アドラーの心理学では、トラウマの存在を否定しています。トラウマという原因が今の自分を決定するのではなく、あなたの目的が今の自分を決定するというものです。ここで目的とは何でしょうか。例えば子供の頃に人の前で歌をうたったら笑われた事がトラウマになって、大人になっても人前で話す事が恐いという原因論ではなく、人前で恥をかく事を避けるという目的で、人前で話す事が怖くなる選択をしたということです。
 すなわち、あなわは過去に拘束されるのではなく、心の底にある目的、言い換えるとマインドを切り替えることで、次の瞬間にも新しい人生のレールに乗り移れるということです。すべてあなたが人生を選択しているということです。
 話は変わりますが、いつも訪れるある会社のエレベーターで、本日数人の学生服を着た中学生に乗り合わせました。会社見学のようです。彼らは私に向かって丁寧に挨拶しました。私もそれに答えました。なんとも清々しい瞬間でした。私にとっていつも見慣れたオフィスも、彼らの多感な心にはどんなに新鮮に映ったことでしょう。私にもあなたにも、こんな瑞々しい感性を持っていた年頃があったのです。そして先に述べたマインドを切り替えることにより、あの頃よりも瑞々しい感性と豊かな心を取り戻せるかもしれないのです。
 最後に、思春期の中学生の感性を見事に描いた映画作品をご紹介しましょう。大林宣彦監督の「時をかける少女」です。30年くらい前の作品ですが、今見ても新鮮で、思春期の瑞々しい気持ちを思い出すことができるでしょう。