今回のタイトルが素敵すぎて・・・
ネタバレOKの方のみ、おすすみください。
■ 第5話(1) 친구인듯 친구아닌 友達のようで友達じゃない
出勤途中、地下鉄に乗っているボンスン。
<犯人は、絶対、この近所に住んでるに違いないわ>
~回想~
「すみません」
犯人らしき人物の声を聞いたボンスン。
慌てて追いかけるが、既に、その姿はすでになく。
<なんだろ、なんか変な匂いがしてた。錆びた金属の匂い。錆びた何かに触れた後に、手に残ってたんだわ。それに、ガソリンの匂いも。>
地下鉄の中でも、犯人のことを考えていると、隣に痴漢が・・・。
痴漢をにらみつけるボンスン。ボンスンと目が合っても、ニヤリと笑う男。
<なんなの? 私の力を正しいことに使えば、世の中は、今よりちょっとはマシになるのかな?>
駅に降りたったボンスン。
あとには、指が反対方向に曲げられて、激痛を訴える痴漢犯が残された。
친구인듯 친구아닌
友達のようで、友達じゃない
会社でエレベーターを待っている間、 壁にかけられた“アルバティーン年代記”の壁画の女戦士のキャラクターを見つめるボンスン。
<彼女みたいな女戦士が、実際、この世にいたら・・・>
その時、女剣士の抱えていた剣が離れ、ボンスンに近づいてくる。その剣を手にしながら、自分が勇者になったような妄想を見る。ぽか~んと口をあけて、見つめているボンスン。
後ろから現れて、ボンスンの視線にあわせるミニョク。
口が開いてるぞ、気をつけろ!と急に声をかけられ、驚くボンスン。
「おはようございます。社長様」
「よく眠れたか?」
「はい」
バッグの中から、飲み物を渡すボンスン。
「これをどうぞ。」
「(お前こそ)二日酔いを治す必要があるだろう?」
「え?」
「さ、いくぞ」
「はい!」
~町の食堂で朝ごはんを食べているボンスンとミニョク~
ボンスンの手首には、グクトゥから借りている防犯用の腕時計が・・・。
「それなんだ?」
「ああ、これですか? なんていうんでしたっけ? ウェア・・・ロボ?」
「それを言うなら、“ウェアラブル”だろ」
勇者ミニョク、女騎士ボンスンが駆使する英語理解度が上がった!
「ああ、そうですね。これ グクトゥがくれたんです。危険な目にあったら、これで彼に連絡が取れます。」
ご機嫌なボンスン。
「ああ、そうだな。そんな必要性ないと思うけどな」
「え? ご存知ないでしょうけど、私、今日、このボタンを押すところだったんですよ。」
「なんで?」
「出勤途中で、その犯人の声を聞いた気が・・」
「どこで?」
「自宅の駅の近くです。」
「たしかか? 顔は見たのか?」
「顔は見ませんでした」
「心配だな。 俺たちがそれぞれ、狙われてるってことか。一緒にいようとして大丈夫かな?」
さすがのミニョクも不安になってきました。
「俺たち二人を保護するボディガードが必要じゃないかな」
「いいえ、社長様に心配していただくことは全くありません。社長様のことは、私が必ず守りますから」
ちょっと、照れるミニョク。
「守ってくれるのはいいが、どうやってするつもりだ? 俺に言った暴言を覚えているのか?」
「ああ、ええ、まぁ」
「お前、絶対、酒を飲むなよ」
「ゴン秘書が退院したから、復帰してくるぞ」
「え、ゴン秘書さんが戻ってこられたら、私、首ですか?」
「お前は秘書じゃなくて、警護員だろ?」
ああ、そうでした、的な表情をするボンスン。
「どっちにしても、お前のポジションは安泰だ。俺の寛大さはわかってるよな」
「は~い」
可愛く返事をするボンスンを見たときの、このミニョクの「もう手放せない」的な顔!
子供の勉強机みたい可愛らしいデスクセットが社長室に届く。
「ご苦労さま」
なるほど、机の配送と組み立て時間があるんで、それもあって、外に連れ出したってこと?!
「よし! お前は警備以外の時間は、ここで勉強しろ。」
テキストを見せて、
「英語力も上げるようにがんばれよ。“ストックオプション”みたいな用語を“ストップモーション”なんて言わずにすむぞ。」
ムカッとするボンスン。
「今、うちの会社は、新しいゲームの開発中だ。完成までは、俺は毎日会社に来る。だから、お前はそこで勉強してればいい。」
「あの・・・その新しいゲームの開発のお手伝いとかをしたらだめでしょうか?」
「ああ、だめだ。 約束は約束だ。まず、俺をねらう奴を捕まえろ。さ、はじめろ!」
社員たちと打ち合わせする姿や、電話をかけている姿など、ゲーム開発の仕事を間近に見て、なんとか、自分も携わりたくて仕方がないボンスン。
いやいやながら、英語のお勉強。
ミニョクのデスク回りに集まり、ミーティングを重ねる開発・企画チーム部の社員がうらやましくて、ついつい気になってしまう。
ミニョクのデスクトップに表示された新しいゲームのキャラクターデザインが気になり、そ~っと覗き込むボンスン。
ミニョクに見つかり、慌てて、勉強机に向かい、勉強を再開するボンスン。
微笑むミニョク。
~アジュンマ3人組~
「聞きました? バレエ学校のオーナーが行方不明になったそうよ」
「いや、もともと、いなくなってないらしいわよ」
「え?」
「どうも、彼女は友達と釜山に行ってたらしいんですって」
「え?私は、男と束草に駆け落ちしたって聞いたけど」
「ちがいますよ。彼女、一人暮らしで最近来た人でしょ? 誰もよく知らないのよね」
「3年前から、バレエ教室を開いてるらしいけど、その前のことはまったくわからないんですって。ただ、先日から、予告もなく、教室に来なくなったそうなんです」
「ああ、わかった! 」
「先日、殺された女性も、病院から拉致された人も、両方ともスリムだったのよね?」
「そうそう、すっごく痩せてたらしいわ」
「ボンギオンマ、ボンスンのこと、注意したほうがいいんじゃない? あの子も棒みたいに痩せてるわ」
「店長! 店長!」
「どうした?」
店員の女の子が携帯を見せました。
「これ、ボンスンじゃありませんか?」
「ボンスンがどうしたの?」
動画をみて、息をのむオンマ。
クラブでの、大騒ぎした動画が誰かにアップされたようです。
ボンスンのところに、オンマから電話。
「なによ、仕事中にかけてこないでよ」
机の下にもぐって、内緒で電話に出るボンスン。
「ホント、馬鹿な娘ね。こっちは大騒ぎよ。恥ずかしくて、もうこの近所に住めないわよ」
「なんのこと?」
「まだ、動画見てないの? “ポールダンス”“酔っ払い女”で検索してみなさいよ」
動画を再生し、仰天するボンスン。
ポールをかかえて、酔っぱらって座り込んでいたときに、ミニョクに泣きついたことも同時に思い出す。
<怪力なのは、私のせいじゃないわ!>
頭をかかえるボンスン。
ボンスンがいないことに気づくミニョク。
「どこいった? ト秘書?」
あまりの恥ずかしさに、机の下に隠れている。
うう、この、社長室にはあまりにも不似合な、ラブリーな学習机の三角屋根もキャプチャーしたかったのに(笑)
「勉強しろって言ったのに、このくらいの時間も持たないのか」
机の下に隠れているボンスンに気づく。
「おまえ、そこでなにしてる?」
「なんでもないです。」
携帯をとりあげ、動画を見るミニョク。
「おお、これは恥ずかしいな。有名人だな。サインください。この動画は、光の速度で全世界の隅々まで広がるだろうな。アフリカのウガンダとか、ウガ、ウガだぞ」
「聞きたくないです、(携帯)返してください。」
あなた、ボンスンさんでしょ。そうでしょ、ポールを振りまわした人でしょ?とからかうミニョク。
「違いますったら!」
ボンスンの子分たち(笑)、高校生たちも気づいたみたいです。
おい、この動画見たか?すげぇな。
これ、ボンスン姉さんに間違いない。
お姉さま~~、泣きながら絶叫する不良たち。
ヤクザたちも、動画をみている。
「これ、ボンスンじゃないですか?」
「間違いない」
「こいつ、俺たちにこんな目にあわせておきながら、まだ・・・」
包帯を巻きなおしているボンギも、動画を盗み見る。
知り合いから電話が続々と入ってきては、説明しているボンスン。
「しらないわよ。私のこと、こんなに録画してる人たちがいるなんて! 切るわよ」
ゴン秘書が痛みをおさえながら、出社してきました。
「おお、大丈夫か?」
「ええ、まぁ、なんとか。固定してますけど・・・」
「よく来たな。」
「ずっと下を向いていたので、首が曲がっちゃましたよ。首と背骨が傷つくと、トイレに行きたいときとか、どんなことになるかご存知ですか?まさに、地獄でしたよ。男のプライドをどれだけ傷つけられたか。」
「わかったよ、ご苦労だったな。まだ仕事できる状態じゃないだろ? もっと休んでいいって言ったのに、なんで来たんだよ。」
「これ以上休めませんよ。ト・ボンスンにやられたヤクザは、4本も歯が抜けて、誰かが喉に激突したらしく、まともに話すこともできないんですよ。でも、わたしだって、尾てい骨骨折で、相当の痛みだったんですよ。もう、彼女のために、全てが壊れました。連中も、めちゃめちゃでした。ボンスンが、あいつらの腕、足首、肋骨、全部、叩きのめしたんです。これが現実のことだって言えますか? まったく信じられないくらい強くて、あんなちっちゃな子が、どうして、こんなに力が強いのか。彼女の周囲は、狂気の噂がやまのようにあるんですよ。北朝鮮に訓練された特殊工作員だとか、宇宙人とか、。とにかく、社長様は、ボンスンとすぐに距離をとるべきです!」
ボンスンがいるのに気づかず、文句を言いまくるゴン秘書。
あまりの勢いに、ミニョクも、(ボンスンが)あそこにいるぞ、と指さしたものの、言葉を挟めず・・・。
その時、しゃがんで隠れたまま、全部聞いてたボンスンが、無表情で、椅子に座りました。
私はどうしたらいいでしょうかのゴン秘書の視線を無視するミニョク。
「あ、ええと、2人は、この2週間のあったことを、引き継ぐことがあるんじゃないか?部屋に連れて行ってやってくれ。」
小声で、ゴン秘書に「悪いな。」と呟くのみ。
恐怖でガクブルなゴン秘書が必死に、ミニョクに助けを求めるも、面倒事から逃げるミニョク(笑)
「行きましょう。」
ボンスンに、ちょっと触られただけで、震え上がるゴン秘書。
尾骨をおさえながら、そろそろと歩いて部屋を出ていく。
「アインソフトのアン・ミニョクです。」
2人がいなくなってから、知り合いの記者に電話するミニョク。
「最近のポータルサイトのサイバー管理について、どうお考えですか? ちょっと削除してほしい映像があるんですよ」
そのあと、グクトゥに電話するミニョク。
「知ってるか? ト・ボンスンが、今朝、犯人らしき男を見かけたらしいな。」
「なんだと?」
「今回も声だけしか聴いてないようだが、声ひとつでも、なにか感じたんだろうな」
「ボンスンは、今、どこにいますか?」
「会社にいるから心配しなくてもいい。俺といるかぎり、彼女は無事だ。むしろ、外部にいるほうが問題だ。証人保護プログラムの優先度を変更してくれないか。これは、ウェラブルウォッチだけで解決できる問題じゃない。 俺が言ってる意味を理解してることを前提で話してるんだ。切るぞ」
「あいつ、なんで、こんな大事なことは言わないで、まったく」
先輩刑事が戻ってくる。
席を立つグクトゥ。
「おい、どこいく?」
「証人を保護してきます!!」
「なんだ?あいつ・・・戻りました」
「なにかわかったか」
「彼の使用した電話は、登録されていないものでしたが、引き続き調査します。」
「問題は、どこにも発見されていない彼女の車です。CCTVの映像から追うと、トボン洞39あたりで、消息をたってます。」
報告をする刑事たち。
~ゴン秘書のオフィス~
「お気を付けください。まだ、痛みがあるんでしょう?」
「まぁ、まだ、咳をしても痛いですが。」
「尾てい骨って一度痛めると、また、折れやすいっていいますから、注意してくださいね。口は災いの元って言いますし。」
ちょっと警告するボンスン。
「もう少し、横になっていたほうがいいのではありませんか? あなたがさっき仰っていた“男性のプライド”のためにも、そうされたほうがいいと思います。改めて、もう一度謝罪します。」
「ええ、あなたもわざとしたわけではないんですし、社長様に言ったことは・・・あまり気にしないでください。あなたの噂を聞いて、つい話してしまっただけで、 すみませんでした。」
「ああ、そんなこと、いいんです。大丈夫ですよ。もし、私があそこにいるって知ってたら、言わなかったでしょう。」
「でも、自分の噂話について聞くのは、つまらないでしょう?」
「そうですね。それに、今回は、その場で聞いてしまったんですよね」
微妙な空気が流れる。
「でも、少し残念でした。ご存じのように、社長はあまり働かない方なので、そんなにお伝えすることもないんです。考えることは、世界で最も忙しい人みたいですけど。アンCEOの秘書は、私には向いてないのかもしれませんね。」
「私からお詫びします。」
「いいえ、大丈夫です。結論としては、秘書業務として特筆すべきことはありません。あ、ちょっと待ってください。アンCEOの本宅に一度、伺いました。お父様は、会社の一部を彼に継がせると発表されました。ご兄弟たちは、不満一杯そうでしたけど。それなのに、アンCEOは、ずうずうしくも、検討したいと言われました。」
「待ってください。 本当にそうおっしゃったんですか?」
「だから、そう言ってますけど」
「他のことはおっしゃってませんでしたか?」
真剣になるゴン秘書。
「ほかには、ありません。その後も、そのことについてはお話になりませんでした」
そのとき、内線が鳴る。
「ああ、ちょっと失礼しますね・・・。はい、社長様」
「開発・企画チームと明日11時に 緊急ミーティングをするぞ」
「かしこまりました」
「や~ト・ボンスン、いつまで油売ってるつもりだ? 早く戻ってこい。おまえのことだ、こいつじゃない」
まるで、見えているようなミニョクの言い方に、驚くボンスン
「え? この部屋、盗聴されてるんですか?」
きょろきょろ見回すボンスン。
「なんてこと!盗聴器仕掛けてるなんて」
仕事が一区切りしたミニョクが、ボンスンのほうを見ると、うとうと いねむりをしている。
近づいて、寝顔を見つめるミニョク。
ほんと、1秒たりともほっておけないのかしら(笑)
~回想~
クラブで、棒を振り回したあと、座り込んでいる姿まで携帯をとられまくってるボンスン。
「撮らないでください」
ギョンシムとボンギが必死で、録画している人たちをやめさせようとしている。
「撮らないでよ~。あんたたちを楽しませようと思ってやってるんじゃないんだから」
酔っぱらいながらも、周囲の人々に、文句だけは言ってるボンスン。
「ボンスナ、行こう。」
ボンスンの前に座り、目線をあわせて、優しく語りかけるミニョク。
「怪力に生まれたのは、わたしのせいじゃないのに~。」
「危ないから、これ(ポール)を下に置いたほうがいいぞ。」
「社長様! なんで、ここに来たんですか? どうして 知ったの?」
「いいから、それをこっちに。」
「だめ、これは私のものです。なぜ、取り上げようとするの?」
「これは、このクラブのものだぞ。」
「いいえ、私のです!」
そんな会話があったようです。
<怪力に生まれたのは、わたしのせいじゃないのに~。>
その言葉を思い出しているミニョク。
ボンスンの髪を撫でようと手を延ばした瞬間、いきなりグクトゥが入ってくる。
「し~」と静かにするように、合図するも完全無視。
「ト・ボンスン!」と叩き起こすグクトゥ。
「グクトゥや~」
「なんで、令状もなしに家宅侵入し、しかもノックもなしに、人のオフィスに勝手にはいってくるんだ・・・」
そんなミニョクを当然、無視するグクトゥ。
「おい、確認したいことがある。朝、犯人らしい奴に遭遇したっていうのは本当か? なぜ、それをすぐに言わなかった?」
「いや、そうしようと思ったけど、確信があったわけじゃなくて・・・」
「そうするつもりがあっても、結局、しなかっただろう? なんで、俺に言わずに、お前の社長には話してるんだ?」
言いつけたわね、とミニョクを睨むボンスン。そっぽを向くミニョク。
「お前は、捜査に協力してくれるんじゃないのか?」
「はい・・・」
しゅんと落ち込むボンスン。
「それで、あんたは、この証人を保護するための警官を要請したのか?」
「ええ、もう申請してます。今日から、俺が彼女の家を護衛します。 仕事はいつ終わる?」
それを聞いたミニョク、俄然、阻止します。
「心配しなくても、俺が送っていく」
「(俺が)迎えにくると言いましよね」
「この仕事は、いつ終わるか決まっているような仕事じゃないんだ」
「だから、それこそが終わる時間を知らせろ、と言った理由です」
「とにかく、仕事が終わったら、俺が送っていく」
「迎えにくると言ってます」
「いや、俺が送っていくから、必要はない。」
二人の果てしない言いあい。
「あのですね。私のせいで言い合いをするのはやめてください・・。大丈夫ですから。二人が私のために喧嘩するなんて・・・ちょっと不快っていうか」
言葉とは裏腹に、笑顔でのたまうボンスン。
「あなたは、今後しばらく、彼女を休職にしてください。」
「なぜ、お前がそんなことを言うんだ」
「あなたは彼女の上司として、その必要があります!」
「あんたは、警官じゃないのか?」
「あなたも、責任を分け合うべきだろう」
「警官だったら、証人を保護する必要があるだろう」
「あなたは、自分の従業員を保護する必要があるだろう」
「とにかく、俺が送っていく」
困り果てるボンスン。
~ミニョクの車内~
「さすがのあいつも、最終的には、お前を送っていくことはできなかったな。あいつは、韓国で最も忙しく呪われた警官だな。あいつは、送り迎えじゃなく、早く犯人をつかまえるべきだろう。」
「もうやめてください」
「たしかに、上司は従業員を保護する必要があるな。でも、お前は 俺の警護人じゃないのか? いつ、役目が切り替わったんだ?」
「社長様、私は、帰宅途中ですよね。 それに、うちのクルミパイが欲しいって言ったんですよね。だから、ついでに送っていくって言われました。強制的に車にのせたくせに! 自分で帰るからいいって言ったのに、この車に乗ってる理由はこれです!」
「ああ、はいはい」
CCTVの映像をみていたグクトゥが 犯人の車らしいものを発見する。
急行する係長とグクトゥ。
「絶対、同じ男です」
「まぁ、当然だろうな」
「か弱い女性ばかりをねらうなんて、くそ野郎が!」
「ここだ、停めろ」
現場に到着し、周辺を見回す。
「ここから先は、CCTVがないんだよな。」
「そのとおりです。」
近くに見える廃車工場が気になるグクトゥ。
この時、グクトゥの視線の先と、グクトゥを見る係長の視線もよかったです。
従業員らしき男に声をかける。
「すみません。」
「なにかご用ですか? 廃車に来られたんですか? それとも部品でもお探しですか?」
「警察です。ちょっとお伺いしたいんですが、この車を探してます。2011年製で、銀色です。これです」
と写真を見せる。
「しりませんね。」
「ここ2~3日で見かけませんでしたか?」
「いえ、見かけてません。」
「もしかして、社長さんですか?」
「違います。社長はここにはいませんよ。」
「今、お伝えした車についてなにかわかったり、見かけたりしたら、ご連絡ください。」
係長が名刺を渡す。
男を気にしながら、廃車工場をあとにするグクトゥ。
~トボンナッツ~
パイを買いに来たふたり。
ちょうどそこへ、オンマ帰宅。
「あら、社長様」
「ああ、こんにちは」
「パイを買いにお見えになったんですね。」
代金を支払おうとするミニョクに対し、もう家族も同然なのに、といって、受け取らないオンマ。
「え? そういうわけには・・・。」
「ボンスンはうちの家族だし、彼女は、お宅の会社の家族でしょ。私が言ってるのはそういうことですよ。それ以上の意味はありませんわ」
「ああ、なるほど。 でも、それでは・・・」
「いいんですよ。でも、このクルミパイ、一度に食べ過ぎると、お腹を壊しますよ。気を付けてくださいね」
そそくさと出ていく二人。
~ハンセ大学病院~
診察を終えて、会計しているヒジ。
「あの、ト・ボンギ先生はいらっしゃいますか?」
「診察中です。」
「いつぐらいまで、かかりそうですか?」
「さぁ、どのくらいかかるかは、わかりません。」
「いえ、ありがとうございます。」
手を骨折したヤクザの退院が決まったみたいです。
「退院したら、どうしたらいいでしょう?」
「何言ってる! あの女に仕返ししてやるに決まってるだろう」
「すぐにやっつけましょうか?これは、噂の段階なんですが、あいつの弟がここで医者をしているらしいんです。ヒョンタクが聞きこんできたんですが。弟はここの医者で、父親はクルミパイの店を経営してます。母親は主婦らしくて、本当に普通の家族なんですよ。」
「俺が、あいつを始末してやる!!」
「ご自身で行ったら、死んでしまいますよ」
「おまえ! 俺の粉々に砕かれたプライドはどうなる? 絶対やっつけてやる。真っ二つにしてやる」
ヤクザたちが、ボンスンの家族の話をしていて、気が気じゃないボンギ。
顔中に包帯をまいてしまう。
「先生、何してるんですか? これじゃ、見えないじゃないですか?」
「ああ、まだ、口腔領域が治癒していないので、肝炎の感染を防ぐために、覆っておかないといけないんです」
「でも、こんなの見たことないですよ。少なくとも、食べるために、口を開けておく必要はあるんじゃないですか? これじゃ、ミイラじゃないですか?」
「私は医者ですから、信頼してください。もし、感染したら、 この人の顔はもっと腐敗しますよ。」
「肝炎って、移るんじゃなかったでしたっけ?」
あとずさりを始める部下たち(笑)
~ボンギを待ってたヒジ~
「あ、ヒジさん、ああ、今日は診察日だったんですね。」
「ええ、でも、待ち時間のほうが長くなってしまったみたいです。今日、お仕事、何時までですか?」
「ああ、今日は夜勤なので、ずっと病院ですよ。」
「じゃ、明日は?」
「明日は日勤です。」
「じゃ、夜に会えませんか? あ、徹夜されてお疲れですよね。でも、疲れてても、会うべきじゃないかしら?」
え?何、この女?(怒)
「あなたの教授様は、もっと熟練されたほうがいいと思うんです。私の手は、すごくよくなってきました。それが問題だわ。もっと治療期間が長引けばいいのに。」
「ああ、でも、この症状は、完治までかなり時間がかかりますよ。治ったように感じても、ちゃんと治療には来てください。」
「そうなんですね。わかりました。 ちゃんと通います。」
そこへ、見計らったかのようにグクトゥからのメール。
<ちゃんと 病院には行ったか? 治療が終わったら、電話してくれ>
それをみて、
「もう行かないと。 待ってた時間に比べて、お話しできたのは短すぎたわ。明日はもっとたくさん、お話しましょう」
戸惑うボンギ。
廃車工場で、ヒジからの返事を見たグクトゥ。
係長から、「おい、なにしてるんだ?」と注意される。
このシーン、文面がよく読めなくて・・・。もしかしたら、違ってるかも。
~ボンスン自宅~
自分の動画をチェックしているボンスン。
「この動画は削除されました」
不思議に思うボンスン。
さすがミニョク(笑)
「ポールダンサーさんのお部屋ですか?」
冗談を言って入ってくるギョンシム。
「やめてったら。 でも、なんか、全部、動画、削除されてるみたい。」
「え? たぶん、誰かがやってくれたんじゃない?」
「そんなはずないよ」
「誰がやったのかな。映った人が直接要求したら、削除しなきゃいけないんじゃなかったっけ?」
「そうなんだ」
「おそらく、動画に映ってた誰かのうちの一人じゃない?あんたや私、ボンギじゃないとすれば、あんたのところのゲイのCEOなんじゃない?」
「ねぇ、なんで、彼がそんなことするのよ? この動画だけじゃなくて、ウイルスまき散らす可能性のほうが高いわよ!」
「ねぇ、もう一回 思い出してみて。あんたは、彼がすごくいい人だって言ってたよ。本当よ」
「ねぇ。彼のマナーに、まるめこまれたの?彼は、話や行動がうまいのよ。頭がいいのね」
「ねえ、あんたのほうこそ、矛盾してるよ。」
「そうね、彼は、私に対して、一貫性がないのよ。いえ、待ってよ。彼はとっても変だっていう一貫性ならあるわ。」
「それって、今重要じゃないんじゃない? 私は、彼がゲイだとは思えないよ。」
「間違いなくゲイよ。100%! グクトゥのお尻が素敵だって、私に言ったもん。」
「そりゃそうでしょ。グクトゥのお尻は最高よ。ふっくらとして、みずみずしい。」
「やぁ、なんで、あんたがグクトゥのお尻のこと、そんなに知ってんのよ。」
「こんな目じゃなかった頃から?」
「なんで、グクトゥも、彼に気に入られるようなお尻を持ってるのかな。むかつく。それに今、彼は、ほかに男がいる女と一緒にいるんだわ! こんな争い、大っ嫌い。」
「ねぇ、ボンスナ。なんか、おなかすかない? 豆腐の入った豚鍋に刻んだキムチでも入れて食べない? ちょっと青菜とか入れて。」
「コール!」
近所のスーパーまで、お豆腐を買いに行ったギョンシム。
なかなか帰らないギョンシムを心配するボンスン。
「なんで、電話に出ないの?」
誰かに追われ、鉄パイプで叩かれ、蹴られるギョンシム。
もう一度、鉄パイプをふりかざしたところで、 ボンスンが止める。
怒りに満ちたボンスンの目。
鉄パイプを二つに折り曲げ、男を蹴り飛ばす。
「私の友達をよくも・・・。」
男がふっとんでいく。
慌てて、ギョンシムに駆け寄るボンスン。
「ギョンシマ~ どうしよう。。。ごめんね。どうしちゃったのよ」
病院で、おろおろするボンスン。
ボンギが、診察結果を知らせにくる。
「心配するな。大丈夫だ。肋骨をちょっと傷付けたくらいですんだ。それも永久的な損傷じゃない。ちゃんと意識もあるよ。彼女は、アスリートだから、すぐによくなるさ」
「よかった。」
「今から、一般病棟に移すからな。落ち着けよ。」
安心し、号泣するボンスン。
気がついたギョンシム。
「ごめんね。ギョンシム。 豆腐くらい、私が買いに行けばよかったのに」
「チゲ、どうなった? あんた、全部食べたらだめだからね? 」
「わかったから。 すこし休んで」
~トボンナッツ~
オンマたちが集まってますが、まだ、ギョンシムのことが伝わってないみたいね。
住民パトロールの奥様方の集会のようです。
「この辺には、もう若い女性は安心して住めないわ。3つのグループにわけて、私たち地域住民の手で保護しましょう。」
「聞いて聞いて。保護対象の近隣住民の基準を決めないと。」
「そうね。年齢の範囲は?」
「17歳~30歳くらいまで。」
「でも、それじゃだめじゃない? いまどきは、40歳だって、18歳くらいの格好してる人だっているわよ。それに 犯人が 先に年齢きくなんてしないだろうし。」
「とにかく、スリムな若い女性をターゲットにしてるみたい。」
「だから、優先順位をつける必要があるでしょ。」
「なによ、太ってる女は守る価値もないっていうの? こんな差別 信じられないわ」
「まったく、今は、そんなこと言ってるんじゃないでしょ、誘拐犯は、太ってる女性は狙わないのよ。だから、今は、その議論はおいておきましょう。」
「なによ、誘拐犯が デブな女性を持ち上げられないなんて、誰が言ったの?」
「とにかく座って。あんたが誘拐犯なんじゃないんだから。」
そこへ ペク・タク一味がやってきました。
「あの、お客様、営業時間はおわったんですが」
「存じてます。こんにちは。どうぞ。みなさんにもお渡ししますね」
名刺を渡すペク・タク。
「あの、お客様、いま、私たちは、緊急の地域会議を開いていまして・・・終わってからにしていただいてもよろしいでしょうか?」
「あなたがリーダーですか?」
「ええ、まぁ」
「実は、お話があってまいりました。おすわりください。」
「はじめまして。私は、ペクタク建設の社長をしているペクタクと申します。この地域の再開発事業の総監督です」
どうみても、部下はやくざのノリで挨拶。
あ、手の指を折られたヤクザさんもいます。
「不幸な事件が続くこの地域の皆様には、心からお慰めしたいと思います。 このような混沌とした時代ですから、 私が差し出がましいことを申し上げるようですが、 “この混乱のなか、再開発のポイントはなんでしょうか”と。 両者は、協力すべきだと思われます。」
「あの・・すみませんが、なにをおっしゃってるんでしょうか?」
「まず、基本的に、トボン洞の安全を守ることを話しています。我々の従業員は、高度に訓練されております。 柔道、少林寺、ボクシング、ムエタイ、テコンドーに至るまで。まず3つのグループに分け、この近隣を保護します。 ヨミン洞の塩の道の話を聞かれたことはありますか?
「さぁ、聞いたことありませんけど」
「みなさん、すべての新聞をお読みにはなりませんものね。とにかく、地域の犯罪率を低下させなければなりません。これは、我々、再開発事業者にとっても、マイナスなのです。これから、3年は、この地域の地価にも影響します。すぐにでも、手を打たなければなりません。この一帯に住む若い女性を苦しめる犯罪を未然に防ぎます! もちろん、我々はすぐに 建設を完成させる必要がありますが、今はまず、この地域の安全を優先すべきです。これは ノブレスオブリージュです(高貴な責務:社会的地位には責任が伴う)。我々の従業員を見てください。屈強に見えませんか? 犯人に屈することはありません。一般人なら、彼らの姿をみただけで、戦意喪失です。 我々は、この保護サービスを、明日から開始します。」
一礼して出ていく一団。
だまって聞いていたアッパが口をひらきました。
「正直言って、犯罪者よりも怖い連中だ。 どうやって、犯罪者と見分けをつけたらいいんだ?」
「そうよね」
「ねぇ、なんか、本当にこの地域、おかしくなったんじゃない?」
「ちょっと聞いて。あの人たちのことは無視して、わたしたちだけでやりましょう。バス停を中心にして、この地域を守るのよ。いい、午後10時に出発よ。大丈夫?」
「そうね、そうしたほうがいいわ」
「じゃ、まずはグループわけよ」
画像はすべて、JTBC名場面クリップより 画面キャプチャーしています。