
さて、前回までモダン・プロジェクトマネジメント(MPM)の課題について考えて来たわけですが、MPMが日本の社会の中に定着するためには、他にも沢山の障壁があります。
時に、日本であるからこそ、日本人であるからこそ問題を複雑にしていることもあるように思えます。これは重要な視点です。
一方、組織の中で今後ますますMPMの重要性は増してくるのは間違いありません。であれば、この日本社会の特徴と親和性の高いプロジェクトマネジメントのあり方を考えることは、有意義なことではないでしょうか。
と、またもや大きなテーマに無謀な挑戦をしようとしていますが、以前から一度取り組んでみようと思っていたテーマです。
途中で腰砕けにならないよう努力してみますので、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。
以前、「モダン・プロジェクトマネジメントを阻む者たち」の回でも書きましたが、なかなか組織の中にMPMが浸透していかないのは、大きく3つの理由があるからだと考えました。
一つは、組織の経営者が必要性やメリット、デメリットについて正しく理解していないこと。二つ目は、マネジメントとプロジェクトマネジメントの区別が明確でないため、専門家としてのスキル形成が難しいこと。最後に、現場のマネージャ自身が自己の成功体験に依存したマネジメント手法をとることでした。
その他にも課題としてあげた、幾つかの必要だけど実行されないマネジメントポイントがありました。
では、日本的な習慣や考え方がMPMの実施を阻むものとは何があるのでしょうか。
これまでの本ブログの考察の中でも何度か触れてきましたが、その最たるものは縦社会による村意識だと考えます。村意識というのは、必然的に部分最適を目指すことになるということです。
昨今、グローバル化や情報へのアクセスが20年前と比べようもないくらい、多様化し手軽になったことで、我々の意識もずいぶん変わってきたと思いますが、まだまだその途上にあると思えます。
製造業ではトヨタのカンバン方式(JIT)が、日本初の生産方式として世界的に認知されています。これは、明らかに部分最適を排除し、全体最適を目指すモノ造りの考え方です。
多くの製造業がトヨタにならって、カンバン方式を採用しましたが十分に効果を上げることができない会社もたくさんありました。
それはこの手法の本質的な部分である「思想」を理解せずに、テクニックとして取り入れようとしたことも原因の一つだと考えます。
さらに考えると、製造業以外でこの全体最適な「思想」を取り入れている組織はまだ少ないようです。
どうやら、ここに大きな問題があるように思えます。
次回、これをさらに掘り下げていきます。