車を使えば一時間で見て回れる里山を、足で歩けば四時間かかる。

寄り道も迷い道もしないから、、、。

車窓から見る景色は、走馬灯。あっという間に消え去って、記憶には残らない。

足で歩けば景色は止まって見え、足元に咲く小さな花にも目が留まる。

そして気づけば、、、四時間。時が止まったよう。

時間は伸び縮みする。便利さを追い求めれば、時間に追われて止まることもできない。
でも不便さを楽しめば、時間は遠くに逃げていく。

今では数値的豊かさばかりが世界を覆っている。ITがもたらす便利さは、まさしく数値で表すことができるものばかり。

しかし、一時間より短い四時間の豊かさを生み出せるだろうか?

ITが作り出す便利な社会は、これからますます広がっていくだろうが、その時人間は不便を楽しむことができるだろうか?