4/Mar/2020追記
絶賛大炎上中のサクラですが、この記事ではサクラの発表したホイールの構造について私が思うことを書いています。サクラに関しては、仮にサクラに非がなかったとしても、誠実な企業のやる事ではないのではと思います。詳しくは当記事最後に書いてます。
また、この記事で取り上げているホイールのメリットですが、何故か当時のスペック通りには発売されていません。当時のプレスリリースを見たところ、私は「神ホイール」と表現しましたが、現在販売されているホイールを見るに、フランジ径が広いところぐらいしか特筆事項はありません。よって、神ホイールではありません。
なにぶん2年前の記事ですので、お見逃しくださいませ。
炎上の内容に関しては、当記事のラストにサクラがホームページで公開した記事を載せておきます。一連の騒動には前後関係もありますが、サクラの通常とは言えない対ユーザー意識が垣間見ることができます。
追記終了
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やべぇーーー!
マジかよ!
手組みの皆さん、朗報です。
手組みについて一度でも能動的に考えた事がある方なら、この凄さは分かります。
sacraホイールってご存知でしょうか?
シマノの開発部の中の人が脱サラしてホイール会社を立ち上げて作られたあのホイールです。
低価格、高空力性能をウリにしているメーカーなのです。
しかし、ホイールをまるで理解していない組み方で、一時はシュータッチならぬ、フレームタッチまでする横剛性のなさで有名なホイールだった訳です。
そして、ホイール系ブログで有名な「のむラボ」に、新作が出るたびにダメ出しされて、コテンパンにされて来たあのメーカーです。
そのsacraホイールが先日(と言ってもかなり前)に新作を投入しました。
それがこちら↓
なんと、カンパ、フルクラム系にも迫る、いや、スポークの軌道的には上回ってる様に見えるハイローフランジを投入したのです。
スポークの軌道を考えて、普通のフランジに換算すると14本組みの位相ぐらいではないのでしょうか?
このハイローフランジとは、左右のスポークテンション差を是正する為に左右のフランジ(スポークの出るところ)の大きさの差をつける事です。
重量を考えない限り、スポークテンション差が解消されるまで、左右差が大きければ大きいほどいい事です。
反フリー側ラジアルは変わってません。
しかし、キチンと2:1で、フリー側のフランジが大きくなってるのでスポークテンション差はマシな方になると考えていいと思います。逆転することはないと思います。
スポーク組では、ハブの接線に近い方が駆動効率がいい(諸説あり)ので、タンジェント組の組数はできるだけ多い方がいいです。
しかし、フリー側の組数を増やすと、反フリー側とのスポークテンション差が大きくなります。
それを大幅に解消する為には左右でスポーク本数を変える組み方しかありません。そこで生まれたのが2:1組です。
よって、ハイローフランジと、左右異数組の両方を取り入れるのは大変理にかなっているのです。
そして、手組みの普通のハブだと、それには寸法的な限界が来る為、専用設計でなんとかしようと思ったのが完組の存在意義です。
これまでサクラホイールはその存在意義を満たしていないものばかり作っていました。
しかし今回は違うようです。
のむラボに教え込まれたといえ、寸法的にはかなりいい線いってます。
スペック的には過去最高と言えます。恐らく実際もそんなに悪くないと思われます。(この組み方でよほど悪いものを作る方が難しい)
「sacra」と検索したら、「のむラボ」とサジェストに上がるほど、サクラホイールはのむラボにイジメられ、世間にもその認識が定着しました。しかし、本当に作ってたものが悪いので仕方ありませんでした。
でずか現在は、その「のむラボ」のお陰で、このマトモなホイールを作ることができ、正にのむラボに育てられたと言って過言ではありません。
あぁ、サクラもやっと、(少なくとも理論的には)マトモで、完組を買う価値のあるホイールを作ったか、、
実際乗ってみない事にはなんとも言えんがね笑
あー、乗ってみたい。
って記事ではありません。
なんとこのホイール、
フランジの交換ができるらしいのですwwwwww
これはヤバイ笑笑笑笑
単純に欲しい。。
欲しいよぉー!!(ハブだけ)
将来僕が開発しようと思っていたものの一つが潰されました。いやー、その発想素晴らしい。
しかしまだ、「アレ」については実現不可能な様なので少し安心ですが、それも時間の問題でしょう。
このフランジ交換で何がいいのかと言うと、画像にも書いてありますが、好みの組み方に変更できると言うことです。
ホール数も選択できるので、これまで考えていた「アンな」ホイールや、「コンな」ホイールも組み放題です。
左右で交換すれば、フリー側ラジアル、反フリー側タンジェントの擬似イソパルスが可能になります。(スポーク本数まで変更できるかは知りませんが)
まぁ要するに、これまで手組みだと不可能だった事を、セミ手組みとして実現可能になりうるって事です。
期待されるのは、フランジのラインナップをたくさん増やし、ハブのみで販売する事ですね。手組みの可能性が完組レベルまで広がります。
しかし、sacraというのは、期待を裏切らない様に、期待を裏切るメーカーです。
そこまで気の利いた事ができるかな??(煽り)
もう少し情報を待ちましょう。
あ、今月のサイスポあたりに出てんのかな?
とにかく、これまでアホイール扱いしてきたサクラが変わりそうです。
消費者にコテンパンにされるのはいい事です。
パワーメーターのPioneerも、日本人の厳しいチェックに対応してきて、ここまで高精度、低トラブルが実現したのです。
本気で変わろう、変えようと考えているこのメーカーの姿勢が好きです。
このホイール、もしかしたら完組史上1番「面白い」ホイールかもしれません。
サクラが良くなったかもしれない記事でした。
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4/Mar/2020追記
pdf形式です。
これに関する私の所感ですが、相手が店長であろうが、業界人であろうが、サクラホイールを購入した一カスタマーに対する態度では無いと思います。私が1番気にかかるのは、製品に対する向上心の無さです。当記事で述べたように、いい製品を作ろうとしている気はある様ですが、いかんせん、サクラはどうもクレーム処理と、製品の見直しが苦手なようです。クレームや指摘を自社への罵倒と捉えてしまっているのかも知れません。
パイオニアのパワーメーターが初めて発売された時は、品質だが耐久性だか忘れましたがユーザーから袋叩きに会っていた気がします。しかし、そのおかげか今はシマノに買収されるほど良いモノを作れるようになりました。欧州プロにも機材を提供できるようになりました。あのsrm一強を瓦解し、日本初のパワメをヨーロッパにねじ込んだ功績は大きいです。
サクラに望むのは、どんなクレームも真摯に受け止め、最高の誰にも文句を言わせない製品を作ろうとするその意思です。誰もが出来ることではありません。私だってブログにケチをつけられれば弁解したくなります。でも、だから私のブログはいつまでも凡人の域なのです。サクラがこれから世界で戦いたいと思うのなら、「シマノの元設計者〜」という下らない肩書きで製品を売るのが嫌なのなら、ぜひパイオニア根性を見せて欲しいです。カンパやシマノに買収されるほどになったら、それは大成です。ぜひそうなることを願っています。(と願っていて、当記事ホイールが発表されて、今回の騒動になったんだけどね…。)
サイクルベースあさひの店長も、彼も彼でコンプライアンス的にどうなのかとは思いますが、個人的にはあさひを応援するつもりはないのでノータッチとします。