Lennie Tristano『Tristano』

Lennie Tristano『Tristano』

1955 #1,2,3,4

1955,6,11 #5,6,7,8,9 (Atlantic)

Lennie Tristano (pf)

Lee Konitz (as) #5,6,7,8,9

Peter Ind (ba) #1,2,3,4

Gene Ramey (ba) #5,6,7,8,9

Jeff Morton (ds) #1,2,3,4

Art Taylor (ds) #5,6,7,8,9

1.Line Up

2.Requiem

3.Turkish Mambo

4.East Thirty-Second

5.These Foolish Things

6.You Go To My Head

7.If I Had You

8.Ghost Of A Chance

9.All The Things You Are

実験性の強いスタジオ録音のA面と、寛ぎを感じさせるライブ録音のB面とで大きく雰囲気が異なるアルバム。

前半ではピアノの録音テープの回転数を上げることで、微妙なピッチと削ぎ落とされた倍音で唯一無二のピアノの響きを獲得した#1「Line up」#3「East Thirty-Second」が非常に不気味。

まだオーバーダビングが主流じゃなかった時代にピアノを3台重ねて録った#3「Turkish Mambo」では5拍子・6拍子・7拍子のリフがそれぞれ混じり合うポリリズムな試みで、210拍に一度だけビタッと合う数学的な面白さも。

そのどれもが従来のジャズとは異質な温度感で、例えるならばドライアイスの冷たさで火傷をするようなクールさ。

後半のライヴ録音はリー・コニッツが参加したカルテットで、選曲もスタンダードばかりなので一転して非常に聴きやすい内容。

サバサバとしつつもどこかウォームなコニッツのアルトに対して、トリスターノのピアノはやはりどこか歪。