたの。 帰る前に飲んでいけば?」

「本当か?もう少しいてもいいのか?これは危険じゃないのか?」

「一緒にお茶を飲むのは、危険じゃないでしょ!あなたは、なんでもそういうことに結びつけて考えすぎよ」

お茶を入れに席を立ってしまうソンミ。

照れ隠しです。

「なんて、自分勝手な奴だ!俺にとって、危険なのは、彼女だけだ」(笑)(笑)(笑)

それでも、自分のために、お茶を入れるソンミの後ろ姿を見る悟空の穏やかな顔。

プジャのことで、相当、心を痛めているからね。

その時、テーブルの上の宝石箱に気づく悟空。

ソンミが死鈴を持っていることを知り、驚愕する。

 

お茶を運んできたソンミ、悟空は・・・いない。

「本当に危険だから、帰っちゃったの?私がなにかした?」

そうではないです。。。

 

すぐさま、雑貨店に向かった悟空。

「そうです。なくした死鈴です。ありがとうございます」

受け取る孫くん。

「なぜ、これが三蔵の手に渡った?」

「僕が落としたのを拾ったんだと思います」

「おい、鈴が鳴ったか、確認しろ」

「はい、もう既に鳴りました」

 

 

「あの2人は、彼ら同士で、殺しあう運命があるのか?」

マ秘書から、死鈴のことを聞き、ス・ボリ師を問い詰める魔王。

悟空に、致命的な欠点が発生したと答えるス・ボリ師。

「それなら、三蔵は天の召喚を終えるためには、孫悟空を殺すか、もしくは、孫悟空が彼女を殺すということか?」

「どちらかが殺す運命なのだから、彼ら二人のどちらかが選択すべきだろう?これは天の領域により下された斉天大聖への罰なのだから、何も問題はない」

「天界は、まだ、あの尊大な猿を許してはいないということか?」

愕然とする牛魔王。

「あいつは、まだ、本当の痛みというものを、真に感じたことはないのだ。彼が許されるためには、本当の痛みを味あわねばならない」

 

死鈴を振ってみる悟空。

なにか、深く考えている。

 

 

~牛猿ハウス~

お茶の時間の、沙悟浄とプジャ。

「沙悟浄様の今日のクッキーは、今まで以上に美味しいです」

「そうか? 主婦サイトのおすすめリストからレシピを選んだんだよ。これが一番おいしそうだったからね。」

「沙悟浄様、私にたくさん美味しいものを作ってくださって、ありがとうございます」

「もっと食べなさい。レビューをアップロードしないと」

見た目は、おじいちゃんと孫だけどね(涙)

 

冬将軍のアイスクリームショップを訪れるプジャ。

アイスクリームを受け取る。

「ときどき、チルドモードに凍らせてくれたので、腐らずにすみました。ありがとうございました」

「春が来たら、寒さが遠のくから、毎日来なければだめだよ」

はっきりとは頷けないプジャ。

「ここで、バイトしないか?」

「春になったら、考えてみます。あの~、少しだけでも 今、夏天女様に会うことはできますか?」

「ああ、彼女は、この時間はまだ、起きていないんだ」

「気にしないでください。それでは、私を可愛くしてくれて、感謝していると伝えていただけますか?」

「プジャや、なにかあったのか?」

「いいえ、このアイス、本当においしいです」

 

~ルシファーエンターテインメント~

マ秘書を中心に、大声で言い合う猪八戒とオンニョン。

タコ「テジは、俺の交際相手として十分だってことだ」

なぜか得意げなオンニョン。

豚「なぜ、俺たちは破局できないんだ? なぜだ? なぜだ?魔王は死ぬことも生き返ることも自由にできて喜んでるだろうが、なぜ、俺は、望みどおり、このタコと別れることができないんだよ!」

毅然と、二人に、写真を見せるマ秘書。

犬「また、あなたたち2人の写真が撮られました」

にっこり笑うオンニョン。

タコ「よく撮れてる、うふラブラブ

写真をひったくる八戒。

豚「こんなの不公平だ!」

必死に抗議する八戒。

なにしろ、オンニョンが八戒につきまとって離れないからね。

写真なんて、撮られ放題。

豚「とにかく、絶対に、このタコとは何もないんだ!」

犬「はいはい」

タコ「彼は正しい。何も起きてない。明らかに、この豚は豚じゃない」

性欲減退って、色魔なのに~~(笑)

豚「このチビたこ、何言ってやがる・・。お前とどうにかなりたいとか思ってるかよ。ああ?このオレが?」

タコ「やる気か?」

豚「ああ、もう、ほんと、信じられないな。どうしたいんだよ」

 

あきれ果てるマ秘書。

犬「あら、プジャ? どうしてここに?」

プジャ「なんだか、お忙しいそうですね」

犬「うん、ビジネス上の意見の相違ってやつかしら?」

取っ組み合いになって争っている八戒とオンニョン。

 

プ「マ秘書様、時々、私にエナジービーズを分けてくださってありがとうございました」

ん?と気になるマ秘書。

 

そこへ、プジャに気づいた八戒が急いでやってくる。

豚「プジャや、練習に来たのか?」

プ「いいえ、今日は練習はありません」

オンニョンも合流。

タコ「ゾンビ、今日は臭くないな」

プ「冬将軍のところで、冷却してもらったばかりなので、大丈夫です。王子様、早く龍宮に戻って、お父様と仲直りしてくださいね。」」

タコ「そうだな。お前がそれ以上傷む前に、龍宮を見せてやりたいしな」

プ「ありがとうございます」

オンニョンを突き飛ばす八戒。

豚「タコ野郎と龍宮に行くことは忘れろ。今日は、前に約束してた遊園地に行こう!」

犬「あんたたちは、今日は、カップル写真を撮って取材を受けないと!」

トラブル処理は大事です。

「俺たちは別れたって言っただろ。さ、行こう、プジャ」

エレベーター前で、ご機嫌な猪八戒。

「まずは、美味しいものを食べに行こうか?何が食べたい?牛肉か? あ、鼻が痛い・・・ああ、あの馬鹿猿、いつもオレの鼻を叩くんだよ」

「孫悟空様が、また、私のせいで、あなたの鼻をぶったんですか?」

この間の件のせいで、悟空に相当やられたと思われます。

八戒の鼻に優しく触れるプジャ。

「私のために、そんなに無理しないでくださいね」

「俺はお前のオッパだって言っただろう。兄弟なんだから、当然だ。うまいものを食って、それから遊びに行こう」

「今日は、大事な約束があるんです」

「なんの約束だ?」

「孫悟空様が、今日、いいところに連れてってくれるって決めてたんです」

「斉天大聖が?」

頷くプジャ。

「ああ、お前に意地悪なことをいうのは止めろって言ったから、気にしたのかもしれないな。」

「猪八戒様、あなたは私が一番、感謝している方です。兄弟だって言ってもらえて、本当に幸せでした」

「オレもだよ。オレの兄弟がいて幸せだ」

「遅れると、孫悟空様がまた、怒りますから、行きますね」

エレベーターに乗り込むプジャに、手を振る八戒。

「楽しんでおいで」

「アンニョン、チョッパルガンニム」

我慢して我慢して、ようやく、エレベーターの扉が閉まったと同時に、涙をこぼすプジャ。

 

一人になってから、今のプジャの様子が気になる八戒。

 

 

工事現場にやってきたマ秘書とソンミ。

「この土地は、韓国財団のカン・デソンが所有している。明らかに、この木のせいで、建設が中断している」

「この木のせいで、悪鬼が悪事を働いているということですか?」

「さぁ。我々には見えないし、声も聞こえない。三蔵の血で呼び寄せるしかない」

 

少し離れた場所で、休憩を取りながら、噂話をしている作業員たち。

「あいつら、絶対に神木を切ろうとしているにちがいない」

憑依された作業員が、ソンミ達をじっと睨んでいる。

木槌片手に、歩き出す。

「おい、休憩中にどこにいくんだよ」

 

「木を守るのだ!」

襲い掛かる男を防ぐマ秘書。

「三蔵、この男か?」

「ええ、私が病院で見た悪鬼に憑依された男です」

急に突風が吹き、掌の傷ついたところから、血がしたたり落ちる。

地鳴りとともに、男がソンミに話しかける。

「なんと、愚かな人間め。今から、これは、お前の責任だぞ」

男が倒れるとともに、妖気が消え去る。

 

「悪鬼は消え去ったようだな。この木も元に戻った。お疲れ。三蔵、行こう」

マ秘書が、確認する。

 

男の言葉が気になって不安になるソンミ。

 

「でも、1000年以上もここを守ってきたというには、なにか意味があるのでは?」

 

「悪鬼が長い間ついていたから、この木は1000年以上の樹齢だろう。」

「私たちは、本当に悪鬼を排除したのでしょうか?」

「どちらにせよ、この男は正常に戻るし、工事は再開されるだろう。我々は、やるべきことをやっただけだ」

本当にやるべきことだったのかが、不安なんだってば~~。

 

 

「おい、あれを見ろ。パクさん」

作業員たちが倒れている男を介抱し始めると、普通に立ち上がり、まったく記憶がない様子。

 

巨木を見上げるソンミ。

 ★第11回(3)に続く★