これは、2ブロックめです。
【Ep.10】 (1/5) はアップ済みです。。
そこまで、悲壮感がなくなって、ほっとしてます。
なお、本サイトは、異性愛だろうと同性愛だろうと「どーんとこい!」でして、ある一部の性的指向を称賛するものではありませんが(笑)、若干、作品選定において、バランスは欠いております。
誰かにとっては不適切なテーマ、扇情的な言葉や画像を含むかもしれません。ごめんなさいです🙏💦💦
いつものごとく、本格的なネタバレ&上記のご注意をご理解いただき、OKの方のみ、おすすみください。
5分割しています。
前半未読のかたは、こちらからどうぞ
『Lovely Writer』
นับสิบจะจูบ
【Ep.10】 (2/5)
~Nubsib宅 庭~
こちらでは、盆栽を愛でてるWat(Sibパパ)。 ← 一人だけ、名前を出さないのもどうかと思うので・・・。
ゆっくりと近づいてきたのは、Orn。
Orn「どうして、何事も起きてないみたいな振りをしているの?」
多少、不満がないわけではないものの、ただ、夫の気持ちを知りたいと思っているような口ぶりです。
その問いかけに、直接答えず、目の前の鉢を差ししめすSibパパ。
Wat「この盆栽の鉢を覚えているかい?」
Orn「もちろん、覚えてるわ。私がオークションであなたに競り勝ったIyu庵の鉢でしょ。」
Wat「そうだ。君のお母さんは、当時、これをものすごく欲しがってた」 ← U-Next英訳
Orn「ええ。だから、負けるわけにはいかなかったの。」
Wat「初めて会った時を思いかえすと、今となっては、おかしくならないか? お互いに、一歩も譲らなかった・・」
Ornも当時を思い出したように、少し微笑む。
Orn「・・・結局、私の鉢とあなたの盆栽が一緒になってしまったのね」
その言葉を引き出したかったように、にっこりするSibパパ。
Wat「こんなことになるなんて、あの時、誰が想像できた? とにかく、いずれ、自分のものになることをわかってたら、あんなに争わなくても済んだのに・・・」
夫の言葉に、どこか含みを感じるOrn。
Orn「どうして、突然、それを持ち出してきたの?」
Wat「・・・私たちは、この盆栽を長い間、剪定し続けてきた。そう思わないか?」
夫を見て、言わんとしてることをくみ取ろうとするOrn。
ああ、この言葉、ぐっときた。
なんて、出来た人なの、このパパ!
男前なのはもとより、物の通りがわかってて、奥さんのこともわかってて、家族のことをとても大事に、愛情込めてきた人だって、すごくよく伝わるね。
さすが、悠久の時の流れを愛する盆栽愛好者。
じっと、盆栽を見つめるOrnの目の端は、すでに、潤み始めてる。
優しく、ん?と見返し、小さく頷いてみせるパパ。
それにこたえるように、小さく頷くOrn。
Sibの両親の気持ちは決まったようです。
~Gene宅 テラス~
柵に手をかけ、外を見つめているGene。
Sibからの電話を取ると、「今、どこだ?」と第一声で訊ねる。
Sib「すみません。うちの家族が・・・」
Gene「気にするな。わかるよ、うちだって似たようなものだ」
Sib「はい・・。どうやって、耐えてますか?大丈夫ですか?」
Gene「父さんは、まだ、話しもしてくれない。なぁ・・・もし、俺たちの交際を受け入れてもらえなかったら? お前、どうする? 俺と別れるか?」
Sib「当然、別れませんよ。だって、これからもずっと、どんなことがあろうと、Geneは、僕の恋人なんですから・・・」
やはり、抜群の安定感、ぶれない男・・・。
Sibなら、絶対に、そう答えるってわかってて、それでも、耳元で自分を励まそうと、力強く聞こえてくるSibの声が嬉しくて・・・ホッとして、微笑むGene。
「Nubsib、ちょっとこっちに来なさい」
双方の耳に、Sibが呼ばれている声が聞こえてきました。
Sib「ちょっと、下に行かないと・・・。また、あとで連絡します」
Gene「・・・ん」
Sibへの信頼と、先への不安などなど、入り乱れて、複雑な思いのGene。
~Nubsib家 リビング~
呼ばれたリビングの前の薄暗い廊下で、一呼吸置くSib。 ← ここが泣ける!!
いくらSibが、強気を誇る、我らがスパダリ王だと言っても、、全てが意のままになるわけでもなく・・・そこまで、楽観的な考え無しではありません。
意を決したSibが、甲冑の間((笑))に入ってくると、すでに、ソファには、Nueng、ママ、パパが待っていました。
暗から陽へ・・・ああ、ここでも、お得意の、額縁効果の抜け感です。。
Wat「座りなさい」
さすがのSibも、緊張した面持ちで、ソファに腰をかけます。
Wat「Sib・・・。正直に、全部、私に話してくれ。お前とGeneの間に、一体、なにがあったんだ?」
母や兄の顔に視線を向けるSib。
大丈夫だ、としっかりと頷くNueng。
Sib「以前、僕に訊ねませんでしたか? なぜ、恋人を作らないのかって?」
Wat「まさか、それがGeneのせいだって言うのか」
Sib「はい、そうです」
改めて、聞いて、ちょっとショックなパパ。
Sib「僕も他の誰かと付き合おうとしましたが、結局、徒労でした・・」
Orn「どうして、Geneと付き合うことになったの?」
ママも疑問をぶつけてきます。
Sib「実は、Geneは、僕のことを覚えていませんでした。でも、ご存じのとおり、Geneの書いた小説のドラマで、主役をやることになりました。それに、僕のマネージャーである、P’Tumが、Geneの大学時代からの友人だったこともあって、僕の面倒をみてくれ、とGeneに頼んでくれたんです。」
ああ、隣のOrnに向けたこのパパの顔は、なんてことはない、Sibが周到に準備し、Sib主導でGeneに近づいたって把握したわね。(苦笑)
Wat「率直に言って、この件は了承できない」
それが、父の結論なのか、と思いながらも、必死に冷静さを保とうとするSib。
Wat「我々の家族は、事業を営んでいる。お前もよくわかっている通り、我々のイメージと信頼性は、非常に重要なものだ。そして、我々は、(それらを重んじる)そういう人々と、取引をしていかなければならないんだ。」
それに関しては、誰も口を挟む余地がなく、深く頷くNueng。
(この人も、生まれた時から、生き方の方向性があらかた定められた相続者として、一応、重責を担ってるんです。しかも長男だし。)
そして・・・Orn。
Sib「はい・・・」
どうすることもできない現実を前に、俯くしかないSib。
Wat「だが、お前は私の息子だ。」
え?と パパのほうに視線を向けるSib。
Wat「そして、Geneもまた、私にとって、息子のようなものだ。だから、もうこの件について・・・」
そういうと、隣のOrnと手を握りあう。
Sib「私も、お前の母さんも、何も口出しはしない。もし、我々があれこれ言い続けたら、お前は、聞く耳を持たなくなるだろう。我々が禁じれば、もっと諍いを続けるしかしかなくなってしまう。私もまた、人から強制されるのが、好きではない人間だからね。
そうやって、母さんとも話し合ったんだよ。これからは、何があっても自分で責任をとるしかないんだぞ。
・・・・お前とGeneの愛は、どうやら、私には止められそうもなさそうだ」
パパのいう事をじっと聞いていたSibの顔に、笑顔が広がりました。
ここはもう、自然な笑顔に、釘付けです!
ママも微笑みを浮かべ、Nuengは笑顔でガッツポーズです。
ああ、緊張が一気に溶けた!
Sib「ありがとうございます、父さん、ありがとうございます、母さん」
頷く両親。
Wat「なんだ、お前、満面の笑みを浮かべて・・・。もし、父さんと母さんが、だめだと言ったらどうするつもりだったんだ?」
Sib「・・・Pattanakarnの空き地・・・」
この一言で、十分みたいです(笑)
驚くパパ。
Wat「おい・・一体、誰が 私がその土地を欲しがってるとお前に話したんだ?」
そりゃ、もう・・・一人しかいません。
Nueng「その・・・お父さんは、その交渉がうまくいかなかったでしょ?」
兄弟の連携に、なるほどな、と頷くSibパパ。
Wat「いいだろう、もし、お前が交渉に成功し、先方があの土地の売却に同意したら、もう、私は二度と、お前とGeneの件について、なにも言わん」
Sib「父さん、そんなの、さっき言ったことと違うじゃないですか!🔥」
ああ、こういうところは、ちょっとお坊っちゃま感が残ってて、カワユス♪
Wat「なんだ? だからどうした? 取引するのか、しないのか?」
Sib「だったら、もし、Teepおじさんが、この件、承諾してくれなかったら、父さんがおじさんを説得してくれなきゃ、だめですからね。」
なんて、交渉上手なの。
俳優にしておくのがもったいないな。(笑) ← 自分でも、時々、なに目線で見てるのか、わからなくなる時があります。。
おお、そうきたか、と 隣のママに視線を向けるSibパパ。
微笑むしかないママ。
しょうがないです。
これが、あなたたちが丹精込めて育てて来た、最高級の盆栽の出来栄えですよ(笑)
Sib「それでどうですか?父さん。購入資金を僕に送ってくれたら、権利証書を手に入れて、父さんにお渡ししますよ」
パパが失敗した交渉なのに、Sibは、ほぼ、100%に近い自信なわけね。
Wat「OK、交渉成立だ」
握手するパパとSib。
Orn「まったく、いつの間に、Sibはこんなことを身につけたんでしょうねぇ・・」
みんな、WinWin・・・というのが、事業家のおうちでは、最高の解決方法なんですね。
立ち上がり、Sibの隣に腰を下ろすOrn。
Orn「Sib・・・これは、あなたがした選択よ。私は、自分の息子のように、Geneのことを愛してるの。ごめんなさいね。今回の件、とても動揺してしまったの・・・。」
すかさず、ママに抱き着くSib。
Sib「大丈夫だよ、ママ、 謝らなければならないのは、僕のほうです」
Orn「Geneのこと大事にね、仲良くやっていきなさい」
身体を起こし、「はい、約束します」と誓うNubsib。
Sib「僕、Geneのこと、最高に大切にしていくよ」
みんな温かくて、いい家族で・・・もう、どこか欠点ないの?
~Gene宅 テラス~
昼間、Geneが佇んでいた場所で、陽が落ちてから、パパが煙草を吸いながら、考えこんでいます。
後ろから近づくRun。
Run「Teep・・・」
振り返ると、すぐに煙草の火を消すGeneパパ。
Teep「Geneはどうしてる?」
Run「もう、寝室に行ったわ」
Teep「で、あの子は、なにか食べたのか?」
これが、愛する者を心配する気持ちの表し方の原点なのかもね。
首をふるRun。
Run「お腹空いてないって言うのよ・・・」
そうか、と頷くGeneパパ。
Run「Teep・・・」
そっと自分の腕に手をかけてきたRunに、視線を向けるTeep。
Run「あなたは、どうなの?」
Teep「・・・・怖いんだよ。うちの息子が、私が経験したような目にあうのかと思うとたまらないんだ。このことをずっと恐れて来たんだ。」
Run「何をそんなに恐れることがあるの?」
Teep「私は、Geneに、私よりも、よりよい人生を送ってもらいたい。誰からも、後ろ指をさされることなく、軽蔑されることなく・・憎まれることのないように・・・」
Run「Teep、時代は変わったのよ。あなたがGeneのことを本当に心配していることはわかってるけど、でも、あなたがこんなことを続ければ、彼はあなたから嫌われてると思い続けるわ。それにね、例え、世の中の人が皆、Geneを誤解したとしても、あの子が一番わかってほしいのは誰なのか、あなた、わかるでしょ。」
その言葉に頷くTeep。
Run「Teep・・・当時のあなたの気持ちを、思いだしてみて? それこそが、あなたが一番望んでいたもののはずよ・・・そうでしょ?」
決して、非難することなく、優しく諭すRunの言葉に、たまらず、顔を崩すTeep。
そんな夫を抱きしめるRun。
Teep「Run・・・とても怖いんだ。」
Run「大丈夫よ・・・愛してるわ」
泣きながら、頷くTeep。
繊細で、ちょっぴり頑固で・・・そうか、TeepとGeneは、実際、よく似てるのかもしれないね。
★【Ep 10】2/5の雑感 ★
しかし、RunとTeepのラブストーリーもおそらく、ドラマ1本描けそうですよね。
どれだけ、切なくロマンティックなものか、想像に難くないですが、おそらく、展開は予想をはるかに超えるもののような気がします。
Runが最初に、SibとGeneが付き合っているという話を聞いたときは衝撃だったけれど、自分のことは気にしなくてもいい、そこまで大したことではない・・・と、Geneに負担をかけないように配慮する発言を、Geneとお茶を飲みながら、話してましたが、それだけ、多くのことを乗り越えて来た人だからこそ・・・なのかな、と思うと、そのすべてを包み込むような懐の深さ、恐れ入りましてでございます。
一方で、Nubsib家の、いい意味でのビジネスライクさが、ちょっとコミカル寄りに描かれていた点も、良かったと思います。
私、コンゲームもの、とか好きなんで(笑)
腹をくくってる一家は、違うな(笑)
Sibパパこと、Wat氏が、予想外に好みでした。
物事を大局的に見ることができる人、好きなんです。
しかも、その根底にある原動力が、「家族への愛」っていうのも・・素晴らしいじゃないですか。
モテそうだな。。← すぐに、揉め事のタネを蒔きたがる私(笑)
あと、日本文化にチャンレンジしていただいたこと、ありがたいなぁ、と思いました。
Gene宅のお茶にしろ、Sib家の盆栽にしろ、どれも、気持ちを伝える、大事なシーンに取り上げてくれてましたね。。。
日本人の眼から見たら、そりゃ、ん?というところがあるのはしょうがないとしても、実は、Geneが茶筅で、お抹茶を文字通り、邪気なくかき回すのを見て、あ、Tee監督や制作陣は、日本文化を正しく描き、その奥深さに彼らの気持ちを投影させることを第一目標にしてないんだな、と個人的には感じました。
世の中全般の、理解者、もしくは理解しようと努める者と、そうでないものの共存と、理解をしている者の役割に重きを置きたかったのかな。
家庭の数だけ、子育てがあり、人の暮らしがあるって、実感します。
盆栽を、鉢とのコラボレーションで、子育てを描いたところも、視点がユニークというか・・・。しかし、Sibパパ、あの鉢を見るたびに、必要以上に競り上げてしまったこと、後悔してたのかと思うと、それはそれで、ちょっと笑える。。。