それから私たちは
月の明かりと満天の星空だけの暗闇で
ボートごと琵琶湖の底に沈んでいくかのごとく
Mのする話に吸い込まれていった。
M:向こうで仲良くなったのアメリカ人のボビーと
休日にショッピングモールへ出かけた。
俺とボビーは服を買おうと
人々でごった返すモールを散策していた。
そこまでは、いつもの楽しい休日といった感じだった・・・・・。
さんざん歩き回った後に、俺たちはある交差点にさしかかった。
「すこし休憩でもしようか?」とボビーが言った。
あいかわらず交差点にはおびただしい数の人がいる。
その時、交差点の人ごみのはるか向こうに
人々が交差する隙間から何やら怪しいものがチラリと見えた。
ん?っと思いもう一度よく見てみた。
するとそこにはダークスーツを着て黒いネクタイ締めた
頭の形が明らかに人間とは違い
緑色の奇妙な顔をした者が立っていた。
え?と思いもう一度よく見てみた。
た、た、確かにいる!
すると遠巻きながらこちらに気づき近づいてきた。
でも誰もその奇妙な者に気づいていない。
驚く様子もまるでない。
もはや声もでない。。。
だんだんと近づいてくる!
そして・・・・
ついに目の前にやってきた。
この世の者とは思えないとても醜くて緑色の顔。
目と耳は大きくつりあがり
しかもその目は真っ黒で吸い込まれそうなほどの目力がある。
そして足がすくみ声も出ない俺にこう言った。
「あなたには私がわかるのですね?」
そう一言だけ言い残しまた人ごみに消えていった。
ボビーに話してもまったく気づかなかったと言う。
そんなばかな・・・・?!
次の日にその話を大学の教授に話した。
すると教授は
「宇宙人は人間の姿形をして普通に生活に紛れ込んでいる。
目的はわからぬが世界中のいたるところにいる。」そう言った。
わかる人にはわかる、見える人には見えるのだと。。。
しばらくまた沈黙が続いた・・・・
恐怖におびえる暗い雰囲気から抜け出そうとKが無理に話し出した。
K:そんな缶コーヒーのCMのジョーンズみたいな話あるんかぁ~?
M:あのコマーシャルはまんざらうそでもないと思う。
K:じゃあ宇宙人は本当にいるというのか!?
M:いる!俺は確かに見た。怖かった!。
確かに友人のMはそんなうそをつくような人間ではない。
うっすらと目に涙さえ浮かべていた。
そんな暗く沈んだ空気を換えようと私が言った。
H:まてよ・・・?お前には見えて他の人に見えないって事は・・・・
お前は・・・
宇宙人と人間の中間の ‘うにゅうにん” じゃないのか!?
K:そうだ!そうだ!お前は ‘うにゅうにん” だ!間違いない!
H:
K: ぎゃっはぁはぁはぁはぁはぁ~~。
M:
私たちの大きな笑い声が夜中の琵琶湖に響き渡った。
その日を境に私たちはMのことを ‘うにゅうにん” と呼んでいる。
あなたの街や近所にも宇宙人はいるかもしれない。
いつも、朝すれちがう人や電車やバスにも
人間になりすました宇宙人がいるかもしれない。
実はあなたのすぐ隣や後ろにも宇宙人はいるかもしれない。
「あなたには見えますか?」
そしてあなたも ・・・
‘うにゅうにん” なのかもしれない。