自分では
電話をかけられなくなってしまった
お母さん

お母さんの携帯電話から
お母さんのボーイフレンドに
電話をかけてあげるのが
私の大きな仕事の一つ…

今日もお母さんの携帯電話から
ボーイフレンドに電話…📱

いつものように…嬉しそうに…
だけど…
言葉の少ない会話…

聞こえ漏れる電話の向こうの声で
今日は、数名の友達が入れ替わり電話口に
居る様子が伺えた…

お母さんは友達の問いかけに
ただ…嬉しそうに
何度も何度もうなづいているだけ

『私のこともぅ忘れちゃったかなぁ』
電話の向こうで漏れ聞こえる
問いかけに…

必死に、聞き取りにくい声で
『覚えてるわょ』とお母さん…

暫く皆んなとの電話を楽しんだお母さん

『また電話するからね』
そう電話の向こうで聞こえた後、
電話が切れた…

そのままお母さんは
黙って下を向いていた

『友達沢山いたの?』
私がそぅ言うと、ようやく顔を上げた
お母さん

一生懸命に笑顔を作ろうとしながら
声を押し殺して泣いてた…

その姿を見た時は
心が締め付けられるようで…
苦しくて痛かった…

私は足をさすって…
あふれるお母さんの涙を
何度も何度もティッシュで拭いた…

私も涙があふれ出て…

お母さんを抱きしめながら
一緒に泣いた…

声をあげて…
親子で泣いた…