この人の凛とした美しさに、圧倒されました。
※ 内容にふれています。
皆が一目も二目も置く、最高尚宮:オ・スヨンの真の姿は、
無名の武将に想いを寄せ、その愛を手にしながらも、
それを表に出すことを許されなかった女性。
授かった命も奪われ、
薄氷の上を、慎重に慎重に一歩、一歩、生きてきた彼女こそ、
「月の恋人 歩歩驚心~麗」の陰のヒロインだと思っています。
「たった一人に覚えていてもらえたら、それで充分。」
その言葉の示す通り、ワンゴンは息を引き取る直前に、
「スヨナ・・・」と呟きました。
「私が、ずっとお側にいます」
皇座の孤独を実感したワンソにとって、スの言葉が唯一の支えであったように、
ワンゴンとオ尚宮にも、同じような状況があったのでしょう。
毎日、毎日、ただ黙って、彼の身支度を整える日々。
「昔の自分を見ているようで、怖いのだ」
この人が日々、ヘスに対して、厳しく接した理由がわかってみると、
どれだけ、スに心をかけ、本気に危険から回避させようとしていたのか、
一言一言の意味が胸に迫ります。
「スヨンにとって、お前が娘であるなら、余の娘も同然・・・」
もともと、ワンゴンも スに対しては、
はじめて 皇宮で顔を合わせたときも、
婚姻をぶち壊したときも、
問答無用で極刑にしてもおかしくないところで、
異例の寛大さを示しましたが、
もしかしたら雰囲気的に、オ・スヨンの若い頃に似ていたのかもしれません。
ワンゴンと オ尚宮、この二人の歴史と
ヘス・ワンソ・ワンウクの恋の物語が 絶妙にリンクしていきます。
ワンソと朝帰りをした日、夜には 浴穴で、ワンウクと密会。
モテモテに罪はありません。いや、ちょっとはあるかも?
(お母さんは)そんな娘に育てた覚えはありません!の図 (笑)
(実際は、二人で 宮廷を出ようという必死の説得シーンです)
冗談はさておき、オ尚宮の最期のエピソードは、
ドラマの大きな分岐点になりました。
ユ氏&ヨナの陰謀により、
(ワンソの決死の毒茶飲干しでも、未然に防ぐことができず)
皇太子殺害未遂、さらに、四皇子毒殺未遂の罪も加わってしまい、
とらえられたヘス。
(ワンソから)ユ氏が黒幕であることを聞かされ、
事件の真相を調べていたウクは、主犯が 妹のヨナであることがわかり、
自分の手で スを救うことができません。
「何故、皇子様自身の手で、守ろうとしないのですか。
今日の日を、必ずや後悔することになるでしょう」
皇帝への取り成しを頼みにきたウクへの言葉は、辛辣でした。
いままで おさえてきた想いを ワンゴンに告げ、
自分の命を差し出すことで、スの命を救います。
(ワンソは、すでに、オ尚宮の処刑は免れないとわかっていますね。)
これ以降のヘスからは、無邪気な笑顔が消えました。
「自分が選択したことに対する代償を払う」
もともとは、ヘスが自傷した際、オ尚宮に告げた言葉ですが、
ヘス以外の登場人物も、それぞれが、自分の代償と向き合います。
それに伴い、物語も辛い展開が続きます。
※ページ内画像は、SBSさんからお借りしました。