あなたは自分の過去を振り返り、嘆いたり後悔することがありませんか。私もかつては、後悔の念が固まりのように心にへばりついていた時期がありました。今でも全く後悔しない訳ではありませんが、ほとんどないと断言できます。 

 さて、最初に申し上げておきたいのは、後悔や過去を嘆く事自体に何の意味もないということです。過去の失敗の経験から学ぶ事はできても、後悔は何の役にも立ちません。それなのに何故多くの人は後悔をし続けるのでしょうか。それは、自分が別の選択をしていれば今は別の自分になっていたはずという、ありえもしない想像に心をとらわれているからです。あなたは、その時点は最善と思って選択したのです。誰も失敗をすることを見込んだ選択などしないのです。

 後講釈といって、後から考えれば確かに別の選択が正しかったと言えたとしても、それは未来を知りえない過去の時点であなたが選択することはできなかったのです。 あの時、別の会社に入社していればもっと収入がよかったのではないかと考えたとしましょう。百歩譲ってタイムマシンに乗って過去に戻って別の会社に入社したとしましょう。本当に収入はよくなったのでしょうか。その会社で大きなトラブルに巻き込まれていたかもしれませんし、出張先で命を落としているかもしれません。そう考えると、タイムマシンに乗る勇気はありますか。想像の上では、今よりよくなると想像するのが人の常です。しかし過去に戻って別の選択が万一できたとしても、因果関係、別の言葉で言えば縁起はもっと複雑で、自分が想像した通りになるとは限りません。むしろ、今この瞬間生きていられることを喜ぶべきではないでしょうか。

 さて後編では、過去を後悔してばかりいる自分を、どう変えていくか、未来のよい縁起を自分のものにする方法についてお話しましょう。普段はコーチングでクライアントの方に直接伝授する内容を、紙面でお伝えできる最大限を目指して書かせていただこうと思います。後編をお楽しみに。