
深夜の新宿
周りの客や従業員のカラオケの歌声の中、流れる時間
『人って、何のため、誰のために、生きてるのでしょうね』
そう呟く真有に青山が
『自分のために生きて、活かしてくれる人に感謝じゃないかな』
それを聞いてた大島が笑いながら
『彩華ちゃん、俺に感謝してる!?感謝は、行動にださないとね』
『はい、キスしていいよ』
そんな大島の言葉で
頬に軽く口づける彩華が微笑みながら
『感謝の気持ちです』
楽しそうに語らう2人の前で
『あれ、泣いてる』
彩華が真有に心配そうに声をかける
その様子をカウンターで見てた。慣れたママの声
『また!?青山さん、女の子泣かしたの』
周りの常連客も振り向き、笑いながら
『あ~、青山さんと女性の涙、良く見る!?似合ってる光景ですね』
そんなスナックの中で、青山は
『またって、泣かしてもないし!よく見る光景でもないよ』
その会話に、真有が笑顔で加わり
『私は、青山さんに泣かされたけど、本人は気付いてないみたいです』
その場の遊ばれてる雰囲気を変えようと青山
『ねえ、マイク貸して俺が歌うよ』
『何を歌います』
離れたカウンターからママが聞く
『大島さんキスしてるし、サザンの涙のキッスで』
それを、カウンター席で聞いてた常連客の佐藤が笑いながら
『やっぱり、青山君は、危ない男だよ。歌詞を聞かせたいの』
涙のキッス
もう一度 誰より愛してる
最後のキッス
もう一度 君を抱きしめていたい
『わがまま男の別れの時、嘘っぽい優しさだね』
今度は、そんな振りを受け青山
『違いますよ、佐藤さん。歌詞は、頭になかったけど』
それに佐藤が笑いながら
『大丈夫、青山君なら、気持ちが入るから!桑田より上手く歌えるよ』
『きっと、由佳里ちゃんも泣いて聞いてるよ』
そんなやりとり、狭い店内、みんなの耳に入り笑いが起きる
青山のカラオケで盛り上がり、会計も済ませて
扉を出ようとする4人にママ
『今日は、ありがとう。』
『彼女は、最後に青山さんに抱かれないでよ。最後なら辞めときな。女は引きずるから』
『気をつけます』
笑顔で答える真有
そのやりとりに青山が笑い
『何、その会話。最後って、最初もないのに。また来るね』
店を出て歩き出す4人。途中で大島と彩華は、タクシーを停める
『お疲れ様でした。俺達は、大久保通りがいいんで』
深夜から朝日前の時間
新宿区役所通りを2人で歩く青山と真有
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第3話おしまい