権限委譲
最下層の従業員に権限を委譲すべきである。
なぜならば、お客様と接するのは最下層の従業員である。
アパレルショップで言うと、服を売るのは社長ではなく販売員であり、保育園で言えば
園児と遊ぶのは園長や経営者ではなく、先生である。
直接お客さんと接する人が、最高のサービスを提供するのである。
経営者はサービスは提供しない。
現場で服が盗まれているのに、店の奥で伝票を整理しなければならない。
雨の日に、外で犬小屋をつくるようなものだ。
『事件は会議室で起きてるんじゃない』
青島風に言ってみた。
サービスを提供する場やシステムを提供するのが経営者だ。
勘違いしている経営者が多いのだが、経営者は偉くもなんにもない。
経営者に権限があるのは、資本が経営者にあるだけで、従業員の
失敗による尻拭いを避けているということである。
つまり、従業員を信用できていない、従業員を育成できていないの
である。
サービスを提供するもの、それが従業員。
そのサポートをするものが経営者。
権限は経営者にあるべきではなく、現場にあるべきである。
そうすれば、サービスのレベルはさらに高まるだろう。
今までは、働かせるものの立場と働くものの立場が9対1ぐらいの割合
で、従業員が苦渋を舐める時代だった。
しかし今後人口が減っていく日本は、これからはそういうシステムでは
やっていけない。
働く側の立場と働く側の立場は50対50になっていく。
持ちつ持たれつだ。
つまり権限委譲。
経営者は勇気を持って権限を委譲し、尻拭いをすべきである。