Keith Jarrett『Birth』

1971,7,15
1971,7,16 (Atlantic)

Keith Jarrett (pf,ss,recorder,banjo,steel-ds,vo)
Dewey Redman (ts,cl,chinese musette,bells,per,vo)
Charlie Haden (ba,steel-ds,congas,clappers)
Paul Motian (ds,steel-ds,bells,miscellaneous per)

1.Birth
2.Mortgage On My Soul (Wah-Wah)
3.Spirit
4.Markings
5.Forget Your Memories (And They'll Remember You)
6.Remorse


1971年3部作の中では最も次のステップへと進んでいく意欲が感じられるアルバム。
キースとレッドマンのデュオから幕を開けるタイトル曲からして他2作と雰囲気が全く違い、いよいよECM的な美しい要素が顔を出し始めている。
当時のマイルスバンドからの影響なのか、大胆にもベースにワウのフィルターをかけた#2「Mortgage On My Soul (Wah-Wah)」も新しいし、今までのスピリチュアル路線も#3「Spirit」にて遂に儀式的な気配が出ているし、投げっぱなしで終わらずにキースのピアノがしっかり〆ているのも好印象。

レッドマンのプレイが馴染んできていて、唸り声を混ぜたような独特な奏法もあり、アメリカン・カルテットとしてのスタートラインに立ったことを感じる。
とは言え、スピリチュアル系の楽曲は無数のパーカッションを無作為に鳴らしてるようにも聴こえるので、依然として敷居が高いことには変わりはない。