皆様新年明けましておめでとうございます。この年末年始9連休だったキットPMですが、長いような短いような正月休暇もあっという間に終わり、明日から仕事再開となります。既にお仕事を再開されている方もたくさんいらっしゃるとは思いますが、お互いにこの一年頑張っていきましょう。
さて、今年の年明け株式市場は昨年末に引き続き”下げ”で始まりました。為替も円高が一挙に進み年初から波乱含みの展開となりましたが、金曜日のアメリカダウ平均は大幅に反発したようです。果たして週明けの東証も大反発するのか、この先は明るい見通しとなることを期待したいものです。
今年は4月の天皇陛下の譲位、7月の衆参同時選挙も噂されている参議院選挙、秋のラグビーワールドカップ、10月の消費税増税(予定)など国内のビッグイベントが目白押しです。海外では3月にイギリスがEUを脱退し、アメリカがシリアから撤退し、中国の経済退潮が鮮明となり、隣国韓国との軋轢も拡大しそうな様相と心配事は尽きませんが、自分にできることを着実に進めていくことが肝要だと思います。慎重にでも積極的にかつ前向きに様々なことに取り組んで行こうと思います。
■ビジネスアーキテクチャ -22-
●ビジネスアーキテクチャの情報マップ
さて今年最初のブログ更新ですが、昨年に引き続き、
ビジネスアーキテクチャ>情報マッピング>情報マッピングの方法
から「情報コンセプト用途の特定」をお送りします。情報マッピング作成方法ですが、7つプロセスがあったのを覚えていらっしゃるでしょうか。1.ケイパビリティから情報コンセプトを抽出する 2.情報コンセプトのケイパビリティに基づく関係性を特定する 3.マッチング・ケイパビリティから関係性を抽出する 4.情報コンセプトを定義する 5.情報コンセプトのタイプを特定する 6.情報コンセプトの用途の特定 7.情報マップを検証する でした。昨年末に5つ目まで進めて来たので、今回から「6.情報コンセプトの用途の特定」プロセスについて考えていくことにします。
「情報コンセプト」とは、「ビジネス・オブジェクト」同士の関係性を現すものという説明を以前しました。また「情報コンセプト」はケイパビリティと深い関係があり、個々のケイパビリティの種類とレベル毎に「情報コンセプト」が存在します。
以前の説明ではこう申し上げました。例えば「契約管理」というレベル1のケイパビリティがあると、そのコンセプトは「契約」ということになります。また「契約管理」の下にレベル2の「支払管理」というケイパビリティがあるとすると、そのコンセプトは「支払」ということになります。さらにレベルを落とすと「契約先管理」というケイパビリティがあり、そのコンセプトは「契約先」となりその下位に「契約先連絡情報管理」があれば、そのコンセプトは「住所、担当者電話番号、担当者eメールアドレス」等となります。このように上位レベルの」ケイパビリティのコンセプトは抽象的ですが、下位レベルになると具体的なコンセプトが紐づくことになります。
ケイパビリティが包含する「情報コンセプト」を明確にすることで、ケイパビリティの持つ意味もまた明確になります。ケイパビリティから抽出した「情報コンセプト」を、「4.情報コンセプトを定義する」 「5.情報コンセプトのタイプを特定する」でコンセプトの素性を明らかにしました。次のステップ「6.情報コンセプトの用途の特定」ではそれを確認する作業を行います。
抽出した情報コンセプトとケイパビリティを相互に参照することで、情報コンセプトをこれまでと異なる視点で定義することで、ケイパビリティの本質をより明確にすることができます。具体的には情報コンセプトの実体(インスタンス)を次の4つ特徴で分類します。
1.ケイパビリティによって使用されるが、それによって変更されない
2.ケイパビリティ(ポリシーなど)によって作成される
3.ケイパビリティ(請求など)によって使用および変更される
4.ケイパビリティによって破壊される
1.は、ある情報が一つ以上のケイパビリティで利用されるが、情報そのものは変更されないというパターンです。例えば配送係が商品発送のために住所、氏名等の顧客情報を参照するが情報を変更しないというような場合です。2.はケイパビリティが情報を生成する場合です。3.は請求処理等のようにケイパビリティが情報を利用しかつその結果で変更を行うものです。4.はいささか特殊ですが、トレーサビリティのための情報など期間を限定することなく保持する必要のあるものについて、アクセスを可能にする機能(ケイパビリティ)が情報を壊す可能性があるということです。
さてこの4つの特徴で情報を分類することで、ビジネスフロー上で情報の流れを追跡することができます。また、情報を変更する可能性を持つケイパビリティを特定することで、情報ガバナンス・ポリシーの定義の助けになります。
いかがでしたでしょうか。情報コンセプトとケイパビリティの相互参照で、情報に新たな属性をプラスできることをご理解いただけたでしょうか。次回も、6.情報コンセプト用途の特定 をさらに掘り下げて行きます。