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■ 35話 7/1
「なぜ、彼らはお互いをわからないんだ?」
至近距離ですれ違っても、何の反応も示さないハンス(ユンソク)とオンマの姿に驚くジュンヒ。気付くと、母の姿が消え、焦る。
「あれ?オンマはどこに行った?」
ジュンヒの言いつけを守らず、お店まで訪ねてきちゃったアン・スジン(ジュンヒオンマ)と対面してしまうヨンシル。
改めて、戻ってきたら連絡が欲しいと言付けるスヨン。
「これが、私の名前と電話番号です。」
「オンマ!」
店から出てきたスヨンを捕まえ、車に乗せるジュンヒ。
「オンマ、お父さんは会いたがってないと言ったよね?なぜ、ここに来たの?」
「何をそんなに大騒ぎするのよ?あまりにも神経質すぎない?私は、息子が一緒に住んでる人に会いたいだけよ。」
「オンマ!」
「私を避ける理由が理解できないし、私たちの息子について話がしたいだけなのに」
ハンス(ユンソク)と会えなかったと聞き、そのまま連れ帰るジュンヒ。
入れ違いに、ハンス(ユンソク)が戻ってくる。
(本日休業)
店を閉め、呆然と座り込むヨンシル。
「ヨボ。どうしたの?何があった?なぜ、店を閉めた?」
「アン・スジンさんが、ここに来たの。」
「いつだ?」
「ほんの数分前まで、ここにいたの。もしかして、出かけるとき、彼女に会わなかった?」
「会っていたとしても、気付かなかっただろう。なにしろ、彼女と私は面識がないからね」
「あなた、しばらく店を休みましょう。彼女がここにきたとき、生きた心地がしなかったわ。彼女がここに来ることがあるなんて、想像したこともなかったのに。とても怖いのよ。」
「わかったよ。二階に行こう。二階で話そう」
「何とかしなければ・・・。しばらくの間、休業すべきよ。次に、彼女がいつ来るかわからない。こんな状態で店を開けられないわ。アン・スジンさんがアメリカに戻るまでの間、何とかしなきゃ。彼女だって、永遠に韓国に滞在するつもりはないはずよ。」
「ヨボ・・・この機会に、子供たちとジュニに、本当のことを打ち明けないか?私たちは、このまま、永遠にこんな風に生きて行くことはできないじゃないか。」
「突然、何を言い出すの?」
「突然じゃない。ずっと考えてきた。私はジュニがここに来て以来、ずっと不安を感じていた。」
「いまさら、そんなことをしても何の意味もないってわかってるの?」
「記事が出てから、恐怖に震え、今、アン・スジンさんが我々を探し出した。これ以上どう処理できるというんだ?」
「あなたのせいだと?心配しないで。私は、眠れなくても生きていけるわ。あなたが言ったように、私たちは罪を犯しました。私たちがやったことについて償わないとは言ってない」
「私たちの子供たちは、もう全員、十分成長した。おそらく、彼らは私たちを理解することができるよ」
「ヨボ!」
「仮に、記事の画像を見た後に、本当に、ヨン・ハンスを知っていた誰かが私たちを探しにきたら?アン・スジンさんが、一日中、私たちの家に居座ったら?」
「だから、しばらく休業しましょうと言っているじゃないですか・・・」
「どれだけの時間?どのくらい我々はこのように生きる?どのくらい恐怖の中で生きていくのか?恥ずかしいと感じない日は一日もないのに。どのくらい私たちはこんな風に生きていくのか?」
「なぜ、あなたはまだそんなことを言うの?最初から、私たちが一緒に暮らすために必要だったとわかってたことでしょう」
「お前は、ジュニを見て、罪悪感を感じないのか?私にはできないよ・・・彼を見て耐えているが、とても恥ずかしく、申し訳なく感じないか?」
「あなたは、私たちの子供たちについて考えてはくれないの?なんの罪のない子供たちに、これを乗り越えさせろというの?彼らが苦しむ必要があるの?ただ、あなたが安心したいという理由なら、私は賛成できません。ピョン・ハンスとして生きていくと決めた瞬間から、私たちは決めたじゃないですか。先々、こういう対処をしなければならないこともわかってたはず。あなたは、この状況に疲れてるだけよ。当然、恥ずかしいことだし、状況は厳しいわ。ジュニに罪悪感も感じることでしょう。でも、私たちには元に戻す方法はないの。そんなの問題外よ。」
激高するヨンシルに、言葉を失うユンソク。
友人と食事するヘヨン。
「謝まるわ。結婚する前、いつでも友人や先輩は、姑の愚痴を言い合って、共感して、私は正直に言うと、内心笑ってたの。なんて、無駄な人生をすごしてるのかって。」
いまとなっては、自分の軽率さを嘆くヘヨン。
「なぜ、そんな殊勝なことを言い出したのよ?」
「私の義理の母・・・私に家事をさせようと、偽のギプスを身に着けてたのよ」
「何ですって?」
一度話し始めたら、もう止まりません。愚痴る、愚痴る(笑)
本日の名言
《彼女は60歳の顔で、中身は6歳なの》
「彼ったら、まだ電話してこない・・・」
ホテルの部屋で不機嫌なヘヨン。
たずねてきたジョンファンに、不機嫌そうに対応するヘヨン。
「一体、何ですか?こんなに遅くに。もう、ベッドに入らないと」
強引に部屋に入ってくるジョンファン。
「すまない、君に伝えたいことがある。どれだけ考えても、こんなふうに終了することはできない。聴いてくれ。そうだ。自分自身に失望してる。君が俺を馬鹿だと思ってることもわかってる。でも、どうしても君をあきらめられない。それくらい、君を愛してるんだ。君がいないと生きていけない。」
ジョンファンを見つめるヘヨン。
「俺たち、まだインターン契約期間が残ってるだろう?俺は君に自分自身を証明するチャンスが欲しい。なぁ、ヘヨナ、期間前に離婚したら、契約違反だろ。まだ、これらの50ポイントまで長い道のりを持っています。」
「いつ離婚したいって言った?私が望んだとしても、まだ私達、契約期間中よ」
「許してくれるのか?」
「私は、先輩に、今までみたいに、お母様と私の間を行ったりきたりしてほしくないの。そういう三角関係が、物事をより複雑にしてると思わない?」
「うん、再び、そんなことしないと約束する」
仲直りした2人。
「脱・いい嫁」宣言するヘヨン。
~ビョン家~
なんとか記事騒動が終結したことを、両親に報告するミヨン。
「ラヨンのSNSも、プライベート用にステータスを変更したしな。もう、問題がある可能性がなくなったよ」
「うちの会社も、迅速にケアしました。なにしろ、お義兄さん(ジュンヒは夫の兄なので)の人気がすごいので、力をいれるんです」
「それはよかったわ」
節目がちな両親の様子を気にかける子供たち。
「どうしましたか?」
ハンス(ユンソク)がしばらく休養をとると説明するオンマ。
突然のことに驚きながらも、同意する一同。
「私は一人で釣りに行てこようと思う」
~ミヨンのオフィス~
「インターン」
「はい?」
別のマネージャー社員が、胃けいれんを起こし、ピンチヒッターを頼まれたミヨン。
「9613のナンバーの車がフロントに駐車してある。急げよ、緊急だぞ」
久しぶりのマネージャー業務に満面の笑みを浮かべるミヨン。
9613って、ジュンヒのバンだっけ?
そこに現れたのは、よりによってソンジュン。
比較しちゃうと、あまりにもソンジュンが不憫すぎるかも。
「・・・・」
「代理で付くことになったマネージャーって、ミヨンさんだったんだね」
ソンジュンと共に、現場を訪れたミヨン。
ジュンヒと顔をあわせ、挨拶してもそっけなく、あしらわれる。
撮影が終わった頃、ヒョンジが車で現れる。
「お疲れ様」
ヒョンジの車に乗り込むジュンヒを目撃するミヨン。一瞬、明らかに、ミヨンを目の端に捉え、そして、あからさまに目を反らすジュンヒ。
カチーンとくるミヨン。
「彼女をセットに来させるなんて、噂やスキャンダルにつながるじゃない。なぜ、そんなこともわからないの。アン俳優様には注意しないと。もう、テブ先輩はなにしてるの?マネージャーなら、監視するべきでしょ。これは、職務の怠慢だわ」
間違いなくチルト(嫉妬)全開の独り言です。
そこへソンジュンも戻ってきました。
「なんか食べに行こう。おごるよ」
「イ室長がこちらに向かっているそうです。あと5分ほどで到着します。室長が来たら、私は事務所に戻ります」
「それじゃ、俺たちのデートをいつにするか、いつになったら答えてくれるのかな?」
「あの・・・ジン俳優様。どういうつもりで、私にこんなことを?」
「心配しなくても、食事するだけだよ。だから、飯食おうよ。」
黙ってしまうミヨン。
「あ、イ室長が来たみたいだ。電話するよ。俺の呼び出し、無視するなよ。」
ギュテクの好物を並べ、胃袋を掴み、出て行かせない作戦のボクニョ。
一向に埒が明かず、イラ付くギュテク。
ボクニョが納得しようがしまいが、引越し先を探すことに決めたと言い出す。
退職金を渡すように言われても、拒否するボクニョ。
それでも、部屋を見に行くと、不動産屋に連絡を入れるギュテク。
どうでもいいけど、ギュテクの飼い犬チコちゃんは可愛いです。チャ家で唯一癒される存在です。もっと出番あるといいのに。
家に戻ってきたヘヨン。あらためて、ボクニョに謝罪を要求する。
当然、聞く耳を持たないボクニョ。
今回の件で、ジョンファンが別居を強く望んでいるというと、それでは、結婚を許可した前提が狂うと怒り出す。
だから、もし、ボクニョが今後、同居契約を守ると約束してくれたら、今回だけは、自分がジョンファンを説得する。でも、もし、再び、契約を無視したら、私は、ジョンファンさんと一緒に、この家を出て行くしかないと説明する。
「あなたは、私を脅かしているの?」
「ええ、少し。契約を尊重するか、私達が出て行くか・・」
二者択一を迫るヘヨン。
「わかったわよ。やればいいんでしょ!」
結局、新しい同居契約を作成することになる。
検診に来たユジュ。
「前回、あなたの赤ちゃんが平均より小さいことはお話しましたよね。あまり成長していないようです。あなたは、まだ働いていますか?」
「ええ」
「初期のいくつかのトラブルは、16週間後に落ち着いてくるものですが、あなたの場合は十分ではないようですね。ちょうど一週間くらい休まなければなりません。」
「わかりました」
「ところで、赤ちゃんはかわいいルックスをしてると思うわ」
「それって・・・」
「最初の子は、女の子がいいっていうわよ?」
笑顔でモニターを見るユジュ。
(休日申請)
「キムチーム長。」
「ええ、どうしたの?」
「あの、お願いがあるんです。ヒーロー4thアルバムのビジュアルコンセプトについてなんですけど」
「ヒーロー?あれは、たしか誰かが、もうすでにプレゼンテーションを行なってたでしょ?」
「はい、私たちがいくつか試すように言われました。私はそれをやってみたいんです。でも、あまりにも多くの出張があって・・・もし、チーム長ができない場合は、外部業者に依頼しますけど」
「いいえ、私がやるわ。外注する必要はないわ。」
こうして、休暇申請は幻に・・・(涙)
レストランにきたジュンヒとヒョンジ。
「ごゆっくり・・・」
「なぜ、こんなところに連れてきたんだ?」
「オッパ、私たち、もう一度付きあわない?」
「え?」
「私、ずっと後悔してたの。すごく申し訳なかったって言ったでしょ」
「ちょっと待てよ。君は俺の精神科医だろ?俺が考えていることが分かってないのか?」
「オッパ、ドラマを見てないの?医師は、常に患者さんに入れ込むものなのよ。」
「それについては異論はないよ」
「でしょ」
「それで?」
「主治医として、“愛を忘れるために愛を利用する”このフレーズには、真実があると言えるわ。今、誰かと交際することはあなたにとって、確かに有効なの。後悔している元恋人として、あなたが誰かとデートしなければならない場合、あなたは私とデートすればいい」
「俺を、精神的痴漢として診察してるのに、そのうえ、今、君を利用しろっていうのか?君にメリットなんかないだろう?」
「あなたは私を利用して、私は後悔を乗り越えたいの。」
なぜ、ここでこのヨジャは微笑むの?あわよくば?ある意味、患者以上に病んでない?
「よし・・・やってみるか」
そうよね、この苦しみから救われるのなら、ヒョンジの言うことはなんでもきくといったんだものね。
言われるまま、ワインで乾杯するものの、無表情なジュンヒ。
夜、自分のオフィステルに戻ってきて、鍵付きの箱を取り出すジュンヒ。
<ユド(柔道)>と書いた紙を箱にいれる。
きっと箱の中は、ユド(柔道)で一杯。
ハンス(ユンソク)は出かけたようです。ヨンシルが携帯をチェックしても、とくに何もなし。
「着いたら連絡するっていったのに・・・」
そこへ、ヘヨンから、明日、ジョンファンと一緒に訪問するとメールが入る。
(求人:サッカーコーチ募集)
チョルスのバイト先のコンビニに立ち寄るヨンヒ。
「いらっしゃいませ。」
「何時に終わる?」
ヨンヒとともに会長室に来たチョルス。
「お前がつれてきたのか?」
「いいえ、彼は彼自身の意志でここに来たんだ。話があるんだって」
「アイゴー。彼は、私を殴りに来たようだぞ。まぁ、座れ」
「お父さんのしわざですか?」
「どういう意味だ?」
「私が夜勤部屋に住んでいることを密告しましたね。これが、お父さんのやり口ですか?」
「私は・・・そんなことしてないぞ」
「お父さん・・・やりすぎだったんだよ。」
ヨンヒが誤魔化しても無駄だと注意する。
「そうだ、夜勤部屋を出されたとき、家に戻って来ればよかったんだ。お前は、そこを出てから何をしている?」
「お父さん、お父さんを本当に失望する前に、もうやめてください。もう何回も言ったけど、お父さんには理解できないんだ。もう一度言います。サッカーは、私の・・・」
「お前は、それをやればいいだろう。」
「え?」
「だから、サッカーをやればいいと言ったんだ。その代わり、私の目の届くところで、お前はそれをやる必要があるが・・・」
(スポンサー企画:ユースサッカークラブ計画 GB社)
「我々は、健康食品会社だろう。スポーツチームのスポンサーになるというのは、悪い考えではない。私たちは、社会的企業のイメージを持つこともできる。うちの会社に入社しろ。そして、このチームはお前が見ろ。選手募集からカリキュラムを作り、サッカーチームを育ててみろ。俺は中途半端な息子を見たいと思わん。」
企画書を食い入るように見つめるチョルス。
「本当ですか?」
「お前がやりたくなければ、やらなくてもかまわん。」
「やりたいです。」
「お前に5年やろう。5年間で、私の投資に見合うチームに育てるんだ」
う~~ん。
ダンボール箱と一緒に、公園のベンチに座るラヨン。
「ピョン講師!」
チョルスに、力なく手を上げるラヨン。
「私はもうピョン講師じゃありませんよ。これからは、違う呼び方にしないと」
「どういう意味ですか?」
「解雇されたんです。スポーツセンターは、私との契約を更新しませんでした。だからもう、講師じゃないんです。とても落ち込んでるの。ぱーっとリフレッシュしたいです。」
「どうしたい?なんでも、僕に言って。」
グツグツと煮えるトッポッキ(笑)
(オッパは、バッグは購入できなくても、トッポッキなら買える)
なかなか箸が進まないチョルス。
「辛い食べ物。苦手なの?」
「いや、食べられるよ」
「そうは見えないけど・・・」
「どうぞ。」
お水をわたし、ティッシュを鼻に詰めてあげるラヨン。
「ありがとう」
やっぱり、お坊ちゃまくんだわ。
~ガビエンターテイメント~
「これ全部、アン俳優様のための贈り物ですか?ジン先輩のためじゃなく?」
ファンからのプレゼントをチェックしている先輩社員に訊ねるミヨン。
予想外の量に、笑顔で写真を取り捲るミヨン。
「嬉しい?」
「もちろん。私は彼のマネージャーでしたから。」
「これらの多くは海外から来たの。手続きが面倒なのよ。すべての証明写真を撮ることを忘れないで。」
「はい」
ひとつひとつ丁寧に整理していくミヨン。
「アン俳優様は本当に人気ね」
ミヨンがプレゼントをジュンヒのバンに載せているところに、ジュンヒがやってくる。
「あ、いらっしゃったんですね?このリストを見てください。受け取ったかどうかをチェックし、ここに署名してください。アン俳優様がご自身でチェックされますか?いっぱいありますけど。」
「大丈夫だ。」
それだけ言って離れようとするジュンヒを呼び止めるミヨン。
「あの・・・アン俳優様。彼女を撮影現場に来させるのは、すこし気をつけられたほうがいいと思います。彼女が来続けた場合、噂される可能性があります。担当していた元マネージャーとしての忠告ですけど。今や、アン俳優様には非常に多くのファンがいます。あなたに彼女がいると知ったら、動揺すると思うんです。」
黙ってミヨンを見つめるジュンヒ。
いいたいでしょ?本当のこと、ぶちまけたいでしょ?
タイミングよく、テブちゃん(マネージャー)登場。
「ジュニ兄・・・。(ミヨンを見て)ああ。車の中に、プレゼント全部、積み込んでくれたか?」
「はい。このリストどおりに受け取ったか、チェックする必要があります。」
リストを、テブちゃんに渡すミヨン。
「ああ、お疲れ」
気まずい思いで、一礼して、空のコンテナを押しながら、その場をあとにするミヨン。
ぼうっと立ったままのジュンヒに車に乗るよう促すテブちゃん。
~弟夫婦のピザ屋さん~
「またお越しください」
お客さんを送り出した、ヨンシク、ボミ、ミンハの3人。
「私は、人生の中で、こんな単語を見たことないわ。」
ぼやくボミ。
「オンマはどこ行ったんだ?いないと困るのに」
店の戸が開き、ハルモニが入って来ました。
「・・・オンマ。なんて服着てるんだよ」
ハルモニの派手なサンドレス姿に、3人とも絶句。
「お前も知ってのとおり、放送局に行くんだろ。」
どうやら、家族総出で、先日見た高額賞金の出るクイズ番組に申し込んだようです。
予選を受けるヨンシクたち。
「合格者のためのリストをチェックしてください!」
(キム・マルブン)
ハルモニだけ、1次合格です。
実家に帰ってきたヘヨンを出迎えるヨンシルたち。
「アッパは?」
「休暇中よ」
店を閉めて休暇をとったと聞き、驚くヘヨン。
「なんかあったの?」
「いいえ。記者が戻ってくるかもしれないから、休暇を取るように言ったのよ」
「本当に?それなら、理解できるけど」
記事騒動が一段落したことを喜ぶ一同。
ボクニョの怪我のことについては、言葉を濁すジョンファンとヘヨン。
ハンス(ユンソク)とジュンヒがいないと、家が広く感じるというジョンファン。
あれ以来、ジュンヒが家に来ていないと聞き、ヘヨンが、ジュンヒに電話することに。
「もしもし?アン俳優様?私、ツーチェ(二番目)よ」
「なに?ツーチェ?どうした?俺に電話なんて・・・」
ベッドで飛び起きるジュンヒ。
「がっかりしたから電話したのよ。せっかく、実家に帰ってきたのに、いないんだもん。今や、スター様になっちゃって、私たちのことなんか忘れちゃった?最近かなり人気あるみたいね。でもまだまだよ、えらそうにしてたら、人気なんて続かないわよ」
「何言ってんだよ?俺に会いたいからって、ずいぶんだな。ああ、いいよ。わかったよ。行くよ。行くよ」
こんなハツラツと嬉しそうなジュンヒ、久しぶりすぎる。
夜釣りをしているハンス(ユンソク)。
~回想~
臨月のヨンシルと連れ立って歩くユンソク。警官をみかけ、緊張し、目を反らす。
「心配しないでください。誰も、私たちのことなんて知らないわ」
夜中、うなされるユンソク。
「ユンソクさん。ユンソクさん」
悪夢に怯え、これ以上、耐えられないとヨンシルに訴え、家を飛び出したものの、どうしても警察署に入れず、泣き崩れるユンソク。
ジュニョン誕生。
「この子の出生登録を書いてくれた?」
「これから書くつもりだよ」
<氏名:イ ジュンヨン>
<父:イ ユンソク>
と書いたところで、顔が強張るユンソク。
<氏名:ビョン ジュンヨン>
<父:ピョン ハンス>
母を散骨した川にきて、謝るユンソク。
「オモニ。あなたの息子ユンソクは、もう存在しません。私の息子は、ビョン・ジュンヨンです。そして、私はピョン・ハンスとなりました。死んだ後、私はあなたの息子に戻ります。許してください、オモニ」
当時を思い出すユンソク。
「オモニ・・・」
ここは、その川なのかな。
そこへ、ジュンヒからメール。
<ヘヨンさんが家に来たので帰ってきました。いつ戻られますか?もし、明日戻られるなら、私は、お父さんを待ちます。>
それを読み、笑顔になるユンソク。
<そうか、明日早く、家に帰るよ>
朝、目覚めたヨンシルは、キッチンでアッパが料理をしているのに気付く。
「いつ来たの?」
「子供たちが戻ってきたと聞いたんだ。心配しなくてもいい。これを作ったら、また出かけるよ」
ジュニョンたちが、続々と食堂に集まってきました。
「アボジ、いつ戻ったの?」
朝食を家族でとることに。
みなの好物がそれぞれ並んだ食卓に、すごいご馳走だと、驚く一同。
疲れているから、休暇をとったのに、こんなに調理して大丈夫なのか、と案じる子供たちに、子供たちのために料理を作るときが一番幸せだというハンス(ユンソク)。
その間、ずっと固い表情を崩さないオンマ。
2日間いないだけで、数ヶ月いないみたいだったと寂しがるミヨン。
自分がいなかった間、何もなかったか、と訊ねるアッパに、ラヨンが爆弾投下!!
「大ニュースがあります。チャグンオンニ(ちっちゃいおねえちゃん=ミヨン)が、俳優のジン・ソンジュンからデートを申し込まれました!」
「ちょっと!」
あわてて、止めようとするも・・・すでに手遅れ。
「ミヨン、本当なの?ジン・ソンジュンがあんたに?」
皆が驚きながらも、晩生なミヨンに祝福ムードっぽいなか、ジュンヒだけが・・・凍りつく。
「あの・・オンマも知ってるジン俳優のこと?」
「いや、いや、何でもないんだったら・・・」
否定するミヨン。
「ほんとだってば。アンオッパ、彼ってどんな人?」
ひかないラヨン。
「やめてったら」
代わりに、ユジュが興奮気味に答える。
「いいじゃない、トップスターじゃないのよ。それにとても人格者で、謙虚だって有名ですよ。ね、お義兄さん、そうですよね?」
ジュンヒに同意を求めるユジュ。
「さぁ、知らないな、そんなに親しくないし・・・」
気まずいジュンヒとミヨン。
「いいえ、本当にそんなんじゃないの。もうやめてよ」
怖いよ、ジュニや、そんなに、ミヨンを睨まなくても・・・。
再び朝食に戻る一同。ハンス(ユンソク)がキッチンに辛子を取りに行ったタイミングで、チャイムが鳴る。
「どなた?」
「はじめまして。朝早くにお邪魔して申し訳ございません」
「オンマ!」
驚いて立ち上がるジュンヒ。
その声に、キッチンで慌てて身を隠すハンス(ユンソク)。
「あら、ジュニ。あなたもここにいたの?」
「なんで来たんだよ」
緊張が広がるリビング。
「あ、こんにちは。奥様だったんですね。失礼だとは思ったんですけど、お会いして・・・」
有無を言わさず、母親を玄関から押し出すジュンヒ。
呆然とするヨンシルを、子供たちが揃って心配する。
キッチンにきて、しゃがみこんでいるユンソクと目が合い。涙を必死にこらえるヨンシル。
そのあと、洗面所で泣き出すヨンシルと、屋上でため息をつくハンス(ユンソク)。
オフィステルに戻ってきたジュンヒと、ジュンヒオンマ。
「オンマ。なぜ、こんな失礼なことを?電話もせず、いきなり訪問するなんて」
責め立てるジュンヒ。
「電話ならしたわよ。電話番号もメモして渡して、電話をくれるように頼んだのに。掛かってこないし、店は閉まってるし・・・」
「だから、お父さんは会いたくないんだよ」
「なぜ彼は嫌がるのよ?変でしょ。なぜ彼は私を避けるために、店まで閉めるのよ?おかしくなったんじゃないの?」
「そんなこと言うなよ。彼らはそんなんじゃない」
「じゃあ、なぜ彼らは、全力で私を避けるのよ?あなたはこのような状況をちゃんと理解している?」
深くため息をつくジュンヒ。
「オンマ。俺は、あの家の中で幸せなんだ。初めて幸せだって感じた...これはオンマと一緒にいたときには感じることができなかったことだよ。」
「え?」
「オンマの彼氏たちと一緒に暮らすのは、俺にとって楽じゃなかった。パーカーは、オンマの旦那さんだけど、俺の父親じゃなかった。常に、余計者みたいに感じてた。少しでも早く自立して家を出たかった。俺が芸能人になった理由さ。今、オンマもあの家を見てわかっただろう?彼らの家は、我々の家よりも小さくて古いんだ。あそこに、家族9人で暮らしてるのに、2つしかバスルームがないんだよ。それでも、俺は、あの家が好きなんだ。家族の暖かさってヤツをはじめて感じたんだと思う。俺にとって初めてだった。俺の誕生日に、ワカメスープと雑穀米の食事を誰かが与えてくれるなんて・・・初めて知ったよ。家族と一緒に食事を一緒に食べるってことが、こんなに幸せをもたらしてくれるのか・・・」
言葉を失うオンマ。
「オンマを非難したいわけじゃないんだ」
「わかったわ。行くわ」
「オンマ・・・」
「オンマは平気よ。後で話しましょう」
ショックを受け、一人ホテルに戻っていく母の姿に、つい言い過ぎてしまったと後悔するジュンヒ。
ホテルで、ジュンヒの大学卒業の時の写真を見ながら、息子の言葉を反芻するジュンヒオンマ。
<俺は、あの家の中で幸せなんだ。>
<初めて幸せだって感じた・・・>
<これはオンマと一緒にいたときには感じることができなかったことだよ。>
涙をなんとか押しとどめ、ジュンヒに電話をかけるスジン。
「もしもし、オンマよ。今日、アメリカに戻るわ。」
「ちょっとだけ座って。私はあなたのお父さんに失礼なことをするつもりはなかったの。2人が一緒に暮らすことを決めたときの、彼の気持ちを知りたかった...あなたの心にあるものも・・・。でも私は、私の息子がいてくれたら、それだけで十分よ。それで幸せ。もう彼に会うことはないわ。だから戻ることにしたの。それから・・・ごめんなさい。あなたの心がわかってなかったのね。でも、あなたもそのことについて私に言うべきだったわ。あなたから聞いていたら、私は別の方法を見つけていたでしょう。」
「オンマ、ごめん。言いすぎた」
「ううん。正直に話してくれてありがとう。今は、もうあなたの心がわかったから。また来るわ」
「うん」
チャ家に戻ってきたヘヨンたち。
同居契約を改定更新することにしたとし、家族会議を開くことになる。
何が何でも、引っ越すつもりのギュテクは、ジョンファンたちの前で、卒婚を宣言する。
驚きを隠せないヘヨンたち若夫婦。
空港に向けた車内で、
「何?どうしたの?」
「あなたのお父さんみたいにすればいいのに。彼は運転うまかったわよ。でも、気をつけてね。彼のように無謀運転しないでよ。そんなことになったら、取り返しがつかないわ」
「アボジが無謀な運転?」
「彼は、すごくスピードを出すの。事故に会ったとき、ほとんど死亡するところだったもの」
「事故?」
「私も車の中に乗ってたとき、大きな事故があって、彼は私を守ろうとして、かばったために、ガラスが穿き刺さって、背中に巨大な傷跡があるのよ。見たことない?2人で銭湯に行ったと言わなかった?」
「うん、一緒に行ったけど、そんな傷跡あったかな。彼の背中もこすったんだよ。」
「あなた自身がやったの?」
「うん、でも見てないよ」
「そんなはずないわ。傷跡は、消えるなんてありえないほど、巨大だったのよ」
「いや、実際にそれを見てないよ。確かだよ」
「このドラマが終了したら、一度、戻ってきなさいね。父親とばっかりいるなんて、悲しいわ」
「わかったよ、今度は絶対帰るよ」
「あ、そうだ。プレゼントよ。忘れるところだった。これよ。結婚式の前に撮った私とお父さんの写真。おばさんが撮ってくれたんだけど、もう私には必要がないから。あなたは見たいんじゃない?」
「これ、本当にアボジ?」
「ええ。これが私、こっちがお父さん。それからおばさんよ。どうして?」
「なんか、アボジじゃないみたいだ。ずいぶん変わったんだな。だから、すれ違ってもわからなかったんだね」
「私が誰をわからなかったって?」
「オンマは一度、アボジに会ってるんだよ、店の前で。2人とも気付かず、通り過ぎたけど」
「そんなはずないわ。いくら彼が変わってしまって、私が認識できない可能性があったとしても、私はほとんど変わってないわ。会ったら、絶対わかったはずよ。あなたが見間違えたんじゃないの。私たちは、夫婦として暮らしてたのよ。お互いを認識しないなんてこと、あると思う?」
★第36話に続く★
ジュンヒオンマ、するどい。
真実を知る生き証人とは、ニアミスにとどめました。いくつかのヒントがジュンヒに委ねられてます。ああ、この青年には、ドラマだけど、本気で同情するわ。
ええっと、チョルスは結局、実家の力で、サッカーチームの運営をすることになるのね。
このチョルスの選択は、納得するかどうかは別として、自分のこだわりやプライドは、歯を食いしばって捨てることは出来ても、サッカーそのものを捨て去る生き方は死んでもできない、ってことなのかとも、考えてみたりしました。う~~ん。
ああ、盛りだくさんで、ハルモニがテレビのクイズ番組に出られることになったことがふっとびそう。