前回、正しく目的が設定できなかった場合の一例をあげてみました。実はこの問題は会社の方針や戦略がちゃんと全社で共有できていないというところにあるのはお判りですね。PMに全ての責任を押し付けるのは酷なことかもしれません。でも、PMであれば最初にそのレベルまでステップバックして自己のプロジェクトの位置づけを考えないといけないわけです。
私の経験では真の目的まで辿りつくのに、それを考えることの必要性や、分析など数週間の時間を使うこともありました。TOPもしくは責任者がちゃんとそれを理解しているといいんですが、なかなかそうは行かない場合もあるということです。そのためのプレゼンテーション力やコミュニケーション力が問われるわけですが、それはまた別の機会に。
あっ、先程の例だと真の目的にたどり着いた後に、当初プロジェクトオーナーが目指していた目的とは180度ことなる目標を設定しなおしてしまいました。結果としてそれでオーナーには感謝されたわけですが。もし、当初のまま進めていたら、とんでもないことになった可能性があったので、いい評価を得ることができました。 いかがでしょうか、目的の設定の重要性もう一段深く理解していただけたでしょうか。
さて、今回は真の目的を隠してプロジェクトが進すむ場合の例です。えっ、なに?隠して?どういうこと?と思ったあなたは幸せな人かもしれません。世の中では実に信じられないことが起きるのです。
まず、経営者が経営上の秘密を守るために、敢えて異なる目的を設定して作業を進めさせるということがあります。M&Aや株式公開などのイベントが絡むとこういう事が起きる可能性がありますね。この場合、PMにどこまで情報を公開するかなかなか判断が難しところですが、モダンPMを進める立場からは全て公開しないと、結果として満足の行くものが得られないと思っています。
次に(これはよくあるパターン)、プロジェクトの目的とは異なる現場の問題点をプロジェクトを使って解消しようというやり方です。つまり「あっ、そこ改善するならちょとこれも何とかしといてよ。予算取るのが大変だから、プロジェクトでうまくやってくれればラッキーなんだけど」というやつです。このパターンには結構出会います。もちろん、基本的にはノーです。ついでの仕事のためにプロジェクトそのものが危うくなった例もあります。ただ、要求が合理的で価値があると判断した場合、受け入れることもあります。その場合、プロジェクト憲章や計画書に新しい目的を追記することになりますが。つまり、プロジェクトととして新規要望を取り込んでしまうということです。リスクは増しますが、PMの判断として行うことは可能です。
最後に、プロジェクトを潰すことを目的としたメンバーがいる場合があります。もちろん表立って反対したりはしませんが、陰に陽に足を引っ張りプロジェクトを中止に追い込もうと画策します。例えば、ある担当者しか運用できないシステムを置き換えようとするプロジェクトで、その担当者の参画は必須ですが、担当者にとってはプロジェクト終了イクオール会社での存在価値低下となるわけですね。下手すると馘首になります。こういう人がメンバにいると早めに排除するか、プロジェクト後の役割を明確にして安心させるしか良い方法が思いつきません。まぁ、こいうこともあるということです。ですから、PMとして個々のメンバーの背後の事情を知っておくにこしたことはありません。
プロジェクト目的を誤る3つのパターンをご紹介しました。もちろんPMが本質的な目的を追求せずに表面的な目的設定満足してしまう場合もありますが、これはもはや論外ということですね。
次回は、目的にたいする目標とは何かについて考えいていきます。