日本のビジネスマンのスーツ姿で気になるのは、少々袖丈が長過ぎる点です。会議の席などで、ジャケットの袖が手を半分覆うような姿も見受けられます。ワイシャツが1センチ出るくらいが本来のスーツ袖丈の長さです。
 それから、ネクタイの柄でフォーマルなのはドット柄です。小さければ小さいほどフォーマルと覚えておきましょう。ストライプタイもいいですが、場合によっては欧米の大学などのクラブタイと同じ柄ということもあるので、気をつけましょう。海外出張の際に「○○大学のご出身ですか?」と聞かれて戸惑わないようにしましょう。
 シャツは長袖が正式です。本来は半袖のシャツを着るのはパイロットなどの職業に限られます。かつて省エネルックと称して半袖のスーツが出てきましたが、まさに笑止千万です。スーツは元々高緯度帯の国で生まれたもので、長袖というのは昔からの決まり事です。襟元と袖丈から覗くシャツの色とのバランスが大切なのです。
 ドレスコードが指定されている席ではそれに従えばいいのですが、そうでないとき、とりわけカジュアルの際は注意が必要です。欧米でスポーティというのは例えば金ボタンの紺ブレザー姿のようなものを指します。決してスポーツウエアを指しているのではありません。軽井沢などで、本人はリゾートウエアのつもりか、明らかにビーチウエアで得意げに歩く若者の姿も目につきます。洋服は機能だけでなく、決まり事であることが昨今忘れられてきているように思えてなりません。