S.キューブリック監督『シャイニング』 ラストシーン | 全田一耕助の事件簿

S.キューブリック監督『シャイニング』 ラストシーン

スタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』(1980年)。
写真に写ったジャック・ニコルソンのアップで終わるのはご存じのとおりですが、
最初に映画が完成してプレミア上映された時点では、
その後に約二分間のラストシーンが存在していました。
しかしキューブリック監督の意向でそのシーンは全て削除され、
以後、その映像は公表されることなく現在に至っています。

その幻のラストシーンが、これです。


全田一耕助の事件簿

このラストシーンの内容をかいつまんで書くと、こんな感じです。

入院しているウェンディとダニーを、ホテル支配人のアルマンが見舞いに来ます。
アルマンは、ホテルでの現場検証が終わったことを告げます。
それから、「今後、行くところがないなら、LAのうちに来ないか?」と二人を誘います。
答えを保留し、アルマンは帰ろうとしますが、
「そうだ、忘れるところだった。受け取って」とダニーに黄色いボールを投げ渡します。
それは、ホテルの廊下でダニーのもとに転がってきたのと同じボールです。
アルマン「また明日、ダニー」
そしてシーンは変わり、シートに覆われたホテルのロビー。
『オーバールック・ホテルは毎年5月20日から9月20日に営業。冬の間は閉じられる』
というような字幕が出て映画は終わります。

このボールを投げ渡すカットには、なんと132テイクが費やされたそうで、
最も多くのテイクを重ねたカットとしてギネス記録に認定されています。
そこまでやっておいて最終的にカットしてるんですから、さすが完璧主義者ですね。