いやはや、警察官というのは、本当に、大変なお仕事なのでございます。
【おことわり】
こちらの筋追いは、気になったドラマを、世に出回る商業翻訳ではなく、ドラマ好き有志の英訳・もしくは配信サイトの英訳をもとに、(英語ができないくせに)果敢に訳した「なんちゃって訳」となっており、多少、ストーリー展開は訳者の願望に寄ってます。内容を把握しながら、突っ込んだり、賞賛したりしたいという、ドラマ好きの発露です。
ラストまでの完全ネタバレです。
なお、扱う内容も、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。![]()
『猟罪図鑑 ~見えない肖像画~』
猎罪图鉴(獵罪圖鑑) / Under the Skin
2022年(中国)3/6~ 3/16, 2022
45分×全20話
脚本: Jia Dong Yan、 Wu Yao
演出: Xing Jian Jun
前記事未読の方は、こちらから
#EP10-3
~店内~
血相をかえて、店の中に戻ってきた楚天啓を見たフォン、すぐさま立ちふさがり、押さえつけようとしたものの、
身長も高く、ガタイのいい楚天啓は、見た目以上に力が強く、テーブルに向けて突き飛ばされ、その場に倒れこんでしまうフォン。
店のカウンターの下に隠していた銃を取り出すと、
店内に客がいてもお構いなしで、銃をぶっぱなし始める楚天啓。
ありえん!
こいつ、アタオカだろ!
店の中に入ってきた杜城にも、容赦なく、銃が発射される。
なんとか身をかわした杜城。
その隙に、楚天啓は、すでに、店の奥へと姿を消している。
慌てて、追いかける杜城。
裏の入り組んだ細い路地を駆け抜けて行く楚天啓。
路地を先回りしながら、追いかける刑事たち。
刑事に向かっても、容赦なく、銃撃してくるため、なかなか追いつけない。
そりゃ怖いって!
そんな大捕り物の中、防弾チョッキむき出しのまま、バンから出てきた沈翊も、そのまま路地に入り込む。
なにも知らずに、路地に入ってこようとした一般人に対して、下がるように指示したり、一応、警察官のお仕事はしてます。
路地の角角で、いちいち立ち止まり、銃を構える沈翊の、慎重かつ慣れてない感じ、すごく出てます。
だって、どこで出くわすか、わからないんだもん。
その一方で、入り組んだ細い路地を逃げまくる楚天啓を追いかけ続けている杜城。
そう言えば、初回、北江の街中の細い路地が全部頭に入っているように、賊を追い詰めたことを思い出すねぇ。
緊迫した状況が続く中、逃走を続ける楚天啓を、タックルで倒す杜城。
乱闘の最中、拳銃を手にした楚天啓が、とうとう杜城に向けて発砲。
この時も、楚天啓から銃を向けられてても、まったく怯まないのよ。
路地を走ってきた沈翊、銃声とともに、杜城が撃たれ、仰向けにひっくり返った場面が、そこだけ切り取られたように、目に飛び込んできて、
大パニック。
沈翊「杜城! 杜城!」
それでも、拳銃を構えなおし、声を掛け続ける。
沈翊の、腹の底からの大声なんて、なかなか聞けませんからね。まじレアです。
沈翊が路地を曲がったところで、すでに、追いついていたフォンや他の刑事たちが、楚天啓を確保したのが見えて、
ようやく安心したように天を仰ぐ。
途中、拳銃を手にした沈翔の腕がブルブル震えてるところとかあって、見てるこっちまで、思わず力入っちゃいました。
すぐさま振り返ると「杜城! 杜城!」と何度も杜城の名を口にしながら、倒れた杜城に駆け寄る沈翊。
沈翊「杜城! 大丈夫か?」
数人がかりで、楚天啓を制圧できたところで、杜城に駆け寄る沈翊の姿を見たフォン。
フォン「城隊!!」
ひと際、大きく叫ぶフォン。← 彼の“城隊Love”ぶりが、こんなに必死だからと言って、このフォンの激情を、私のBLアンテナは全く拾いません(笑)
※ま、この人の場合、(ハンちゃんへの)片思いぶりの分かり味がストレートすぎる、ということもありますけども。(笑)
実際、杜城×沈翊とは、全然違うことが、以降、はっきりわかると思います(笑)
胸を押さえながら、
「痛ってぇ・・死にそう」と薄目をあける杜城。
意識があり、声も出せる杜城を見て、ようやくひと息つけて、その場に、へたりこむ沈翊。
見れば、防弾チョッキを着こんでいたとはいえ、銃弾は左胸に命中してました。
着てなかったら、大変なことでした。
もちろん、まったくの無傷ではなく、おそらく、衝撃で痣くらいにはなってると思いますが・・・。
同時に、ここで杜城、一応、楚天啓がちゃんと確保されたかどうか、チラリと視認するわけですが・・・、
そんなことよりもですね、奥様!
次の瞬間、杜城ったら
1)沈翊がバンの外に出てきて、
2)銃撃戦となった路地にいて、
3)しかも撃たれた自分のすぐ側にいるという状況がわかった途端
開口一番、なんと言ったと思います?(笑)
杜城「お前、なんで来たんだよ?(てっきりバンに残ってると思ってたのに・・・)」
あ、すみません。
字体、これでもかっていうくらい、大きくしてますが、そもそも、そんなに力をいれて喋ってるわけじゃないです。m(__)m。
でもいいの。
ずきゅ~~~ん!!
こんな王道な台詞・・・ヒーローに言わせられるのは、“守られポジション”ヒロインしかいません。
類似表現:お前、なんで、ここがわかったんだよ?
:向こうで待ってろって言っただろうが!
それくらい、杜城は、沈翊を危険な場所に来させるつもりなんて、一ミリもなかったってことです。
沈翊「こんな貴重な場面、見逃せるか?(自分だけ安全なところになんていられると思うか?)」
ほら、どんどん妄想が・・・誰か止めて・・・いや、止めないで・・(笑)
この杜城が撃たれたシーンなんて、映像で見れば、ほんの1分程度で、実にあっさりとしたものですけど、私にすれば、10話のメイン級(笑)
そんな沈翊の減らず口を聞きつつ、撃たれた衝撃で咳込む杜城。
腕時計で、時間を確認する杜城。
杜城「72時間以内に任務完了だな」
これが、杜城が抱えてる隊長の重圧ってやつですね。
それもこれも、助かったからこそ・・・。
思わず、笑顔になる沈翊。
とは言え、手錠を掛けられても、暴れている楚天啓、鍾馗様(五月人形でおなじみの中国の伝説に残る神様)みたい。
ね、似てるでしょ(笑)
どっかで見たことある顔だなぁって思ってて、個人的には、自力で思い出せてスッキリしたんです。
~北江分局 刑警隊~
分局に戻ってきてから、フォンが、後輩刑事の李俊輝(リー・ジュンフイ)を叱り飛ばしてます。
フォン「李俊輝! この腰抜け! お前には、奴を捕まえるチャンスがあっただろ!なのに、結局、怖くなって逃げ出したんだ。お前のせいで、城隊が撃たれたんだぞ! は?」
神妙に俯いている李刑事。
(この李刑事、今までも割と出てきてたよね。)
李俊輝「すみません、俺はただ・・・」
フォン「ただ、どうした? たとえ、あいつが銃を持っていようと、お前、防弾チョッキ着てただろ。それで、なんで怖がることがある!」
ずっと怒鳴り散らしているフォン。
まぁまぁ、フォンたん、その辺で・・・。
フォン「俺たちは警察官だ! 誰かが危険な目に遭っていたら、その前に出て立ちふさがらなきゃならないんだ。もし、お前が逃げ出したら、他の誰かが危険に晒されるんだぞ、わかってるのか!」
確かに、李刑事に対してはちょっと厳しすぎる言葉を連発してるけど、フォン自身、なんのかんの言っても、日頃からこの心意気で、現場に立ってるんだ、と思う。
それはそれでなんか、泣きそう。
それに、厳しい言葉をかけるのも、副長の役目だったりするんだよね。
でもさ、本音を言えば、防弾チョッキは全部をカバーしてくれるわけじゃないんだし、やむを得ない場合を除き、自分の身を盾にしてっていう状況は避けてほしいし、そういう指導であってほしいにょ。
そこに登場したのは、杜城です。
杜城「それくらいにしておけ!」
興奮状態のフォンに、「俺は死んでないぞ」と言い含める杜城。
杜城「小李は、まだ新人だ。あの状況で、そうなったとしても仕方がない」
李刑事「申し訳ありません。城隊・・」
消え入りそうな李刑事。
杜城「ああ、もういい、もういい。悪くなんて思うな。俺はなんともなかったんだ。あくまでも、経験を積んだと思えばいい。 だが、これだけは忘れるな。 俺たちは、市民と犯罪の間の最後の防御壁だ。なにが起ころうと、その防御壁だけは突破されるわけにはいかない」
意味合いは先ほどのフォンの言葉とほぼ同じ。
結局、フォンは、杜城イズムを受け継いでるということがよ〜くわかりますね。
李刑事「・・・はい」
ポンと、李刑事の肩を叩く杜城。
杜城「さぁ、もうこれでこの件は終わりだ。解散!!」
フォンに対しても、背中を軽くポンと叩く杜城。
自分のためだけじゃなく、警察官の先輩として、本気で後輩を叱ろうとしたこともちゃんとわかってるんだよね。
実際、杜城自身だって、そうやって、フォンのことを育ててきたんでしょ。
で、今日も実際、楚天啓の拳銃に撃たれちゃったわけだけど。
命いくつあっても足りないじゃん(涙)
だけど、李刑事、すごく真面目そうだし、その後もひとり、立ったまま、重く受け止めちゃった感じだけど、大丈夫かな?
なんか、すごく心配になるよね、この感じ。
~聴取室~
早速、楚天啓の取り調べ開始です。
フォン「(自分が)なにを供述すればいいか、わかってるよな?」
さきほど、暴れ狂っていた人物とは思えないほど、落ち着いている楚天啓。
楚天啓「宝石店の強盗は、俺がやった」
フォン「華暢の宝石店は?」
楚天啓「それも俺だ」
すんなり自供した楚天啓。
楚天啓「どんな罪に問われても、全て受け入れる」
杜城「有罪かどうかの判決を下すのは裁判所の仕事だ。・・・最初からやっていこう。銃はどこで手に入れた?」
楚天啓「以前、国境で商売をしていた時に、外国人から手にいれた。」
杜城「宝石店を強盗したのはなぜだ?」
楚天啓「金が必要だった」
杜城「他には何を奪った?」
楚天啓「なにも・・。ある程度の金が手に入れば、それで十分だったんだ」
杜城「だったらなぜ、7年後にまた強盗を働いた? また、カネが足りなくなったのか?」
ああ、と頷く楚天啓。
杜城「穆偉の血痕についてはどうだ?」
楚天啓「・・・・・」
ここで、はじめて、供述をとめる楚天啓。
沈翊が描いた似顔絵を見せる杜城。
杜城「小安のためにしたんだろ?」
急に、小安の名前が出てきて、顔色を変える楚天啓。
杜城「DNA鑑定の結果はもうすぐ出る頃だろう。お前が、小安の実の父親だな?」
そこまで、調べがついてるのだとは思ってなかった様子の楚天啓、逆を言えば、ここまで知られているのなら、ある程度までは供述するしかないってことだよね。
~回想~
妊娠した賀虹のお腹に耳を当てる楚天啓。
賀虹「ほら、動いた、動いたわ。ねえ、今のわかった?」
楚天啓「確かに・・・本当に動いてる」
嬉しそうに明るく笑う賀虹。
この人の、こんな笑顔、はじめて。
🚩 きっとこれが本来の賀虹なんだよね。
楚天啓「結婚しよう!」
にっこり笑う賀虹。
賀虹「でも、私達、全然お金ないわよ」
それほど、苦にする様子でもなく、呟く賀虹。
今はただ、赤ちゃんが無事に生まれてくれれば・・って感じなのかな。
父親となるほうの楚天啓としては、そうも言ってられません。
賀虹の肩を抱き、「俺がなんとかする」と請け負う楚天啓。
まさか、それが宝石強盗だったの?
← ・・・そうだったみたいです。
・・・そんなふうにして、最初の事件は、幕をあけたんですね。
華暢宝石店の入口がよく見える位置から、
店内の様子を窺う楚天啓。
ふと思いついたように、スマホを取り出すと、賀虹の連絡先を削除する。
楚天啓<賀虹を巻き込むことが怖かった俺は、自分の計画を彼女には黙っていたんだ。もし、成功したら大金をもって二人でこの地を離れよう、失敗したら、俺のことなど完全に忘れればいい、と考えたんだ>
つまり、この人は、無自覚だったかもしれないけど、最初から50%、身重の賀虹を捨ててたってことだよね。
楚天啓<でも、(ほとぼりが冷めた頃)俺が戻った時、彼女は、当時住んでいた家にいなかった。お腹に子供がいたっていうのに、女一人、一体、どこに行ったって言うんだ? それからの7年間、俺はずっと彼女を探し続けたよ>
こんなにも愛情深い一面があるのに、この人の“愛”は、どこか形をつくろうことばかり。それが哀しい。
楚天啓「とうとう、彼女を見つけた時、彼女はもう別の人と結婚していたんだ」
~回想~
時期はわかりませんが、それほど前のことではなさそうです。
偶然、通りをキックスクーターで走っていた小安が、バイクを洗っていた楚天啓のもとに誤って突っ込んでしまう。
楚天啓「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」
ケガがないか、すぐに確認する楚天啓。
こんな優しい一面もあるのにね。
見知らぬ大人の男性に対し、緊張した顔になる小安。
楚天啓「次は、前に誰かがいるか、よく注意するんだよ」
注意の声掛けも、とても穏やかです。
後ろから、駆け付けてきた賀虹。
賀虹「小安!」
楚天啓には、すみません、と頭を下げ、小安に対しては、「さぁ、こっちにいらっしゃい。 どこかケガしてない?」と声を掛ける。
ううん、と首を振る小安。
賀虹「大丈夫なのね?今度からは気を付けるのよ」
突然、ずっと探し求めてきた賀虹が目の前に現れ、目を見張る楚天啓。
立ち上がり、改めて、「申し訳ありませんでした。まだ、娘は幼いものですから、ちゃんと出来なくて・・・私から、お詫びします」と謝る賀虹。
楚天啓「・・・・・・」
🚩黙ったままの楚天啓を、不思議そうに見る賀虹。
楚天啓「ほ・・・賀虹?」
賀虹「?」
楚天啓「今まで、どこにいたんだ?」
賀虹・小安「?」
楚天啓「俺だよ。天啓だよ。」
全く覚えがなさそうな賀虹。
楚天啓「楚天啓だよ!」
ママ、このおじさん、知ってるの?と、見上げる小安。
賀虹「・・・・・・」
楚天啓「俺のこと、覚えてないのか?」
そこに、一緒だったのか、あとから追いついてきた穆偉。
(当然の如く)初対面の楚天啓に対しても睨みつけてるよ。
穆偉「(賀虹に)なにしてる?(怒) 飯、食べたいのか、食べたくないのか? いくぞ!」
しかも、口を開けば、口調は暴君。
どうやら、家族で食事に出かけるところだったみたいです。
男性の存在に、少し、賀虹から離れる楚天啓。
黙って、穆偉のあとに続く賀虹と小安。
その後ろ姿を見つめる楚天啓。
小安の手を引きながら、さりげなく振り返る賀虹。
楚天啓「その瞬間、あの女性は賀虹に違いない、と確信したんだ」
ここで切ります。
★『猟罪図鑑』Ep.10-3 雑感★
国によって、やはり警察組織に対する考えも違うんだろうから、あまり、あ~だこ~だ言えないけど、心構えは別として、命を盾にすることを強制するような雰囲気はどうしても受け入れがたいかな。
【フライングネタバレ】(この先の展開的に)ドラマ的な流れを作りたい・・っていうのが透けてみえる部分もあって、ちょっと苦言を呈したい気持ちになったことも確かです。
杜城が撃たれるという緊迫した状況に遭遇し、さすがの沈翊も、いつもの冷静さを欠いた様子で十分レアでした。
杜城の一言も、彼の気持ちが駄々洩れで(笑)、なにより、その発言の意図が、たぶん、本人たちですらわかってないところに、びび、萌えまくる(笑)
一方で、沈翔が、戦えもしないのに「自分だけ黙ってみてなんていられない」とばかりに、危険な場所に赴き、挙句の果てに、仲間を窮地に陥れる系ヒロインという、最も嫌われるキャラになるところを回避できて、よござんした。
(実は、もし、そうなったらどうしよう、と、ちょっと心配してた)
ま、そもそも、沈翊はお節介でのこのこ出かけていったわけじゃなく、任務の一環だったんですけどね(笑)
しかし、こうして改めて見ると、賀虹や小安に対しては優しく愛情深い面を持つ楚天啓という人物の、
・周到に計画を立てる頭の良さや冷静さがあるかと思えば、行き当たりばったり
・反社会的で短絡的かつ残酷な面もあり、
・ひとたび、なにかあれば、分別がつかず粗暴になるなど、
悪の面でも多様性を見せてくれるキャラクターなのが、大混乱の元。
ほんと、一人何人格なんだ。(笑)
典型的な裏街道の人間と言えばそれまでですが、若き日の賀虹には、その実像が見えてなかったのかな。
あとから出てきますが、この当時、賀虹は20歳だったらしいし、地方から出てきて、頼る人もない境遇で、楚天啓だけが頼りだったのかも。
男運の良し悪しってやつは、なぜか偏っちゃうものなのか・・・。
そして、突然、楚天啓と連絡が取れなくなり、 大きなお腹を抱えた賀虹の7年間が最大のポイントになってくるわけですね。
★『猟罪図鑑』Ep.10-4に続く★





























































