初夏を思わせる日々が続いたかと思うと、いきなり初春の頃にもどってしまったような先週末でしたが、皆さん体調など崩されてはいないでしょうか。キットPMはなんとか風邪も引かずに仕事ができています。相変わらずヒノキの花粉には悩まされていますが。今年はヒノキ花粉が異常に多くなっているというニュースを見ただけで、目がかゆくなります。
さぁ気を取り直して、前回の続きをお送りすることにしましょう。
PMに必要なスキル
PMに必要なスキルとは何かについて考えています。
前回、モダン・プロジェクトマネジメント(MPM)を実践するには、MPMのガイドラインを読んで理解しただけでは足りないということを述べました。もちろん、ある程度の経験が必要なのは言うまでもないのですが、ガイドラインの知識と経験さえあれば大丈夫かというとそうでもなさそうです。
よく勘違いされるのですが、ガイドラインは単に考え方と実践のための方法論を述べているだけで、これさえやれば間違いなくプロジェクトは成功するというものではありません。その内容を理解した上で、個々のプロジェクトの特性に合わせてどのようにマネジメントするかを考える必要があります。
要するにガイドラインが差し示している基本的な考え方に沿って、目的、実施体制、期間、成果物、ステークホルダーとの関係など、プロジェクトの特性や日々刻々と変わる外的、内的な環境に対して的確に対応することが必要になります。それは、ガイドラインを理解しただけでできることではありません。
そこで、一体何が必要なんだという問いかけが発生します。この問いに対してキットPMは、PMに必要なスキル要素を「ビジネスアナリシス スキル」、「マネジメント テクニカル スキル」、「ヒューマン スキル」、「コンセプチュアル スキル」、「セルフモチベーション スキル」の5つに分解しました。(下図参照)
ビジネスアナリシス・スキル
ビジネスアナリシス・スキルとは、組織が持つ存在意義(目的)を果たすために必要な施策を策定する活動の能力(機能)になります。
もう少し具体的に考えてみましょう。プロジェクトを実行するとき最も重要なのは、プロジェクトの”目的”を正しく的確に設定することです。こう書いてしまうと、「そりゃそうだ、当たり前じゃん」と思われる方もいるかと思いますが、実際のプロジェクトの現場ではこれがそう簡単でないという事実があります。納得のいかないプロジェクト目的の存在や、不明確な目的設定など良く目にします。そしてこのようなプロジェクトは、大抵どこかで上手く行かなくなるものです。
なぜ難しいのか? それは現代のビジネス活動ではどのようなプロジェクトであっても、組織の戦略的な目的からその要求(目的)が出ているという事実があるからです。つまり、プロジェクトの目的をちゃんと設定するためには、組織の戦略を理解し、そのコンテクストから引き出される”組 織 の 要 求”を基にプロジェクトの”目的”を設定する必要があるからです。
どうです?結構大変な作業だということがご理解できたでしょうか。ただ西欧特に北米では、ビジネスとその環境を理解し、組織のステークホルダーから必要な要求を引出し、総括し、個々のソリューション(プロジェクト)に落とし込むプレ・プロジェクトの活動を「ビジネスアナリシス」として位置付けるべきだとしています。
つまり、プロジェクトとは別の機能として「ビジネスアナリシス」が存在し、その成果をプロジェクトに引き渡すことで、プロジェクトは自分の本来の目的を自認し、その実現に向けて活動することになります。
ただ我が国の実情として、このようなフレームワークはまだあまり認知されていなく、ビジネスアナリシスがそのガイドブック(BABOK®)で示しているような合理的で構造化された活動があるわけではありません。そのためにどうしてもプロジェクトにそのシワ寄せがくるのが実情となっています。つまり、本来「ビジネスアナリスト」が行う活動の一部を、プロジェクトマネージャーが実施することになってしまいます。
次回は「マネジメント・テクニカル・スキル」について考えます。

