魔女はすっかりドラゴンの住む世界に心を奪われてしまいました。(ずっとずっとここで暮らしたい)そう思いました。しかし、それはほんの一瞬の思いでした。


 魔女のなかの「なにか」が声をあげました。それは、つなぐ力の声でした。そして彼女に、人間たちの住む世界を思い出させたのです。


(この輝きを人間たちの住む世界に届けたい)その思いがどんどん強くなっていきました。魔女のつなぐ力が強まったのです。


 ドラゴンの住む世界には、なにも持ち出してはならないという掟がありました。ですから、魔女の望みはその掟を破ることでした。しかし、魔女はその掟を知りませんでした。