祖父の別荘が軽井沢にあったため、子供の頃から毎年、夏休みは軽井沢で過ごすのが我が家の行事になっていました。
 当時は東京から国道17号線、碓井峠を経由して5~6時間かかったものです。電車の場合は横川でアプト式の電気機関車を連結してやはり碓氷峠を越して軽井沢駅に到着しました。横川で名物の釜飯を買うのが楽しみでした。

 当時の旧軽銀座も人通りは今ほどではなく、土屋写真館、デリカテッセン、茜屋など、お店も今よりずっと少なかったです。大学生の頃、多分80年頃だと思いますが、紀伊国屋やソニープラザができるなど、急ににぎやかになりました。この頃はウラルという民家と兼用になったロシアレストランに行くのが楽しみでした。

 私にとって軽井沢の魅力は、その独特の気候にあります。近くの小諸や上田とは微妙な違いをカナダ人の宣教師アレキサンダー・ショーが感じ取ったのでしょうか、お国の気候に魅せられてここに定住したことも理解できるように思います。

 もうひとつは、散歩していると普段着姿の著名人とすれ違ったり、近くの別荘地の人たちに気楽に声をかけられる点です。近所に同級生の別荘があり、よく行ったり来たりしたものです。

 今後日本に住み続けるとしたら、真っ先に候補に上がるのが軽井沢だと思います.東京生まれ東京育ち、親戚もほとんど東京という私にとって、軽井沢は第2の古里と言えます。