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『力の強い女ト・ボンスン』第15話(1) はこちらから。

 

■ 第15話(2) レベルアップ 

~居酒屋~

対峙して、酒を飲むミニョクとグクトゥ。酒をつぐタイミングから、飲み干すまで見事にシンクロ(笑)

「ボンスン・・」「ボンスン・・」

「先に言えよ」「お先に・・・」

ミニョクからです。

「あんたに一つ、明確にしておきたい。俺とボンスンは・・・」

「ちょっと待ってください。なぜ、あなたは敬語で話さないんですか?」

「なんだと、こいつ。なら、お前も敬語やめればいいだろう」

「私はあなたみたいにな失礼な人間ではないです。私は身近でない人とは気軽に話をしません。」

 

素直に、(ライバルだけど)お互い男として認め合ってるとは、口にできない似た者同士(笑)

どうでもいいではすませられないのね。

「やれやれ」

「ばかげてる。」

飲み干したグクトゥ。

「あんたは、ボンスンが好きなのか?」

「俺がボンスンを好きかだと?なんで、お前は俺にその質問をする?それを尋ねるお前は何様だ?」

「本当にうざい奴だな」

「お前も迷惑なんだよ。おい。俺の女の傍に寄るな」

立ち上がるミニョク。

グクトゥも立ち上がり、ミニョクの襟元をつかむ。

「おいっ。もうこれ以上、我慢できない。こいつ」

「これは、もっと前にやるべきことだろう?」

「そうだな、確かに時間をかけすぎたな」

「やるか?」

「負けた後、ほえ面かくなよ」

「この野郎」

 

「あれ?」

突然あらわれたボンスンに驚くミニョク。

「なぜ、お前がここにいる?誰がお前に言った?」

 

「彼女は、俺に会いに来た」とグクトゥ。

「なんで、彼女に会う?」

「あんたには関係ないだろ」

つかみかかるグクトゥとミニョク。

「もう、やめて。」

2人を引き剥がし、座らせるボンスン。

「2人ともなんなの。困らせないで。子供じゃあるまいし。あ、ちょっと待って。あなたが迷惑な人と会うって言ったのは・・・」

「何だよ?」

「とにかく・・・、一緒にキム・チャンヒョンをつかまえない?それが、グクトゥに会おうとした理由よ。でも、今日はそれについて話をする適切な時期じゃなさそうね。いいわ、飲みましょう。」

「だめだ!」「だめだ!」

「なぜよ?」

「なぜ、お前が彼女を停めるんだ?」

「友人だからだ。それなら、彼女を止める××××は誰だ?」

「なんだと××××。通報するぞ」

「やれるもんならやってみろ」

「よし。俺たちは、最後に勝者を決める。・・・おい!」

呆れ果てて、二人を無視して飲もうとして、ミニョクに止められるボンスン。

ちゃんと見てるのねえ(笑)

 

2人に、お酒をつぐボンスン。

「はい乾杯。」

飲み比べ第二段。

 

2人を両肩に担いで、ミニョクの家に戻ってきたボンスン。

懐かしいな、この構図。

「よいっしょっ。ここでいいよね。」

リビングのソファに2人を降ろす。

「まったく、なんて無駄に長い足なの」

 

~翌朝のト家~

「オンマ。行ってきます」

階段を駆け下りるボンスン。

「オンマ。行ってきます!アッパ。行ってきます!」

「お父さんは昨夜帰宅しませんでした。」

「え?」「え?」

驚く双子。

「何?アッパが帰らなかったの?」

「彼は家出したのよ」

「家出?」 「家出?」

「でも、なぜ?」

「彼は自分の意思で出て行きました。」

「オンマが殴ったからでしょ」

「してないわよ」

「いや、オンマがやったんだろ?また、襲ったんだ」

「彼は自分の意思で出て行ったのよ」

いつもに比べて元気がないオンマ。

涙ぐみながら、「あんたたちまでなによ・・・」ひざを抱える始末。

 

~ミニョクの寝室~

目が覚めたミニョク。

ジャケットがたたまれていて、靴下も脱がされている。

ボンスンがしてくれたと気づき、ご機嫌ミニョク。

はっ、あいつは?

 

急いでリビングに行くと・・・。

ソファに丸くなって眠っているだけのグクトゥに、優越感。

「ひどい二日酔いだ、でも、俺は最高の気分。」

にやけるミニョク。

「そのまんまだぞ。彼女なら、こいつに毛布をかけてやりそうなのに」

男って・・・(笑)

 

そこへボンスンがやってきました。

「おはよう。よく眠れたか?」

「うん。二日酔いに効くスープ作るね」

「ん?どうした?なんか気分悪い?」

「私の父が・・家出したの」

「家出?」

その声に起きるグクトゥ。

「おはよ」

 

朝食を準備するボンスン。

「ボンスナ、朝ごはん、ありがとうな」

「それは、俺に感謝すべきだろう。食べ物はうちのだ。」

ボンスンに向かって「いただきます」

このくだりもデジャブですね(笑)

今日は激辛スープじゃなさそうだけど。

 

「昨日言えなかったことだけど、私は自分の手でキム・チャンヒョンを捕まえたいの。手伝って。」

固まるイケメン二人。

 

 

~キム・チャンヒョンの潜伏場所~

イライラして、のた打ち回っているチャンヒョン。

 

<誘拐の容疑者を逮捕するために探しています>

指名手配のビラを握り締め、投げ捨てるチャンヒョン。

わき腹が痛むようです。

「畜生!」

 

~ミニョクの秘密基地~

とうとうグクトゥも、ここの一員ね(笑)

「なぜ、お前がやらなきゃならない?」

「みんな 警察にまかせっきり。こんなときは異なるアプローチを取る必要があるわ」

「だけど・・・なんで、お前はそれを、こいつとやろうとしてるんだ?」

「俺もこいつと組むのはいやだ」

「この野郎!」

「野郎?お前、なんて言った?」

「やめて!あなたたちは、今の個人的な感情を忘れることができませんか?もし2人が協力してくれないのなら、私は一人でやります。」

「だめだ!」「だめだ!」

シンクロもここまで来ると、漫才コンビみたい。

 

グクトゥ「よし、てつだってやる。その代わり、一人で行動しちゃだめだ」

ミニョク「最初に、俺と話すべきだろう。その前提の下で手伝ってやる」

ボンスン「そう、わかったわ」

 

ボンスン「ところで、今考えてるのは、キム・チャンヒョンは、いつ私が生きていることを知るのかってこと。そうなったら、彼は間違いなく私を攻撃しようとするでしょう。」

ミニョク「たしかに理にかなっている。彼は強迫観念が異様に強い傾向がある」

グクトゥ「いまや彼を捕まえる情報はいたるところにある。これは、前とは全然違う。彼は自由に行動することができない」

ボンスン「それなら、隠れていられないようにすべきね」

ミニョク「もし、奴を追い詰めたとして、彼に何ができる?」

グクトゥ「密航しようと企てる可能性もある」

ボンスン「密航?」

グクトゥ「容疑者が求める最後の手段だからな。しかし、誰もが彼の顔を知っている。偽造パスポートも作るのは難しいだろう。彼はブローカー経由の貨物船に乗る確立が高い」

ミニョク「密航?ブローカー?俺たちは、より多くの情報が必要だ」

おもむろに、携帯を取り出すミニョク。

「もしもし?アンミンヒョクだ。おじさん、俺に借りがあるよな?」

相手はペク・タクでした。

「ああ、わかった」

 

「最近の密航の先端は何だ?容疑者はおそらく貨物船をねらうはずだ。ビジネスでのブローカーのリストを集めろ。」

「Wolsaギャングのチョ・オンシク覚えてますか?ボスが彼に言えば、何とかするでしょう」

「ト・ボンスとチョ・オンシクだ。なぜ、できる奴らが俺のために働かない?何故だ?」

「そのとおりです」

「俺は、お前らに言ってるんだ!」

「ええ」

「え?」

なに、これなコント?

 

「彼を追い詰めるために何かをしないと」

今度は、ボンスンが電話をする番です」

 

ゲームに夢中の不良くんたち。ボンスンからの電話に気づく。

「御姉様~」

「元気だった?あんたたちのブログ読んでるわよ」

「はい、御姉様」

「あんたたちに頼みがあるの」

「はい。・・・はい。・・・もちろん、従います。」

「「「従います」」」

「じゃあね」

「失礼します」

「「「失礼します」」」

「愛してます」

 

「姉貴はこうおっしゃっている。ブログに、キム・チャンヒョンのモンタージュをアップロードして、子供たちにそれを公開しろと。」

「姉貴が俺たちに、ついに任務を与えてくれたのか?」

「姉貴が俺たちに、直々に任務を与えてくれたんだ」

「そうだ」

「その通り。」

「これが俺たちへの最初のミッションだ」

「はい。」

「俺たちで、奴を捕まえようか?」

「やるぞ!」

「はい!」

「行こう!」「ゴー!」「行こう!」

早速、ブログにアップされるキム・チャンヒョン情報。

「おい、これ、なかなかいいぞ」

「それを拡散しよう」「おお」

「広めろ」「急げ」「はい。」「ワオ」

「よくやった、よくやった」

なんて、かわいい子達でしょう。

 

街では、ペク・タク派が巡回中。

「彼を見たことあるか? 」

「いいえ。」

「こいつ見てないか?」

 

指名手配のビラは、いまやスマホでも随時入ってくる状態。

バス停に現れたキム・チャンヒョン。

「彼じゃない?」

「通報しようか。・・・もしもし?警察ですか?」

逃げだすチャンヒョン。

 

闇の武器屋?

「ユン・ドォクホさん?」

「ああ」

買いたい品名をメモで渡すチャンヒョン。

「高価だよ。」

現金を手渡しする。

「もう2つ以上必要だよ」

 

奥から、ケースごと抱えてくる。

中を確認するチャンヒョン。

「弾丸は内部にあるよ。ロシア製だ。KGBが使用してた」

大型のライフル銃を構える。

出て行くと、すぐに連絡を入れる店主。

「おい。ペク・タク派の奴らが、たしか男を探してたよな?指名手配犯か?そいつが今来て、帰って行ったぞ」

 

「はい。本当に?・・・はい。」

電話を切るアガリ。

「ボス、クァンボクの奴、ソウルに戻って来るのは無理そうです」

「何故だ?」

「実家に戻って療養してたんですが、退屈だったんで歩き回ってたら、誤ってハチの巣に触れて、全身刺されたらしいです。主に唇に」

「あいつは、前世で国を裏切ったのか?なぜ彼はとても不運なんだ?」

「彼は本当に不運です。」

 

「ボス。チョ・オンシクから電話です。」

「チョ・オンシクか。出ろ!」

「・・・何?わかった。」

「なぜ、叫んだ?彼らは彼を見つけたのか?」

「リストには6人の男性がいるそうです。その中の最年少の男が一人だけ、15日を予定していて入金済みらしいです。それが彼だと思われます。」

「じゃ、もっと詳しく説明させろ」

「問題は、その野郎が、ユン・ドォクホのところで、銃を買い求めたことです。」

「銃?」

「長い奴です。」

「ライフルか。急げ。急いで、電話しろ」

 

電話を受けるミニョク

「もしもし?」

「俺だ。15日午後11時に、山東省行きの貨物船だ。そいつは、狙撃用ライフルを買ったことが判明した。」

 

コンビニの店員、ゲーム中に、キム・チャンヒョンの指名手配ポップアップが出てくる。

立ち寄ったコンビニで、すばやく商品を選ぶとレジに急ぐ。

「いらっしゃいませ。袋をご希望ですか?」

ゲーム機の下に置かれた指名手配犯のビラ。

店員と目が合い、買わずに逃げ出すチャンヒョン。

 

「ただ報告するだけなら、報酬はいくらかと聞いています」

「いたずらじゃないのか?」

「はい。我々もCCTVを確認し、彼のように見えました。」

「・・・・よし」

ゴン秘書からの連絡を受けるミニョク。

 

「奴は松島にあるコンビニエンスストアに現れたぞ」

「彼は、すでにその地区まで来てるのね」

「情報は正しかった。奴は密航するつもりだ」

「私は、彼がそれだけで済ませるとは思えないわ」

「ああ、そのとおりだ。彼が買った銃はスナイパーライフルだ。奴は去る前に、ボンスンを撃ってから逃亡するつもりなのは確かだ。おそらく、狙撃しやすい場所にボンスンを呼び出すつもりだろう。」

「彼を捕まえやすい場所に呼び出す必要があるのね。そうすれば、彼を捕まえることができる」

「だんだん、より怖いもの知らずになってきたな?」

ボンスンの暴走が心配で仕方ないミニョク。

「心配しないで。ちゃんとやるわ。私は、ト・ボンスンよ」

「ああ、そうだ。お前はト・ボンスンで、ワンダーウーマンじゃないんだ。銃が恐くないのか?」

 

「ボンスナ・・・」

「うん?」

ちょっと言いにくそうなグクトゥ。グクトゥもできれば、ボンスンにこんなことさせたくないから。すこし前のグクトゥからは考えられない。

「もし、奴から連絡があったら、奴のプライドを傷つけてみろ。奴は女性を下に見てる場合、そうとう頭にくるはずだ。我々が好む場所を提案するには、それしかない。それから、できるだけ会話を引き伸ばせ。奴を怒らせるんだ。」

「うん。わかった。」

ミニョクを見るグクトゥ。あとへは引けない3人。

 

~強力3班~

「グクトゥからの情報によると、仁川港で貨物船に乗る可能性が高い。15日午後11時に山東省に向かう。」

港全体の地図を見ながら、説明する班長。

「彼の仮定密航ルートは、この貿易港だ。」

キム・チャンヒョンを捕まえる最後のチャンスだと誰もがわかっている。

 

 

~トボンナッツ~

「どうやって、この近所にもあるみたいなのを販売しないの?しかも安くないし。卵の生臭い匂いが、エッグタルトから強すぎよ。」

「それは、とっても新鮮な証拠なんですよ。もちろん、エッグタルトは、卵のようなにおいがしますよ。他に、どんな匂いでしょうか? 」

「とにかく、払戻ししてちょうだい」

「あら、お客様、12枚のうちの4枚を食べてますね。それなのに、払い戻しをしたいですか?どのようにあなたはそれを求めるんでしょう?」

「べつに気にしないわ。払戻ししてちょうだい。こんなまずいタルトを食べてとても大変だった」

「まずい・・・ですって?」

「ええ、まずかったわ」

 

「もうやめなさいよ。払戻ししてやったらいいわ。いくらなの?」

「50ドルよ、それぞれ。」

「私が出そうか」

ゴネ客に腹を立ててるオンマチングが自分の財布を取り出します。

「計算するから、待ってて」

止めようとするオンマ。

 

「私は、彼女にそんなことさせられません。あなたは以前にも、こんなことを?常習なの?」

「何ですって?」

「これは見過ごせないわ」

 

大揉めに揉めているところにミニョク登場。

人が変わったように、払い戻しに応じて、お世辞を言いながらさっさと店から追い出すオンマ(笑)

 

「こんにちは、アン代表」

「こんにちは。お母様」

「ボンスンですか?」

「いえ、ちょうど彼女を送ってきたので、すこしご挨拶に寄りました」」

「まぁ、私に?」

「ねぇ、“お母様”と言ってたかしら?すばらしいわ。」

「ホントに」

「私は、ボンスンオンンマの友人です。」

 

「アン代表、ちょっとだけお時間いいかしら?こちらにどうぞ」

飲み物を勧めるオンマ。

 

「実は、ご主人が無事に戻れるよう、お手伝いできることがあれば・・と」

ミニョクいきない本題。

「ええ?」

「ボンスンがとても心配してるので・・・」

チングたちも、ほら、そうでしょ、って顔でオンマを見てます。

「ああ・・ええっと、それはですね、私、彼にいくつかの独立性を与えたんですよ」

「あははは、独立性」

茶化してるのか、同調してるのか、困ったアジュンマたち。

「私たちはお互いに思い合ってます。時折、ちょっと距離を置くのがいいのね」

「たしかに必要ね」

「そのとおり」

「あまりにも多くの情熱は健康的とはいえません。それは火をつけるだけ」

タジタジのミニョク。

 

「ところで、アン代表。あなたに聞きたいことがあったんです。誕生の日付と時刻は?」

「なぜ、そんなことをお尋ねに? お母様」

「それはその・・・おほほほほ」

一緒になって笑い出すミニョク。

「もしかして、私とボンスンの相性運勢を調べようと?」

「まぁ、必ずしも、それだけっていうことじゃないんですよ」

「どんどんやってください。結果も教えてください。結果が良くなかったら・・」

「良くなかったら?」

オンマたち、固唾を呑んでミニョクの言葉を待ちます。

「本当に相性がいい、最高だって聞けるまで、町のすべての占い師を訪問しつづけてください」

「やった! - やった!」

ミニョクも一緒になって、大喜びの一同。

「パーフェクト」「見た?彼はまさに、私の理想のタイプよ」

「私も、自分自身に興味があるんですよ」

「そうなの?あ、でも、あなたの誕生日を公開したりしないし、その後についても、いろいろと話し合ってもいいかしら?」

「もちろん」

「なんて素敵」

「コーヒーおかわりね」

 

~ボンスン自室~

ちゃんと、日記をつけるようになったボンスン。

「私、ト・ボンスンは、3人の女性と私の友人ギョンシムを、自分の力で救出。今回は、私が加害者を、私自身の手で責任をもって捕まえます」

 

 

~翌日~

出勤してきたボンスンの後姿を見つめるキム・チャンヒョン。

ジーナに挨拶をしていると、電話がかかってくる。

「もしもし?」

「よく生きてたな。」

「キム・チャンヒョン?どこなの?」

「好奇心が強いな」

「私たち会うべきだと思わない?」

「どうして?今、あんたはあんたの強さを取り戻したらしいが、俺を捕まえるつもりか?」

「私みたいな女から逃げ回るあなたみたいな臆病者のことなんて考えたこともないわ」

「なぜ、俺が女を怖がるんだ?」

「怖がってるでしょ。私の敵じゃないもの」

「お前の敵じゃないだと?」

「私たちが出会った建設現場を覚えていますか?今夜、そこでを待っています。」

ボンスンに一方的に切られて、相当立腹気味のキム・チャンヒョン。

グクトゥのアドヴァイスが効きました。 

 

「今夜になったの」

驚くミニョク。

「心配しないでください。もうケガしたりしません。」

冷静になろう、なろうとするミニョク。

「わかった。でも、あまりにも時間がない。俺が、恋人の特殊な状況を受け入れ、理解するのには、時間を必要なんだ」

ミニョクの手を握り、

「私を見て。ん?心配しないでください。何も私には起こりません。」

と言われても、なかなか即答できないミニョク。

「わかった・・・」

暗い表情で、仕方なく頷くしかない。

 

金や銃を準備し、隠れ家をあとにするキム・チャンヒョン。

 

「キム・チャンヒョン、今夜こそ捕まえてやる」

グレーのパーカーを着て、決意するボンスン。

 

「俺の声が聞こえるか?」

「ああ」「ええ」

インカムで連絡を取り合う3人。

「キム・チャンヒョンは隠れた位置から狙撃するためにねらってるはずだ。気をつけろ」

 

<キム・チャンヒョン、臆病者のように隠れていないで出てきなさい。しっかり決着をつけましょう>

周囲を見回すボンスン。

 

キム・チャンヒョンの狙撃場所から、ボンスンの姿は丸見え。

緊張するミニョク。

 

銃声が轟き、ボンスンの身体が反動で吹っ飛ぶ。

仰向けに倒れるボンスン。

チャンヒョンの姿を捉えたグクトゥ。

「奴は、右側の屋上だ」

 

ボンスンに駆け寄るミニョク。

「ボンスナ!ボンスナ!大丈夫か? ボンスナ!」

 

チャンヒョンを追うグクトゥ。

 

「イン・グクトゥ。まずチャンヒョンを追ってくれ。彼が、どこに行くのかは

俺がわかる。奴は(密航の)日付を変更した。仁川港で今夜出港だ」

「わかった」

 

仁川港に到着したキム・チャンヒョン。

 

「おい、キム・チャンヒョン。」

グクトゥにかばんを投げつけ、逃げるチャンヒョン。

上空からは、ミニョクのドローンが、俯瞰で、逃げるチャンヒョンの様子を把握。

「左側50メートル先のコンテナだ」

「右に曲がったぞ」

「そこから右に向かえ」

「だめだ、そっちは行き止まりだ」

グクトゥを誘導しながら、チャンヒョンをある場所に追い詰める。

 

「よし、そこだ」

「OK」

前後のコンテナが動き、挟み撃ちになるキム・チャンヒョン。

コンテナの上から、見下ろすボンスン。

「お前は・・・撃たれて倒れたのを見たぞ」

 

「私は、やるべきことはちゃんとやるタイプなの」

 

昼間、ミニョクから防弾ベストを渡されていたボンスン。

「この防弾ベストは、刃物の材料を細分して作られてる。何もそれを通過することはできない」

 

撃たれたボンスンにミニョクが駆け寄ったときも、防弾ベストに弾がくい込んだだけで、ボンスンは元気。

「これ、ちゃんと機能しましたね」

「おかしくなったのか。それよりよかった・・・グクトゥ、ボンスンは無事だ」

「早く行って」

「このおてんばめ」

 

ポケットから、くるみを取り出し、チャンヒョンに投げつける。

命中すると煙をあげて粉々に砕けるくるみ。

 

「あんたは、私の敵じゃないって言ったでしょ。」

 

後ずさりしながら、唯一、開いていた方向にすすむと、グクトゥとミニョクが待ち構えてました。

「おお、来たか」

もうあとは見守るだけの二人。

 

「キム・チャンヒョン」

鋼鉄の檻を放り上げ、チャンヒョンを捕獲したボンスン。

「ナイスショット!」

いくら、押しても何をしてもビクともしない、

 

<キム・チャンヒョン、懲役刑はきっとこんな感じにちがいない。あんたはあんたの残りの人生のために、それに慣れる必要がある>

 

「おい!」

後ろに聞えるパトカーのサイレン。

 

ボンスンを先頭に、グクトゥ、ミニョクのスリーショット。

 

★第16話(最終回)に続く★

そうです。

ずっとリビングから見えていたグランドピアノ。

やっと出番です。

ボンスンをピアノの天板に座らせるなんて。

ピアノ習ってたわたしにすれば、なんたる背徳(笑)

 

キム・チャンヒョン包囲網がすごかったですね。

結局、この事件ひとつで、最終回まで絡む「大事件」でした。

 

最後の見せ場・・・時間不足もあったかもしれないですが、ときどき「?」な場面もあり、残念なところもありましたが、逆に、無駄な部分を撮ってる時間すらなかったのかも。

 

さて、残すところは最終回のみ。完走できそうで、ほっとしてます。