香港では建物を建てる際に風水を非常に重視します。車のナンバーも縁起のいいと言われている数字は売買の対象になります。車のナンバーは香港に限らず、先日タイから帰国した知人によると、バンコクであるナンバーが日本円で7000万円以上で落札されたとのことでした。特に商売をやる人は敏感で、6や8などを含んだナンバーは高値がつくことがあります。

 ところで香港島の高層ビルの中でも、ひときわ威容を誇る中国銀行のビルは風水で物議をかもした建物です。風水では建物の鋭く尖った鋭角や外壁の反射を忌み嫌うため、このビルの建設当初からその形を疑問視する声が集まりました。鋭角や外壁の反射だけでなく、超高層で槍のような外観そのものも話題になりました。
 そして建設が始まる頃から、恐れられていたことが起こりました。英国から派遣されていた長官3人がが相次いで病に倒れたり事故に遭遇したのです。風水が原因とする人たちは中国銀行のビルの鋭角が、長官が主である旧香港総督府の建物に向いていたことを指摘しています。 

 その後香港は97年に中国に返還になりました、初代の香港行政長官は旧香港総督府の建物ではなくセントラル合同庁舎を使い、旧香港総督府は一般公開されています。