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■ 第7話(2)
~バスに乗るミニョクとボンスン~
「もうしばらくバスには乗ってないな。でも、バスにのるたびに思い出す人がいるんだ。8年くらい前かな。母さんの墓参りに、バスに乗ってた。バスが、山道を猛スピードで急降下しはじめ、橋から落ちそうになったことがあったんだ。そのとき、誰かが奇跡的に救ってくれた。俺は、母が天国から送ってくれた天使だと思った・・・」
ミニョクを見つめるボンスン。
ボンスンも思い出したのかな、その時のことを。
そこへ電話が・・・。
「あ、すみません。もしもし・・・おばあちゃん。今、帰るところよ。うん、私も会いたかった~うん、わかったわ~」
電話を切るボンスン。
「“わかったわ~”」
ボンスンの声真似をするミニョク。
「おばあちゃんか?」
「ええ、会いにきたみたいです。 ああ、そうだ。社長様、私、開発・企画チームで働けますよね?」
「何言ってんだ? まず、研修を終わらせる必要があるだろう?」
「え? 約束したじゃないですか? どのくらい研修しなきゃいけないんですか?」
「お前が、完全に自分をコントロールして、一般人に溶け込み、襲い掛かる脅威やあらゆる種類の危険から防げるようになるまで。お前の攻撃力と防御力が完璧な最高水準に到達したらだ」
「約束」
「約束」
指切りをする二人。満足げなミニョクに比べて、ボンスンは不満そう。
「本当は、今日は、あなたのそばにいるつもりでした。でも、おばあちゃんに会いたいし・・・。社長様、一人で大丈夫ですか?」
「誰が誰の心配だ・・・。わかったよ。俺たちは、両方の家に行く必要があるな。俺も、自分の実家に行くよ。彼にも会わないとな。」
「うわ~ぉ、かっこいい~!」
「なんだよ、馬鹿みたいに」
「社長様 元気だしてくださいね。世間があなたに冷たくしても、”ああ、またか”って吹き飛ばして笑わなきゃ、ね?」
思わず笑ってしまうミニョク。
「わかったよ。・・・じゃ、お前も、今後は、トボン洞の路上を一人であるいちゃだめだぞ!」
「は~い。わかりましたよ~。社長も、悲しいことがあっても、一人で泣いちゃだめですよ、はい、約束・・・スタンプも!」
また、指切りをする二人。
~公園を散歩するボンスンオンマとハルモニ~
「オンマ、ねぇ、正直に言ってよ。どのくらい持ってるの?」
「なんで、そんなこと知りたいんだい?」
「教えてよ」
「まったく、この子は・・・」
母「あら、アンソバン(義理の息子)だわ。」
祖母「なんだって?」
母「ボンスナ~」
ボンスンを送ってきたミニョク。
ボンスン「おばあちゃん」
祖母「ボンスナ~」
ボンスン「ママ、ただいま。」
おばあちゃんの腕をつかみ、離れたところに立っているミニョクのほうを示す。
母「オンマ、私は、あそこの彼を絶対 うちの者にしてみせるからね」
祖母「うちの者? どういう意味だい?」
母「うちの婿よ。彼、とってもイケメンでしょ? ああ、誘拐でもして、うちに連れてきたいくらいよ」
うんざりするボンスン。
祖母「アイゴ~、ホントにイケメンだねぇ。彼が アンソバンなのかい?」
母「そうよ」
ボンスン「ちょっと、ママ、おばあちゃんも・・(なにいってんの!)」
近づいてきたミニョクに紹介するボンスン。
ボンスン「あ、私の祖母です。」
ミニョク「こんばんは。私は、ボンスンさんと同じ会社で働いております アン・ミニョクと申します」
祖母「ああ、そうなのかい。アンソバンだね!」
ボンスンもミニョクもびっくり! 後ろから、母の背中をたたくボンスン。
苦笑するミニョク。
いたたまれないボンスン。
大丈夫、ミニョクの家でも、孫は二人って宣言して、似たような展開だから(笑)
「おやすみなさい」
帰っていくミニョクを見送る女3人。
母「ね、イケメンでしょ」
ボンスン「オンマ! アンソバンって何よ。 明日からどういう顔して会社に行けばいいのよ」
祖母「大丈夫、うまくいくよ」とおばあちゃん。
ボンスン「全部、オンマのせいだからね。」
母「ねぇ、本当に彼と寝たんでしょうね?」
ボンスン「オンマ! 本気で怒るわよ。私がもっと若かった頃は、“男はみんなオオカミだから、信用するな。手も握るな”ってオンマが言ったのよ。今頃になって、こんなふうに言われても、どうすればいいのよ。もっと学生の頃に言ってよ。なんで、今更こんなこと言うの? 何をさせたいのよ」
母「そのときがきたら、自由にさせるつもりだったの。そして、その時が来たのよ。彼よ。彼に、あなたが今まで大事にしてきたものを全部捧げるのよ」
祖母「母親が娘になんてことを言うんだよ。あっちで、いいことをおしえてやろう」
ボンスン「ほんと? おばあちゃん」
~強力3課~
「どうぞ、お茶でもお飲みください」
薬局の女性のお母さんです。
「21日、私の娘は、早朝の祈祷会に出かけたんです。彼女はいつも 4時半ころ、家を出ます。でも、私は、最近、このあたりが物騒だから、家でお祈りをするように言ったんです。そう言ったのに、でも・・・」
泣き出すお母さん。
~公園のベンチ~
祖母「女がこの世に生をうけたとき、その子は誰かの娘で、大きくなると誰かの妻になる。そして、その妻は、神様からの祝福をうけ、娘を産む。それから母になるんだ」
ボンスンママの手を握るハルモニ。
「それで、母親が娘を産むのね。そして、その娘が結婚すると、その母親は、祖母になる」
「そのあと、祖母は死ぬと塵になって戻っていく。」
「娘の娘が母親になると、その娘が祖母になるのね」
「そのとおりだ。そうやって、家族のなかで、女性は生きていくんだよ。私たちは、私たちの娘にこの力を受け継がせるという運命をもっている。わたしたちは、まさに 神様の意志のもと、生かされてるんだよ」
「おばあちゃん、私、ずっと不思議だったの。先祖代々つけつがれてきたこの怪力は、お母さんみたいに、突然、その力を取り上げられりするの? どうして、(二度と)戻ってこないの?」
「さあ、どうなんだろうね。それすらも、神の意志なんだろうねぇ。」
「私もいろいろやってみたけれど、それは無駄ではなかったわ。わたしは、今のままでもいいの。私の力は、全部、あんたに受け継がれたもの。だから、大丈夫よ。ボンスン、あなたにも、娘を産んでほしいわ。」
<私は、グクトゥを見ながら、よくこんなことを夢見てた。中学生だったか、高校生だったか覚えてないけど。グクトゥと結婚し、3人の息子を持つのが夢だった。夢は叶わないかもしれないけど、私は、自分のような女の子を産むのが嫌だったから。でも、今はそれが、そんなに悪いことでもないように思えるの>
~アン家の本宅~
2番目の兄と一緒に遊んだ部屋にやってくるミニョク。
兄との思い出が詰まっている。
「俺が大好きなおもちゃだけど、やるよ。」
そのときのおもちゃをまだ、大切にもっていたミニョク。
ため息をつく。
二番目の兄を庭に呼び出したミニョク。
「兄さんだったのが 救いかもしれない」
「すまなかった」
「最初は、捕まえたら、そいつを殺してやると思ってました。でも、子供の頃と同じだった。エアガンで威嚇し、電話で脅かした。最初は信じられなかった。会社を継ぎたいと考えている人間が、そんなことをするなんて」
「俺は、いつもお前が心配だった。俺がいつも守ってやっていた。俺の記憶のなかでは、いつも怖がって震えている少年だったころのミニョクの姿しかないんだ。 お前は怖がらせれば、そこで止める。 俺はただ、お前を怖がらせようとしただけなんだ。」
そんな程度のことだったんだろう、と、なんども 小刻みに頷くミニョク。
二人の様子を見ているアボジ。
「誰にも言うつもりはないよ。小さな頃から よくしてくれたから、このままでいたいんだ。でも、これ以上はだめだ。もし二度としたら、俺は許さない。本気だ・・・」
「すまなかった」
複雑な思いで、じっと、兄を見つめるミニョク。
本当にそれだけだったのかな?って考えるのは、うがちすぎ?
~翌朝 ミニョクの寝室~
(久しぶりに)すっきりとした気分で目覚めたミニョク。
~ボンスンの家の洗面台~
歯を磨いているボンスン。
ためしに、シャンプーのボトルの押し手をつまんでみると、それだけで簡単に折ってしまう。
「これはなんだ? おい、ヨチーム長。これはな、連続殺人だぞ! お前が、隠れて捜査をやっても、記者に見つかるとは思わなかったのか? 俺は、2班と捜査するように言ったはずだぞ。 お前は自分たちの始末を考えておけよ。」
「申し訳ありません。ですが・・・」
「もうすでに犠牲者が3人も出てるんだぞ。」
「我々も管轄内をくまなく捜査していますが、誰も目撃証人と一致しないのです」
「こんなに時間をかけた挙句、なにやってたんだよ! 上に呼ばれて、どう報告すればいいんだ? どけよ」
班長が 上長に蹴り飛ばされてる。
「必ずや、つかまえます。 忠誠!」
鉄柵に、頭をつける班長。
~トボン高校前~
「お姉さま おはようございます。」
ボンスンに気づいた不良たちが、ボンスンのもとに駆け寄ってきました。
「あんたたち、学校はどうしたの?」
「どういう意味ですか? 今、学校から出てきたばかりですよ」
「え?」
「それを“ずる休み”って言います」
「学校をさぼったの?」
「そのとおりです ヌナ」
「今すぐ、戻りなさい。」
「そんな~~、俺たち、学校にいても、することがありません」
「そう、じゃ、これから 私もあんたたちのことは面倒見る必要ないわね。それってどういうことになるのかしらね。さ、戻るの? それとも・・」
「戻ります!」「戻ります!」
「早く行きなさい。」
不良たちに命令する姿を おばちゃんに見られるボンスン。
~トレーニングジム~
「さぁ、これに上れ。ロープを切るなよ」
「はい」
「よし、いけ!」
腕の力だけで、スルスルと登っていくボンスン。
「天井につきましたけど、どうすればいいですか? 降りてもいいですか?」
「降りてこい」
軽々と降りてくるボンスン。
「次は、力だな。お前の力をコントロールする方法を身に付ければ、最大限いかすことだってできるだろう。お前にはまだまだやることがある。これからは、力を制御することに焦点をあてよう。いいか?」
「はい・・」
「大きな声で」
「はい!」
ボクシングスペースにきました(笑)
「お前自身がお前の力を制御できてこそ、お前の力はお前のものになったってことだろう?わかったか?」
「はい」
「こっちにこい」
「え?」
サンドバッグに向かって、打ち込む真似をする。
「こいつが向かって、こぶしを当ててみろ」
「これを?」
「そうだ?リラックスして、そうだな、そのあたりからまっすぐ打ってみろ」
サンドバックに向かうボンスン。
軽く宛てただけなのに、中身がボロボロ。。。立ちすくみ、固まるミニョク。
「あああああ、どうしましょう。 ごめんなさい」
そういってるそばから、ボロボロ落ちる中身。
・・・へぇ、サンドバックってあんなの入ってるんだ(笑)
「気にするな」
無表情で答えたものの、一応、確認してみるミニョク。
「全力で、打ったわけじゃないよな? 軽く触っただけだよな?」
「今度は、俺がおさえてるから、か~るくタッチするくらいでいい。ゆっくり・・・やさ~しく」
「やさ~しく・・・」
トンと当てるだけで、ズボっと、めりこむボンスンの拳。
反対側をおさえていたミニョクは、それに気づかない(笑)
「ほら、できただろ?」
と、反対側をみて、完全にサンドバッグにめり込んだボンスンの腕を言葉を失うミニョク。
ボンスンが腕を引き抜くと、またもや、中身がボロボロっとこぼれ出す。
隣のサンドバッグと一緒になって、押えても押えても、ボロボロボロボロ・・・(笑)
スパーリングをする二人。
「よし、ワンツー、ワンツー、そうだ」
お、今度はいい調子。
「ワンツー、ワンツー」
あ、当たっちゃった。
ふっとぶミニョク。
「力をコントロールしろって言っただろ?」
「はい」
「手を貸してみろ。今度は、お前の手をしっかり押さえ込むから、お前は、その力を制御しながら、それをほどいてみるんだ。どうだ、やれるか?」
「はい」
「じゃ、ゆっくりと、そう、そんなふうに・・」
押さえているミニョクの手から、自分の手を抜き取るボンスン。
「できた!」
嬉しそうに、自分の腕を曲げ伸ばしするボンスン。
そのとき、一瞬の隙をついて、後ろから羽交い絞めするミニョク。
ちょっとドキっとするボンスン。
「変なこと考えるなよ。これは、ただのトレーニングだ。 俺を傷付けることなく、抜け出してみろ」
「傷付けないように?」
「そうだ、それが 一番重要だ」
「こうやって?」
「違う、そうじゃない」
くねくね身体をよじるボンスン。
「こんなふうに?」
「おい、それ、やめろって」
「こう?」「やめろったら」
「こう?」
結局、ミニョクの腕をねじりあげるボンスン。
「痛くないですか? 油断禁物ですよ」
今度もまた、隙をつき、ボンスンの足をとり、馬乗りになり、抑え込むミニョク。
見つめあう、この体制。
くぅ~~~。
「ちょっとだけ、このままでいろ」
「え・・はい」
このボンスンの戸惑いと、切なさの入り混じったような表情!
「(このことは)誰にも知られないようにしよう」
「なんのこと?」
「お前の力・・・と 俺たち」
「私たちって 何を?」
視線をそらすミニョク。
「俺たちが、こんなふうに訓練していること」
立ち上がるミニョク。
しばらく起き上がれず・・・ようやく背中を起こすボンスン。
「よし、最終段階だ。これは 厳しい集中力と、完璧な力を必要とするテストだ。準備しろ」
微妙な空気感のただよう二人
え?最終段階が碁石とばし?
失敗するミニョク。
乗り物も弱かったし・・・ダーツもダメだったし、そういうキャラ設定?
「お前の番だ」
「いきますよ」
「あ!」
恐る恐る後ろを振り返るミニョク。
ミニョクの後ろの家具に突き刺さる碁石。
「お前、全力でやってないだろうな?」
「深呼吸してみろ。3割の力を抜け」
もう一度、打つ体制をとるボンスン
「おい、俺にむかってやるなよ。俺に打ち込む気か? そんなに殺したいか? これを こっち側からねらえばいい、とは考えないのか?」
「わかりました。移動します」
「よし、3割減を忘れるなよ」
狙いを定めるボンスン。
ガシャ~ン!
大画面テレビが おしゃかに!
「ああ・・ああ・・」
頭を抱えるミニョク。
高かっただろうにねぇ(笑)
でも、自分で言ったんだよね。こっちからやれって。。。
ちょうど、画面が、急病人を救うシーンで、救急車のサイレン付なのが、GoodJob!
5割引きだ。
もう一回。
9割引き!
盤上で停止する碁石。
「やった!!!」
「できた!!」
「アインソフト 企画部入社おめでとう!」
「うわ~~やったぁ!!」
あまりの嬉しさに、碁盤をたたきつぶす。
「だめだ! 撤回する。」
「そんなのだめです。。。ちゃんと話し合いましょうよ」
歯を4本も失ったキム・クァンボク氏の退院のようです。
ペク・タクも病室にやってきました。
あわてて、挨拶をしようとベッドを降りるクァンボク。
しびんが倒れて、尿びたしの床。
「なんだよ、これ」
「彼のお○○○です」
「早く拭けよ」
ほんと、下品なコメディを担ってくれてます。
「これから、どうするつもりだ」
「復讐してやります」
差し歯が落ちても、洗わずに、そのまま口に戻すクァンボクに呆れかえるヤクザのみなさん。
「入院したあいつらはどこだ」
「便利なように、右隣の部屋にさせました。」
「ご案内いたします」
律儀なクァンボク。押し車で、ボスについて行こうとする。
「来るな。ここにいろ」
おばあちゃんにやられた3人組も、ミニョクの家に忍び込んだ2人組みも、ここに入院中。とくに、あの2人組は、お札の力で、一緒のベッドで、イチャイチャしながら、ラブラブ(笑)
周囲は、殴られたショックで、おかしくなったことになってます。
賢かったはずなのに、九九の4の段以降が言えないって(笑)
~占い師の館~
アジュンマ3人組がまた、来ています。再開発については、土地の所有者を味方につけて、だいぶ優勢にはなっているようですが、役所はどちらかというと建設を推奨。とにかくこの計画の黒幕を見つけ出したいオンマたちです。
さて、見てみようかな。
お金を要求する占い師。
渋々ながら、お金をだすボンスンオンマ。
「お前の祖母だ。」
つまり、ボンスンのひいおばあさんに乗り移られた占い師。
どうやら、日本軍に、石を投げつけて、たたかった女性のようです。
「おまえがどんなに強くても、彼を操ることはできぬ」
~占いの館からの帰り道~
「なんか、目つきがこわかったわよね」
「本当に怖かったわ。いったい、誰が乗り移ってたの?」
「なんだか、(憑依してたのは)女性兵士みたいなこと言ってなかった?」
ため息をつくボンスンオンマ。
「なによ、ため息なんかついて」
占い師の言ってたことが本当なのを知ってるのは、オンマだけだものね。
「そういえば、今朝、ボンスンを見たわ。 高校生たちが ボンスンに90度のお辞儀をしてたけど、」
「あら?」
「どういう意味?」
「なんだか、やくざの親分にするような挨拶みたいだったわよ」
~ショッピング中のボンスン~
そういえば、朝、シャンプーボトルを壊したんだった(笑)
「これは、有機シャンプー、こっちは、アロマテラピー・・・う~んいい匂い。すみません、これを2つずつください。」
~ボンスン自宅~
部屋に戻ると、おばあちゃんから、手紙とお小遣いが・・・。微笑みながらも、ちょっと 寂しくなるボンスン。
「ボンスナ~、どこにいるの?」
階下で、オンマの金切声が響き渡ります。
「うわ~、今度はなによ」
「今、何時?」
「やぁ、あんた、高校生たちに、カツアゲでもしてんの? スヨンオンマが、あんたを今朝見たって。 なんで、ボンギみたいにできないの? ろくなことしないんだから。 トラブルばっかり起こして」
「どういう意味? 子供たちからお金をいつ取ったの? 盗ったところでも見たの? 何もしらないくせに、なんで、いつも私が間違ってるってきめつけて、ぶつの? 私が痛みを感じないとでも思ってるの? 私だって痛いのよ。そりゃ、普通の人みたいには感じないけど、心は痛いのよ。他の人より力は強いかもしれないけど、心は10倍も20倍も傷ついてるの。わかってる? オンマは、なんで、いつもボンギばっかり可愛がるの? ボンギには牛肉、私には鶏肉。おいしいものは、いつもボンギにあげて、私には少し痛んだ果物でも平気で、ボンギには新鮮なものをあげるでしょ。ずっとそうだった。私は、こんなこと目にあうために生まれてきたの? なんで、私を嫌うの? なんで、私にだけ、そうなの? 私もオンマの子供なのに、なんで、同じようにしてくれないの? オンマだっておんなじ女性じゃない。なんで、私にだけ、そうなの?」
泣きじゃくり、2階にあがっていくボンスン。
靴屋で、デザインシューズの購入者をあらうグクトゥたち。
「我々は、これを 店舗とネットで販売しています。店舗では、誰に販売したかの管理までは行っていません。ネットでの購入者でしたら、リストがあります」
「29センチ以上のタイプは特殊なサイズですから、少数ですが、発売以来、3件ほどありますね」
「ご協力感謝します」
「リストは、お送りします」
署に報告を入れる係長。
「いますぐ、確認できるか?」
リストの購入者を1件ずつあたっていく二人。
台所に降りてきたボンスン。
お鍋から、スープを水筒にいれてます。
「それ、どうするの?」
「ギョンシムと ボンギのところに届けてくる。なんだか、このところ、ちゃんと食べてないみたいだから」
牛骨スープだと思われます。これ、韓国ドラマでは、よくおなじみの、手間のかかる愛情を示す代表的なスープです。違ってたらすみません。。。
~病院のロビー:ボンギとヒジ~
「私、ボンギさんが好きなんです」
しばらく無言のボンギ。
きっと、いろいろ考えているのね。
「僕とグクトゥは、友人なんですよ。これは正しいことだとは思えません。」
「わかってます。だから、本当に一杯考えました。でも、私は、私の心の声にそむくことはできなかったんです」
「僕には、双子の姉がいます」
「それも知ってます」
「姉は、ずっと長いこと、グクトゥに片思いしてきたんです」
ああ、やっぱりね、的な表情に見えてしまうのは、気のせい?
彼らの背後で、聞いてしまうボンスン。
「ボンギ・・・」
声をかけるボンスン。
「姉さん・・」
慌て気味に、たちあがるボンギ。
「そろそろ失礼します。また、お会いしましょう」
「わかりました」
ボンスンが、ヒジを引き止める。
「ちょっと待って下さい。すこしいいですか? あなたたち2人。何してたの? ヒジさんは、グクトゥと付き合ってるんですよね? 私は、グクトゥの友人で、ボンギの姉だから、お話ししてるんです。人を愛してしまうとき、選べないこともわかります。でも、なぜ、傷つく人のことを考えないんですか? 感情が複雑なのはわかりますが、コントロールできませんか?」
ボンギにむきなおり、注意を与える。
「あんたも、こんなことしちゃだめよ。なんで、彼氏のいる人と会うの? そんなことをするから、彼女も混乱するのよ」
スープの入った水筒を渡す。
「オンマに頼まれたの。 わかってるわよ。私が今してることは、完全に逸脱してることだって。 乗り越えなければならないことがあるってこともわかってる。 だからって、人の心を傷付けていいとは思えない。グクトゥの心を壊さないでください。それから、 私の弟も惑わせないでください。失礼します」
~劇場~
購入者リストの男たちを追うグクトゥたち。
「彼は、演劇俳優のようです。」
『青髭と7人の花嫁』
犯人のアジトそっくりのシチュエーション。
え? 7人? 犠牲者って 7人まで膨らむの?
客席に座り、劇を熱心に見ているグクトゥと、飽き飽きしている係長。
うわ~~犯人がグクトゥたちのすぐ後ろに・・・。
この芝居を模倣しているってこと?
「ここで、紛失したんです。自分の楽屋を持っている俳優以外は、みんなここを使いますから」
「お手数ですが、 署にきて証言していただけますか?」
「もしかして、私は 疑われているんですか? 芝居は今月末で終了なんです。比較的、午前中であれば、自由になりますから、伺いますよ」
「あなたは、通常、夜、お芝居をされてるんですね」
「ええ、ほとんどの役者は昼間は他で働いてますけど、週末は、昼と夜の公演です。平日は夜ですね」
「12日の夜は?」
「ショーに出てたと思いますよ」
「彼の出演日は、犯罪の日付と一致するな。彼は、犯人じゃないな」
「まだ、確実なことは言えませんが、とにかく、ト・ボンスンに 彼の声の録音ファイルを送って、確認してもらいます」
「よし、しかし、なんで、ここには、CCTVがついてないんだ? 奴は、CCTVの会社ででも働いてるのか? ない場所をよく知ってやがる」
~ハンセ大学病院~
ギョンシムの病室の前には、刑事が二人 張り込んでいます。
廊下に置かれたゴミ箱が突然、爆音とともに発火。
「火事だ~」
刑事や看護師たちが消火している間に、医師に扮した犯人が、ギョンシムの病室に忍び込む。
ちょうど、その後ろから、病室に戻ってきたボンスン。
犯人が注射器を取り出し、ギョンシムの腕をまくる。
「注射なら、さきほどしたはずですよ」
男に近寄るボンスン。
「彼女に何をしようとしてるんですか?」
無言で、ボンスンを睨む犯人。
「あんた、医者じゃないでしょ」
そのとおり・・今日は、黒縁のメガネをかけていませんが、犯人です。
逃げ出す犯人。
廊下にでて、刑事たちに叫ぶボンスン。
「犯人です。犯人が現れました。来てください」
追いかけるものの、すんでのところで、逃げられてしまう。
見張りをしていた刑事たちを怒鳴りつける班長。
「お前ら、何考えてんだ? 俺は怖くてたまらんよ。 一度ならずも二度までも。同じ病院で!!! お前ら、こんなこと、上が聞いたら、俺たち全員首だぞ。 辞表用意しておけよ。おい、みんなで行商でもするか? 本当にそうするか?」
ギョンシムの病室内では、グクトゥがボンスンに怒ってます。
「おい、ト・ボンスン!! なんで、お前が犯人を追いかけたんだ。捕まえようとでも思ったのか? おまえ 馬鹿か?」
「なぜ、 私のことを怒るの? 私の心配なんかしないで、自分自身のことを心配したら?あんたの彼女をなんとかしなさいよ」
「ねぇ、犯人は私の部屋に入ってきたのよ。あんたたちは私の心配をしないで、なんで、お互い喧嘩してんのよ?」
文句を言うギョンシム。
「ボンスナ、もう家に帰って。仕事があるでしょ」
「彼らは、外出してるからいいのよ」
「アン代表のところにいるんじゃないのか?」
「ちがうの、おばあちゃんが来たから・・・」
「おい、なんで、言うことを聞かないんだ。俺は、アン代表の家にいろって言ったはずだぞ。アン代表のところに行けって、お前に言うのに、どれだけ苦渋の決断だったか、わかるか?」
「もうやめなさいよ。あんたたち、二人とも、お互いを責めてるだけじゃない」
「家に帰ろう。送っていく」
「結構よ。一人で帰れるから」
「おい、ボンスン、待てったら」
~トボンナッツ~
夜、トボンナッツを一人で訪れるミニョク。ボンスンの父に、一礼する。
「エッグタルトありますか」
「ああ、今日はもう売り切れで・・・」
「ほかのパイは?」
「それも完売なんだよ。もう営業終了時間だからね。
「来るのが遅かったですね」
「あ、ちょっと待って。うちのナッツはどれも最高なんですよ。ここのでよければ、どうぞ。試しに食べてみてください」
試食用に並べてあるナッツ類をあるだけ、袋にいれてあげるボンスン父。
「ありがとうございます」
お金を払おうとするミニョク。
「いらないよ」
「それでも・・・」
「ボンスンを頼みましたよ」
「はい。」
「彼女は、私にとって、この世で最も特別な娘です」
「わかってます。お父様、私も、ト・ボンスンさんを大切に思ってます。信頼してください」
「ああ、信じよう」
「はい」
「こっちのナッツは、新しく入荷したものなんだ。旨いぞ」
「いいえ、これ以上は・・・もう十分ですし」
「食べ過ぎたらだめだよ。退屈しのぎに、同僚の人にでも、あげるといい。味見してみて」
なんだか、じ~んとしちゃう、ほのぼのした会話です。。。
正直言って、この2ショットを見ても、もうサムメクチョンとパオさんのことは忘れてましたよ。
~夜道~
結局、一人で帰宅してきたボンスン。
ああ、ミニョクと独り歩きはしないって、約束してたのに・・・もう破ってる(笑)
「彼女です」
ペク・タクたちが見張ってました。
「どうするつもりだ」
「やられた分はやり返してやります」
クァンボクを見るペク・タク。
「自分の始末は自分でつけろ」
「わかっております」
「我々はどうしましょうか?」
「ああ、あいつは武器は持ってるのか?」
「彼も子供じゃありませんから。準備くらいしているでしょう」
「おい、ト・ボンスン」
歩道橋を降りたところで、ボンスンを呼び止めるクァンボク。まだ、杖をつかって歩いてる状態なのに~~~~。
「どなたですか?」
じっと、クァンボクを見つめ、
「ああ」
と、何かに気づいた様子のボンスン。
そんな2人を、歩道橋を下りながら見つけたミニョク。
「どうしてやろうか」
そこへ、グクトゥのジャンピングキックが・・・。
悲鳴をあげるボンスン。
「どうしてやろうかだと?」
倒れたクァンボクを何度も何度も殴りつけるグクトゥ。
「グクトゥや」
やめさせようと、思わず、グクトゥを突き飛ばしてしまうボンスン。
あまりの衝撃に、おどろくグクトゥ。
今日も、盛りだくさんでした。。。
ええっと、ツーチェ(二番目)兄ちゃんの件は、あれで片がついたの?
そっか。。。
なんとなく、物足りなく感じるのは、韓国ドラマのえぐいところを見すぎたのかな(笑)
アボジが見てたみたいだけど、なにかの引き金になる?
・・・とことん、揉めさせたいみたいで、すみません。
最初は、ヤクザパパが受け入れがたかった私ですが、最近、大丈夫になりました。たぶん、ミニョクの接し方が、心底嫌ってるって感じじゃないせいですね。
あの侵入者二人組のラブラブっぷりを見てしまうと、ボンスンとミニョクが不可抗力で、あの霊験あらたかなお布団を使ってしまったりしてたら・・・と想像するだけで、笑えてきます。
あ、でも1回使っちゃうと、おふだの効力も消えちゃいそうですね。
ここにきての、グクトゥのあからさまな変化と ボンスンの温度差に目が離せません。
ミニョクの影響が、それだけ大きくて、ときめくことも多くなってきているせいでしょうね。
じわじわと漂っていた三角関係の角が鋭角になってきたので、嬉しい限り。
私のくぅ~~~度も、徐々にあがっていくと思われます。
バスに乗っていたときの、ボンスンの表情が気になりました。
ボンスンにとって、あのバス事故は、どんな意味を持っていたのかな。。。