ついつい、一気見してしまいました。

ご想像どおり、ジス目当てです。

トッケビが本格的に見られなくなってしまった腹いせに、キム・スヒョンちゃんに、当たり散らしたいわけじゃないんですてへぺろ

 

第1~第3部まで、正味3時間くらいで見終わるドラマです。

ぜ~んぶの感想は、第3部の終わりに・・・ウインク

 

■ 第1部 偉大なる神の贈り物

 

演奏者に寄り添い、ページをめくるページ・ターナー

演奏者に心を配る完璧なパートナーである。

 

この物語のヒロイン:ユスル(キム・スヒョン)が車の中で、待っていると、大声で、親父ギャグを飛ばしながら、数人の自転車の集団が行きすぎる。

車に乗り込んできたのはユスルの母。

「初見の審査だから、一つでも多くの楽譜を見てきなさい」

ピアノ講師の母は、ピアニストを目指す娘の日常を、徹底管理している。

 

地下道に放置されたピアノに、さきほどの自転車集団のうちの一人が目をとめる。

「あ、キーボードがある」

「ピアノだろ?」

ピアノっていうのは、大きく蓋の開く三本足のだ、と訳知り顔で話しながら、自転車で行き過ぎる。

いや~、アップライト型のピアノって、学校においてあるよね?(笑)

ピアノの隣で、露天商役のオ・グァンノクさん・・・

「まったく、 ものを知らない若者だ」的な視線を送る。この人がね、しゃべらない存在なのよ。

 

~車中~

「ムン教授に認められるように、圧倒的な実力で優勝しなさい。」

母親の小言(小言レベルじゃないけれど)聞き飽きた感満載のユスル。

 

審査会場?同じ制服の子供たちばかりなので、学校の試験のようですね?

「だれか、ジンモクの譜めくりを・・・」

「私がやります」

ユスルの申し出をみて、皆、怪訝そう。

「なぜ? ライバル同士でしょ」

「ただのライバルじゃない。互いに、貶めあう仲だ」

白い封筒に入った譜面を、自分で選ぶ方式。

「ショパンのワルツ14章です」

ジンモク(シン・ジェハ)が苦手とするロマンティックな旋律の楽曲。ほくそ笑むユスル。

 

母の言葉を思い出すユスル。

「めくるタイミングをずらすだけでも十分、演奏を台無しにできるわ。」

「そんな汚い真似をしなくても・・・実力で」

勝てるというユスル。

ばれなければ、それも実力だ。ミミズは今のうちに叩き潰しておくのよ。だって、あがくでしょ?ジンモクがあなたの足元であがくのを見るのは気分が悪いわ。だから、踏み潰すのよ

綺麗な顔をして、怖ろしいことを言う母親です。

 

「俺なら、半拍ずらしてめくる」

出席している同級生、誰もが考える姑息な手段です。

 

子供の頃、ジンモクのピアノの個人レッスンを受け持っていたユスルオンマ。

「感情が入ってないわ」

小学生の男の子に、恋人たちの別れのダンスって言ってもね・・。

「あなたの弾き方との違いがわかる?」

まるで、軍隊の行進曲のようだ、と弾き比べてみせるが、後半のほうが、正確で理論的な演奏だ、と意見するジンモク。

帰宅した父親に、講師を変えてくれというジンモク。

「留学もリサイタルもしていない人に、指導されたくない。毎日連れてくる、あの子も目障りだ」

馬鹿にされたユスルオンマ、それからは、ユスルをピアニストにするために必死になる。

 

高校生になっても、相変わらず、機械みたいに正確な演奏だが、面白みの感じられないジンモクの演奏。

「譜めくりで小細工をするかと思ったが・・・」

「あんたの演奏に、小細工なんて必要ないわ」

 

ユン・ユスル  ハンジェ芸術高校 ピアノ科1位

 

ユスルの楽曲は・・・『ラフマニノフ プレリュード ト短調』

大きな手を持つ人に有利で、男性的な力強さを求められる楽曲。

 

子供の頃の回想が入ってくる。

 

決して裕福とは言えない家庭に育ったユスルの母。ユスルをかかえて、必死に、ピアノ講師で生計をたてているため、講師の職がなくなるのは死活問題だ。

結局、特に指導をうけていないユスルのほうが、ジンモクよりも上手に弾きこなす。

 

譜めくりに失敗し、譜面を床に落とすジンモク。楽譜を拾おうとするジンモクの手を払うユスル。そのまま、楽譜なしで、弾きこなす。

「覚えてろ」

実際、故意ではなかったと思うけどね。

 

さて、ここで、もう一人の主役の登場です。

棒高跳び選手のチャン・チャシク(ジス)。

ライバル カン・ジュノとの試合で、緊張しているかと思えば、観客席の母の鞄やイチゴ牛乳を、隣のおばさんが落としたことに腹をたてる熱血タイプ。

「おまえのお母さんは、鞄を落とされたことより、お前がメダルを逃すことのほうが悲しいはずだ」

監督の忠告も聞かず(笑)、フィールドから、大声で文句をいうチャシク。

「俺の母さんの大好きなイチゴ牛乳だぞ、拾えよ~~~」

周囲は、なんのことやら、わからず・・・。

必死で、「大丈夫よ、私もイチゴ牛乳も無事だったから」とジェスチャーで伝えるチャシクオンマ。チャシクのママは、「韓ドラに出てくる、血の気の多いアジュンマ」とは違うようです。

「おい、カン・ジュノってどいつだ?! お前の母親に、俺の母さんに謝るよう言え!」

 

カン・ジュノは、国家代表レベル。チャシクより、17センチも上のタイトルホルダーです。

「へ~~~、俺より17センチも高く飛べるから、母さんを馬鹿にするのか」

「落ち着け。馬鹿にされたくなければ、試合に勝てばいい」

「あいつの記録は?」

「5メートル27だ。 お前が 5メートル10を飛べば・・・」

勝手に、審判に、「5メートル30に、バーをあげてください」と申請するチャシク。

真っ青になる監督。

「ちがいます!ちがいます! ちょっと興奮してるみたいで、 5メートル10でお願い・・・」

「5メートル40」

「ばかか、お前は?」

「5メートル50」

悔しさのあまり、どんどんバーの高さを釣りあげる。

セリじゃないっつうの!(笑)

「わかった!、カン・ジュノに勝てばいいんだな? よし、5メートル30でいこう」

渋々了承する監督。

「この、単細胞め。また、きれやがって・・・」

 

「おたくの息子さんですか?」

となりの、カン・ジュノの両親から 話しかけられるチャシクオンマ

「ははは、そのようですね」

「実に、素晴らしい心意気ですね」

「あの、うちの息子と、おたく様の息子さん、どちらが勝つか、賭けをしませんか?」

持ちかけるチャシクオンマ・・。

「うちの息子は、国家代表レベルですのよ。」

「でしたら、楽勝ですよね?」

チャシクが5メートル30を跳べたら、自分の名刺を渡す、負けたら、生活がかかっている商売道具のノートパソコンを渡すというチャシクオンマ。

 

「自分の母親を馬鹿にされたからって、銅メダルを棒にふる奴があるか」

もう、誰も、チャシクをとめられない目

 

でも・・・飛んじゃった!クラッカークラッカークラッカー

国家代表誕生の瞬間です。

 

「おい、シマウマババアの息子に勝ったぞ~~~」雄たけびをあげるチャシク。

 

「さ、名刺を差し上げます」

作家 チョン・ミス

急に態度をあらため、「何の作家さんでしょうか?」と丁寧にたずねるカン・ジュノの母親。

「なんでも! 小説や演劇台本、国会議員や有名人の代筆、祝辞や始末書でも。どうか、顧客になりそうなご友人に宣伝してください」

ちゃっかりしてるオンマ(笑)

 

「これで、大学推薦は確実だな。あと5センチあげれば、奨学金だ!」

確実なところをねらう監督に対し、

「5メートル50でお願いします」と申請してしまうチャシク。

「ばかか、お前は、それは 韓国新記録だぞ」

「わかってます。でも、飛べるって言うんです、こいつが!」

自信満々に、自分の太ももを示すチャシク。

チャシクの太ももにむかって、「うそつき」って叫ぶ監督さんもナイス!

これだけで、チャシクがどんな子なのか、わかりますね。

 

ハンジェ高校 ピアノ科の演奏会が終わりました。いう事をきかなかったユスルを怒るオンマ。

そこへ、ジンモクが通りかかる。

「わざと楽譜、落としたでしょ?見え見えよ」

「なんだと?」

「いつも言ってるでしょ。私が天才じゃないの。あんたが凡人なだけよ」

ジンモクをやり込めるユスル。悔しさに、こぶしを握りしめるジンモク。

 

教会にいって、思いのたけをぶちまけるジンモク。敬虔なクリスチャンみたいです。

「神様、どうかお怒りください。あの女は、言葉の暴力で、僕を傷付けました」

「あなたの教えに反するあいつを戒めてください。」

なぜか、画面には、棒をもってスタンバイするチャシクが大写し。

見事に、5メートル50をクリアするも、落下していくチャシクの股間に突き刺さるようにバーがあたる。

「早く救急車を呼べ~~~病院

 

一方、オンマの車で、帰途に付くユスル。助手席側にむかって、車が突っ込んでくる。

スローモーションで、目を見張るユスル。大破するユスルの車。

 

神に祈りをささげ続けるジンモク。

「傲慢なあいつに天罰をお与えください。切に願います。アーメン」

祈り終わったジンモクに電話がかかってくる。

「おい、ユスルが事故にあって、大怪我だ。学校中、大騒ぎだぞ」

驚いて立ち上がるジンモク。

「なんだって? 容体は?」

「命に別状はないが、失明するかもしれないらしい。母親と帰る途中に事故にあったみたいだぞ」

 

イエス・キリスト像と目を合わせるジンモク。

 

~診察室~

かろうじて、光を感じることができる程度で、はっきりとは見えなくなったユスル。

事故で、視神経を損傷した、まれに治る人もいるが、ユスルの場合は傷が深いので、可能性は低いと、医師は説明する。

ユスルオンマは、自分の目で見えるようになるなら、角膜でもなんでも、と必死に訴えるが、視神経の損傷は、移植ではなおらない。

ユスルをピアニストにすることだけを目標に生きてきたのに・・・

「お母さん、娘さんよりピアノが大事なんですか?」

呆れ果てる医師。

 

一言も声をあげないユスル。

ひとり、トイレで泣き崩れるユスルの母。

 

同じころ、診察を受けているチャシク。

生殖機能には問題なく、かすり傷程度なので、結婚にも支障はない。安心するチャシク母子。

「問題は、腰の脊椎分離症のほうです」

「脊椎分離症?」

「もともと弱っていた第5腰椎が、強い衝撃が加わったことで、損傷したようです。切開してボルトで固定すれば、日常生活に問題はありませんが、どう考えても、競技生活はあきらめるしかないですね」

「リハビリすれば治りますよね?頑張りますから」

「手術後は、他の腰椎の負担が増すことになり、新たな脊椎分離を起こします。手術は今月中に行います」

顔色がかわるチャシク。

「大丈夫?」

母親には心配をかけまいと、

「ムスコが無事なら、それでいいさ」

最悪の事態は免れたと考えようとするオンマ。

 

ピアノを弾いていても、集中できないジンモク。

そりゃ、自分を責めるよね。

 

花を買ってお見舞いに行こうとするが、花屋の店員から、「彼女への贈り物ですか」と聞かれ、ムキになって「ただの友達です! いや、友達じゃなくて、敵です!」と力説するジンモク。

適当に選んだ地味目な花を、「これでいいです」と示すと

「ほら、やっぱり彼女じゃない? スターチスの花言葉は“永遠の愛”だもの」

「違う、違います、違うって言ってるじゃないですか? お見舞い用です」

「ああ、それなら・・・」

スターチスを目で追っているジンモク。

「もしかして、“許しを請う意味の花”はありますか?」

「病人に 謝りたいことでもあるの? 何か悪いことをしたの?」

黙ってしまうジンモク。

 

~病院~

その頃、言葉にならないくらい落ち込んでいるチャシク。

そこへ、白杖をついたユスルとぶつかる。

「すみません。屋上に続く階段はどこですか? こっちだと聞いたんですけど」

「屋上?」

「屋上なら、向こうの階段だけど、付き添おうか?」

「え? ええ」

「じゃ、手を握ってもいいかな?」

「それは・・・ちょっと」

「じゃ、俺につかまって」

自分の腕にユスルと手を強引につかませるチャシク。

 

病院ロビーで、近づく車いすにも気づかないユスルを、自分のもとに引き寄せるチャシク。

ちょうど 花束をもって、ジンモクが入ってきました。

白い杖で確認しながら、男の人(チャシクね)につかまって歩くユスルの姿に衝撃をうけるジンモク。

「まさか、全然、見えないのか?」

あとをついていくジンモク。

 

「屋上についたよ」

「屋上に誰かいますか?」

「誰もいないけど、どうして?」

「いえ、いいんです。大丈夫です。ありがとうございました」

「じゃ、行くよ」

なんとなく、ユスルの様子を気にするチャシク。

 

屋上の手すりに、手をふれるユスル。杖を折りたたみ、足元に置く。

足を柵にかけ、ゆっくりと乗り越える。

「ユン・ユスル、お前 そこで何してる」

後ろから声をかけるジンモク。

「こないで、こっちに来ないでよ」

その声に、行きかけていたチャシクがふりかえる。

 

「おまえ、見えないのか? 何もか?」

「そうよ、わざわざ、確かめにきたの? 嬉しい?」

「いや、俺は、ただ、君が心配で・・・」

ふたりの様子を見ているチャシク。

「なぜ、あんたが私の心配を? 私は嬉しいわ。あんたのキモイ顔も、楽譜も見ないで済んだもの。笑っちゃうわ。本当に気分がいいのよ。幸いだと思ったのよ。だけど、それでも、目の見えない私にむかって、オンマは、ピアノを弾けっていうのよ。もっと練習しろって! 母親なのに、ひどすぎない? 」

「ユスラ・・・」

「あんたのせいよ。あの10年前のあの日から、オンマは変わったの。」

指を鍛えるためのバリグリップを投げ捨てるユスル。

「もう疲れたわ。ピアノをすきなふりも、あんたを憎むのも・・・。私のことが邪魔でしょ? 私も同じよ、嫌なの。だから、終わりにしたいの。」

「終わりって 何のことだ?」

「さようなら」

目を閉じるユスル。柵から手を離し、後ろ向きに、落ちていくユスル。

「ユン・ユスル!」

慌ててかけよるジンモク。

そこは、屋上の一段下の駐車場。下で待ち構えていたチャシクが普通に抱きとめました。

「え? なんで、生きてるの?」

自分の身体や頭を触りまくって、混乱するユスル。

安心するジンモク。

 

「屋上の駐車場だよ。屋上に行きたいなんて言うからさ、万一を考えて、ここに連れてきたんだ」

「なによ、だましたのね。許せない! どれだけ、余計なことをしたかわかってるの?」

「だまされた気分はどうだ? ムカつくか? 君のお母さんも同じだろうよ」

「え?」

「だって、そういってただろう? ピアノを好きなふりをして、母親の前で、いい子ぶってたってことだろう? 悪いのは、母親を騙していた君のほうじゃないのか? 他人のせいにするなよ。とめて悪かったな。 次は、勝手に飛び降りろ。」

「おい! ちょっとは 空気読めよ」

一段上の手すりから、ジンモクが、チャシクを呼び止めます。

「お前こそ、目の不自由な子に花なんて・・・へんな顔してるくせに、やることまで間抜けだな。」

いきかけて、指の訓練機を拾い上げるチャシク。

 

~病院からの帰り道~

「その子の命を助けたのね?」

「ああ、俺がいなかったら、今頃、あの子は天国だ」

母親相手に、得意満面なチャシク。

「どうして、そんな恐ろしいことを?」

「母親となにかあったようなことを言ってたけど、俺には理解できないよ。ピアノが上手で、芸術高校のトップらしい。何が不満で死のうとするんだ?」

「優等生は、さぼることを知らないからね。でも、あんたはなんで そんなところにいたの?」

「ん? ああ、屋上で風にでもあたろうかと」

「それだけ?」

「おお、それだけだよ。 煙草でも吸ってたと思ったのか? そんな余計な心配しなくていいって。 俺は、 母さんに心配をかけるような悪いことは絶対しないからさ」

「わかってるわよ。私の子だもの」

背中をさするオンマに悟られないよう、唇をかみしめて、横を向くチャシク。

 

地下鉄の出口に出てきたふたり。

「ああ、天気予報が当たった。傘をもってきてよかったわ」

鞄から、折りたたみ傘を取り出すも、開こうとすると、傘の部分だけが飛び出して、壊れてしまう。それを見て、笑い出すチャシク。

「なんだよ、それ。ロケットみたいに飛び出すなんて。 あっけなく壊れちゃうもんだな」

だんだん、笑い泣きになっていくチャシク。

「畜生、運動しかない俺なのに、どうして、唯一の取り柄を取り上げるんだよ。どうすりゃいいんだよ。」

「そうよ、何で、チャシクなの」

「オンマ、俺、これから 何をすればいい? 生きる理由を教えてくれよ。 何もないんだよ。」

 

~チャシクの自宅~

たくさんのトロフィーやメダル、写真が飾られている。

記入済みの『自主退学申請書』

落ち込んでいるチャシクの様子をみている母。

自分の部屋で、アルバムを開き、一枚の写真を見ながら、「これが 生きる理由になるかしら?」と呟く。

 

一方、ユスルオンマは、家の中の角という角をカバーする作業中。

テーブルには、点字表と「視覚障害者のための音楽指導」などの本が積まれている。

「調べたら、城南(ソンナム)に、視覚障害専門のピアノ講師がいたの。学校に付き添うのも、友達に頼んじゃ駄目よ。オンマが目になるから、心配しなくていいわよ」

今までも、とにかく、ピアノのためにならないことは一切、させてもらえなかったユスル。

自転車通学もだめ、ピアノのレッスンも強制的に増やされ、ずっと、いうことを聞いてきたユスル。

今までの自分をふりかえる。

チャシクに言われたとおり、すべて、母親のいうまま、「うん」と頷いてきたのは自分だ。

 

「オンマ、話があるの」

 

~チャシク自室~

梱包材のプチプチつぶしを続けているチャシク。

「ごはんだから、起きなさい」と声をかけるオンマ。

チャシクの傍にきて、一緒にプチプチつぶしをしながら、

「話があるの・・・あなたの父親のことよ」

手がとまるチャシク。

 

「この人が父さん?」

写真を見ながら、意外そうに呟くチャシク。

「何よ」

「だって、俺と全然似てないけど? でも、立派そうな人じゃないか?」

「うん、子供の頃から、神童と呼ばれてたそうよ、これ」

スマホで、検索してみせる母。

<ヒョン・ミョンセ。ウィーン国立音楽大学教授>

「こんな有名人が 俺の父親? ありえないよ」

「ちいさなころから、あんたは、この長い指をからかわれたでしょ?体育会系らしくないって。」

「うん」

「携帯の着信音は?」

「エリーゼのために(ピアノ曲)」

「変だと思わない? いまどきの若い子がクラッシックを使う?」

「たしかにそうだな?!」って、まるで自分のことじゃないみたいに、興奮するチャシク。 

「オンマ、俺さ。 パク・シニャンがピアノを弾くドラマを見て・・」

「“パリの恋人”」

「そう、それ! わけもなく泣いてた。」

「だから、わけはあったのよ」

「曲に感動したのか?」

「そう、その通り」

「おお、すげぇな。 鳥肌が立ってるぜ。 父さんの血だ」

嬉しそうなチャシク。

「あの人の血を受け継いでるから、お前は優秀よ。だから、自分のことをゴミ扱いするのはやめなさい」

「わかったよ。でも、父さんは俺の存在を?」

「いえ、知らないわ。別れたあとに、気づいたのよ」

「そうだったんだ・・・。でも、なぜ、いままで話してくれなかったの?」

「彼が 立派すぎたからよ。自分がみじめすぎて・・・気がひけたの。 でも 今は・・・。」

「俺のせいだろ?自分でも情けないよ。腰がわるくなったくらいで・・・。父さんに恥ずかしい」

うつむくチャシクの顎をあげて、顔を上に向けるオンマ。

「でも、父さんより、断然、イケメンよ。 お前はまだ、気づいていないけれど、私にはわかる。 自分の子供だと思えないくらい出来のいい子よ。」

父さんに似て、何でもできる子なのよ。棒高跳びなんて、序の口だ、と励ますオンマ。

自分に自信が持てたら、父親に会いに行ってもいいかと尋ねるチャシク。

 

~ユスルと母親~

自分の力で通学をすると宣言するユスル。

これから、24時間、母親に頼って暮らす生活ではなく、自立を心がける。

「私がいやなの。目の不自由な私のために、母さんの人生を犠牲にする気?私、はじめて、自分で選んできめたことを言うわ。無視せず、尊重してよ」

「突然、どうしたのよ」

学校にはこのまま、通い続けるが、ピアノはやめる。
不自由な目では、オンマの望みはかなえてあげられない。オンマだってわかってるでしょ? 負け戦はしたくないの。だから、ピアノはやめます。

 

突然、上機嫌になったチャシク。

父親の「ピアノリサイタル」の看板を見に来ました。

「似てる・・・そっくりだ」

自分の指と見比べるチャシク。

「父さん、必ず会いにいきます」

手を重ねてみる。

「ピアノや、あえてうれしいよ」

 

ユスル「もうピアノは弾かない」

チャシク「あなたの息子がピアノを始めます!」

え・・・(@_@)

 

★第2部に続く★