いよいよ今年もあと1週間となり、皆さんお正月を迎える準備でお忙しいことと思います。平成最後の天皇誕生日の振替休日の今日、年末のひと時忙しい手を束の間でも止めて、今年を振り返り、来年やるべきことについて考えてみてはいかがでしょうか。
今年も世界的に不安定な政治と経済でしたが、来年はさらにそのカオス度を増しそうに見えます。特に米中の貿易問題に挟まれた日本にどう影響が及ぶのか、また北朝鮮に対するアメリカの動きがどうなるのか不安材料には事欠きません。でも、春からは新しい天皇陛下の御代となります。近年の沈滞した気分を払しょくし、多くの人が少しでも前向きに生きていくことが可能な社会になればと期待しています。そうそうラグビー・ワールドカップでの日本代表の活躍も楽しみです。
さて今年のブログ更新は今回で最後といたします。この数ヶ月ほど、公私の都合でいささかブログ更新をさぼり気味でしたが、来年からは週二回の更新をベストエフォートで守っていくようにします。これがキットPMの来年の目標の一つということになります。他に2つ目標がありますが、それはまたの機会にでも。
寒椿が綺麗です。
■ビジネスアーキテクチャ -21-
●ビジネスアーキテクチャの情報マップ
ビジネスアーキテクチャの「情報マップ」について考えています。ここでおさらいのため、ビジネスアーキテクチャの定義について確認してみましょう。ビジネスアーキテクチャのガイドブックである Bizbok にはこうあります。
「組織の能力・機能、エンド・ツー・エンドの価値提供、情報、および組織構造に関する包括的で多次元的なビジネス・ビューを表す。」
「さらには、そのビジネス・ビューと戦略、製品、ポリシー、イニシアチブ、ステークホルダー間の関係を明らかにするものである。」
つまりビジネスの形を見える化し、そのビジネスを取り巻く要素との関係を明確にするものということです。こうすることで特定のビジネスにおける課題を正しく把握し、適切な対応ができるようになります。
ビジネスの構造つまりアーキテクチャを知ることでよりよいビジネスを構築し実行することができるということです。
逆に考えると、現代のIT技術の高度化とビジネス要素の複雑化の中で、ビジネスアーキテクチャを理解することなく、ビジネスに成功するのは非常に難しくなると思います。ですからこれからもっと、ビジネスアーキテクチャの重要度は増してくると考えます。
もう少し掘り下げて考えると、ビジネスの複雑化とIT技術の高度化は表裏一体のものと言え、そのためビジネスアーキテクチャを考えるとき、IT技術すなわち「情報」をどう取り扱うかが大きな意味を持ち、必然的にビジネスアーキテクチャの中でも「情報マップ」が重要な位置を占めることになります。
さて、その情報マップを展開するために7つのステップがあることはご説明しました。前回からその5番目のステップである「情報コンセプトのタイプを特定する」について考えています。
情報コンセプトとは特定の情報が持つ「意味」であり、「価値」のことです。これを明確にするために、ステップ1で「ケイパビリティから情報コンセプトを抽出」し、ステップ2で「情報コンセプトのケイパビリティに基づく関係性を特定」し、ステップ3で「マッチング・ケイパビリティから関係性を抽出し」、ステップ4で「情報コンセプトを定義」してきました。
定義した情報コンセプトのタイプ(属性)を特定することで、情報そのものの意味と価値を明確にします。タイプを特定するためには、考慮すべき事項があります。一つは前回ご紹介した「アイデンティティ情報」と「補助情報」です。アイディンティティ情報とは、その情報が何者であるかを説明する情報で、補助情報とは情報コンセプトには直接関係がないものの、情報の持つ意味をを補完する情報のことになります。
このように、ケイパビリティ・マップやバリュー・マップ、組織マップ等から抽出した情報の意味と他の情報との関係性を探ることで、情報コンセプトを明確にしていきます。またそれらの情報と関連情報から情報コンセプトのタイプを知ることができるわけです。このようにして理解したビジネスに必要な「情報」の意味と価値を、実際のビジネスでどのように活用するのかを考えるのが次のステップである「情報コンセプトの使用の特定」となります。
注意事項として一つ申し添えると、情報コンセプトを考えるときコンプライアンスとの整合性がとれているかを考慮することは重要です。どれほど合理的かつ必要な情報であるとしても、コンプライアンスから逸脱する情報コンセプトを受け入れることは全体最適とはならず、ビジネスの負の要素となってしまいます。
次回は「情報コンセプトの使用の特定」について考えていきます。
