アドラー心理学では、怒りの理由を他者よりも、怒りを選択した本人の目的に着目します。誰かが自分を怒らせたという原因を求めるのではなく、自分が怒りという方法を選択した目的に着目するということです。すなわち相手に対して怒り以外の対応方法があったはずなのに、何らかの目的を果たすためにあえて怒りを選択したということです。

 その目的はさまざまだと思いますが、私が多くの方々と接していて感じるのは、相手への依存が怒りの根底にあることが多いのではないかということです。相手に対して冷静になれない、放っておけない、そこには相手にどこか依存したい願望があるように思います。自他の境界をはっきりさせ、自分の問題と相手の問題をクリアーにすることで、怒り以外の対応方法についてもう少し冷静に考えられるように思います。