長くなりましたので、分割してます。
 

■ Episode17(2) そなたが始めたこと

 

八角を見ながら、考えているウィファ公。なにかを思いついた様子。ひらめき電球

 

~仙門の講義室広間~

さっきの言い争いのことを考えながら、少し離れた場所から見つめあっているソヌとサムメクチョン。

ヨウルが、二人を風月主が呼んでいると、言いに来る。

「おい、ソヌ郎、風月主が呼んでるぞ。ジドゥイ郎も一緒に。理由は聞くなよ。どっちも聞いてないから」

 

ウィファ公のもとにやってくる二人。

「お前たちふたりにきてもらったのは、ほかでもない。」

出入り口のほうに向かって、声をかけるウィファ公。

「入りなさい。」

アロが入ってくる。アロをみて、ソヌとのキスや、駆け落ちを断られたことを思い出してしまうサムメクチョン。

 

「彼女は、私が助手として雇っている。仙門の医員もしているが、それ以外の仕事もこなしている。・・・今更、紹介する必要もないな。ところで、その私の助手曰く・・・、興味深い話を見つけてきた。説明してあげなさい。」

アロが躊躇いながら、話し始める。

「実は、王京の医員たちは、首都および神国中で流行り始めた伝染病の治療に取り組んでいます。今、マンマン村は、疫病が大流行して 大変なことになっているんです。でも、彼らに与える薬が、まったくなくて、王京で探し回っていたところ、偶然、買い占めているところを見つけたの。角干の庫房(倉庫)です。その庫房には、神国内の薬が、たくさん集められていて、おそらく、誰も薬を買うことができないように買い占めて、価格を釣りあげているの。こうしている間にも、マンマン村の人たちは、どんどん亡くなっている。」

それを聞き、こぶしを握るソヌ。

 

ウィファ「これは、問題だ。どう考える?」

サム「問題を解決しろと?」

ウィファ「聞いた通り、これ以上、時間がかければ、マンマン村の民たちの命があぶなくなる。」

ソヌが 辛そうに目を閉じる。

この問題を二人で解決してみろと指示するウィファ公。

「理由か?私がみるに、お前たち二人が、王とはどうあるべきかについて、最も多くを考えていると思っているからだ。」

うわ~、なにげに凄いことをおっしゃってます。

やる、やらないは、自分たちで決めろ、と、彼らを試すウィファ公。

 

外階段に座り、考え込む二人。 

ちょっとずれて座っている距離が、いまの彼らなのね。

サム「どうするつもりだ?」

ソヌにたずねる、サムメクチョン。

 

アロ「どういうことですか?」

ウィファ公につめよるアロ。

アロ「彼らの気性をご存じですか? 彼らは、すぐトラブルを起こすんです。」

ウィ「それが 彼らを呼んだ理由だ。もし、あいつらがトラブルを起こさないならば、世界は変わらない。起こるかどうかは、彼らの決定に依存するのだ。あいつらの覚醒は、この神国を少しは変えることができるかもしれない」

 

ソヌ「おまえには、解決できない」

サム「なぜ、そう思う?」

ソヌ「おまえは 知らないからだ。お前は、彼らみたいな人間がどうやってそこで暮らし、そこがどれだけ美しいか、どれだけ貴重で、保護されなければならないかを知らないからだ」

サム「俺も、医者や民の命の犠牲となっていて、買い占めた薬が莫大な富を生む、盲者の金儲けが死に値すると知っている。お前だけじゃない。俺だって、不正を知って、怒ってる」

ソヌ「しかし、俺の決意が、どれほど強いかを知るはずがない。」

サム「結果は同じだ。私もそれを解決できる。」

ソヌ「答えは出ている、だから 俺はやる。」

 

悩んでいないはずがないパルリュ。

倒れるソヌの姿も、責めるスホの言葉も、彼を苦しめてます。

そこへ、 石がなげこまれる。

見ると、塀から のぞきこんでいるスヨンの姿が。

「これまで、お変わりありませんでしたか?私は、とても恋しかったです。そう思わないようにしようとしましたけど、もっと会いたくなってしまって、それで来てしまいました。」

突然の一方的な別離宣言に、パルリュが心変わりしたと思っているのね。

「でも、パルリュ様に、感謝しているんです。この世の男の人って、全部、うちの兄みたいな人だと思ってました。パルリュ様のような素敵な男性に会えて、考えがかわりました。だから、 とても ありがたいんです。もう一度だけ、お逢いしたかったんです。もう こんなふうにあなたに会いに来ることが出来るとは思ってません。それでも、こんなふうに会ってしまうと、また、会いたくなるんです。」

涙をこぼすスヨンを見て、こぶしを握りしめるパルリュ。

「俺は、あなたを傷付けたい。そうすれば、俺のことを考えるとき、痛みで思い出すだろうから。でも、今の俺には、あなたのことを考える余裕がない。ですから、もう ここにもこないでください。俺は、悪い男です。だから、傷つく前に、俺から可能なかぎり離れてください。」

パルリュの手に、自分の手をそっと重ねるスヨン。

「悪い男じゃありません。私が知ってます。いい人です、パルリュ様は。」

見つめあう2人。

パルリュは、スヨンを好きでいる限り、心の奥底では持ちこたえそうな気がします。

 

スホ「なんだって?」

疫病の話を伝える ソヌとサムメクチョン。

ヨウル「まさか、本当か?」

サム「一緒にやるのか、やらないのか?」

ヨウル「さぁ、どうしたものか」

ソヌ「俺はそれをしなければならないが、お前たちには、やる理由がない。 無償だし、何が起きても責任は取れない。だから、よく考えて決めてくれ。」

スホ「やるよ。俺自身のためでもある。やらなきゃだめだ、と感じるんだ。知らん顔して寝てられるか」

苦笑しながら、おまえは?と ヨウルに視線を送るサムメクチョン。

ヨウル「いいよ。 角干は、俺の親父かもしれない」

スホ「お前は、王京に、親父がいっぱいいるんだよな。」

戻ってきたパルリュが部屋に入ろうとして、彼らの会話を立ち聞きする。

ヨウル「パルリュは、どうする?」

スホ「パルリュはやめておけ。」

ヨウル「もちろんだめだよな。 角干の庫房に忍び込むんだ。彼は、俺たちのことを黙ってはいないだろう」

スホ「そうじゃない。彼を傷付けるかもしれない。そんなことはさせられない。とにかく、俺たちは彼に知らせないほうがいい。」

黙ってきいているパルリュ。

 

夜、ヨンシル公の屋敷を訪れるウィファ公。

いやでいやで仕方ないって感じです。門の前で、相当、ためらってます(笑)

そうよね、30年後に酒をのもうって、断り続けた手前・・・行き辛いわよね。

門を開けよ~

門を開けよ~

どちらさまですか?

これはこれは、申し訳ない。花郎の風月主が来たと伝えなさい。

酔っぱらったふりして、乱入する作戦みたい。

 

「ヨンシル公の屋敷に入って、見張りをとおざけてください。時間を稼いでください。」

ソヌに頼まれたんですね。

「なんで、そんなことを俺に頼むのだ?」

「失敗するわけにはいかないし、民を助けなければならない。」

「わかったよ。最終的には、俺を尊敬することになるだろう?」

 

「この俺が、犬鳥郎の言うことを聞かねばならぬとはな。」

ぶつぶつ、つぶやいてます。

大騒ぎしつつ、庫房付近の見張りをひきつけ、時間を稼いでます。

「これはこれは、風月主ですな。連れていけ。ヨンシル公がお待ちだ。」

元締が現れました。面識ありましたっけ? ま、いいか。

強制的に、連行されるウィファ公。

 

その頃、黒装束に身をつつんだソヌたちが、ヨンシル公の屋敷に忍び込みました。
 

アロが家で、薬の整理をしていると、官女たちがたずねてくる。

「いらっしゃっいましたね。」

「どなたですか?」

「月城にお越しください。」

「月城?」

家にいたアロが、太后の配下のものに、連れて行かれる。

 

~ヨンシル公邸~

結局、屋敷内に通されたウィファ公。

「こんな夜遅くに、どうしていらっしゃったのかな?」

「ああ、酒を飲んでおりましたら、あなたと約束をしたことを思い出しましてな。」

突然の訪問をいぶかしむヨンシル公。

「そういえば、貴公は、剣を得意とする多くの護衛をここであなたのために雇っていると聞きましたよ。どうか、それらのほんのわずかを 仙門に送ってくださいませんか。暗殺者が、仙門に侵入し、最近 花郎たちを攻撃したんですよ。お、どうされました?ああ、あれは、既にあなたが送ったとか?」

 

「父上~」

そこへ、酔っぱらって乱入してきたパルリュ。

「父上に話があるんだ」と松明片手に大声で騒ぎ立てます。

わざとらしいほど、ふらふらです。

ウィファ公に引き続き、これじゃ、今晩、なにかあるって言ってるようなものだと思いますが・・。いいんでしょうか?(笑)

「おい。彼が火を点ける前に、彼を護衛しろ。」

またしても、乱入者の対応をする元締め。

 

「パルリュだと?」

それを聞き、にかっと笑うウィファ公。

 

「何をしておる?」

正座しているパルリュの後ろには、 見張りや元締めら、総勢、6~7名。

庫房周辺は、だいぶ手すきになっているはずですね。

「殺してください」

「酒を飲んでおるのか?」

「ええ、飲んでますよ。胸が痛くて、痛くて、飲まずにはいられません。私は 幼い時に父上の養子になりましたが、私に大きな期待を寄せていたのに、失望させることしかできなかった。この間も、仙門にはなった刺客でさえ・・・」

「いいから、黙れ。」

ウィファ公がいるのに、ヨンシル公の思惑をべらべらとしゃべりだしそうなパルリュに、あわてて制するヨンシル公。

 

~庫房(倉庫)~

薬を見つけるスホたち。

ヨウル「今まで、相当狂った行為を見てきたつもりだけど、これはそのはるか上をいくわ」

財宝の数々に言葉を失う、ヨウル、ソヌ、スホ、サムメクチョンの4人。

ヨウル「ここだけじゃなく、いくつもこういう倉庫を持ってるわね」

サム「ヨンシル公は、王室よりも多くの金や薬を持ってるな。これが、この国の角干のすることか」

ソヌ「これが、この国の法なのか?」

あ、久しぶりに出ました(笑)

サム「いや、これは違う」

スホ「時間がないぞ。いそげ」

 

剣を抜き、自分の首元に押し当てるパルリュ。

「私は、まさに今、ここで、死のうと思います。」

部屋で控えているウィファ公は不思議そうです。

「なんて、あいつはこんなことまで・・・。」 ← 日頃仲悪そうなスホとパルリュですが、それだけ二人の関係性は複雑ってことです。

 

ヨンシル「こいつをおさえろ」

配下の者たちに指示するヨンシル公。

パル「いいか、近づくなよ。そしたら、お前らを殺すぞ。俺は、パク・パルリュだ。未来の神国の王だ! どけ。俺から離れろ。」

 

- その大それた計画とは、そういうことだったのか…神国の王になるとはな。

座ってるだけで、いろいろと情報をゲットするウィファ公。

 

- 私に触るな。

近寄るな。俺は、パク・パルリュだ。パク・パルリュだ。

そうやって、なんとか、見張りたちをとどめているパルリュ。

苦虫をころした顔のヨンシル公。

 

薬を袋につめて、庫房から出てきたソヌたち。スホとヨウルが塀をこえたところで、

「お前たちは何者だ?」

元締めに声をかけられました。やっぱり、なにかあると思うよね。

「おお、会えてうれしいな。ケセ郎」

「トゴ」

やっと、名前がわかりました!

サム「ああ、あいつらは肉屋の男か」

トゴ「おまえのおかげで、天候が悪くなる時には、矢傷は、すごく痛むよ。」

しかたない、という感じで、ソヌが向かおうとするのをサムメクチョンが止めます。

サム「俺が最初だ。あいつらには、相当ムカついてるんだ。俺が誰かを知らなかったとは言え、俺をぶら下げるとは・・・」

そっか、恨んでたのね(笑)

 

屋敷の中と庭で、それぞれ、暴れまくる花郎たち。

 

見事に、サムメクチョンが倒す。スホも笑顔、ソヌも頷く。

「さ、いくぞ!」

 

マンマン村に 薬などの大量の物資が届けられる。

「アンジ公・・・」

手紙が入っている。

「飲んで 大いに笑え」

「まさか」

「酒令具ですよ、あいつか・・。」

ソヌを思い浮かべるアンジ公。

 

酒令具を手元で放り投げながら、やり遂げた安堵感にひたるソヌ。

 

ヨウル「私、あんなに多くの金を、一度に見たのは初めてだった。あ、それより、パルリュが一足先に気づいてたってわかったのは、なぜ?」

そこへ パルリュが戻ってきました。

「偶然にしては、すごかったな?助かったよ」

何も言わず、スホを見るパルリュ。ちょっとだけ、口元が動いたような感じでした。

わかってたんだ!!!

 

~太后とフィギョン公~

「時々、もしお兄様が王であったら、私はどうだっただろう、と思うことがあります。

私が、たくさんのものを諦めなければならないこともなかっただろうと。私はそのような残酷な時を我慢している必要もなかったであろう、と。」

 

「すべて お前がはじめたこどだ。ジソ、お前が、はじめたんだ」

~20年前 月城~

ジソ「お前を殺さねばならない」

「殿下・・・」

刀を押し付けているジソ。

ジソ「お前は、大きな災いをもらたし続ける」

「助けてください。私達は互いの唯一の友ではありませんか」

ジソ「王室を強化することを妨げる源花は取り除かれなければならない。死んだナンモ(南毛)のように、そなたは、どこででも生きてはならない。そなたは、すべての非難を受けるのだ。私は私の息子のためにあなたを殺さなければならない。」

泣きながら、胸に剣を押し付ける。

剣を掴む手が血だらけに。

 

ひとり、広間にいたソヌのところに、サムメクチョンがやってくる

「どうした?」

「アロが・・・月城に連れて行かれた」

「いつ!」

「おまえ、知らなかったのか?」

「いつだって聞いてるんだ!」

 

~太后の部屋~

アロに詰め寄るジソ。

ジソ「サムメクチョンが自ら王になると言ってる。あの子は、そんなことを言う子ではなかった。彼は、私が神国を彼に手渡す時期を待っていた良い王であった。どうやって、そそのかしたのだ? おまえが、サムメクチョンの気持ちを変えたのだ。お前の母がお前の父にしたように」

アロ「ちがいます 決してしておりません。」

太后「そんなことは重要ではない。お前は 源花になるのだ。そして、私は お前を源花の運命どおりの目に合わせてやる。」

 

 

★Episode18に続く★

わかっているようで、わかってない。わかってないようで、わかってる。

そんなスホの魅力が全開です。

言葉の端々や、視線の先に、優しさがあります。

今は、再びヨンシル公にすり寄ったパルリュの真意が明らかにされてませんが、あの二人に、こんな絆ができるなんて。

感無量っちゃ、感無量ですが、憎み合ってたころより、いろいろ辛くなります。。

 

今回は、主人公三角形のLOVE度が薄かったですが、スヨンとパルリュのシーンがあって、よかったです。感情の赴くままに進んでも、道を誤らせない、そういった分岐点に、お互いがなっているっていう、これぞ青春群像でしょう。

 

予告が気になって・・・気になって・・・。

だってソヌが、ソヌが・・・やっぱり~~~。

あの女の人が、チョンジュンですかね?

 

これから、18話みます。。。→ 見ました(号泣)

フラグは立ってたのか? 

その必要はあったのか?!