VieVinum | WINE STREET EXPRESS

VieVinum

オーストリアワインの祭典「VieVinum」に参加するため、27日からウィーンに来ている。
VieVinumの会場はゴージャスにもハプスブルク家の王宮ホーフブルク宮殿で、ここにオーストリア中のワイン生産者がブースを出展、来場者にワインをふるまう。カタログの数字を追っただけでもその数500以上あり、3日間かけても、とてもじゃないが全ブース制覇は難しい。

$WINE STREET EXPRESS-会場のホーフブルク宮殿

空港からホテルまで乗り合わせたオランダのワインジャーナリストから面白い話を聞いた。
「ワグラムのベルンハルト・オットが去年からアンフォラでワインを造ってるんだよ」
ワインのルーツをたどればユーラシア大陸のコーカサス地方。グルジアでは今なお素焼きのアンフォラでワイン造りをしている。それでオットもいわば古仕込みに挑戦しようと考え、グルジアから500リットル容量のアンフォラを11個購入し、グリューナーフェルトリーナーを仕込んでみたという。昨年、実際に仕込んだ量はアンフォラ6個分で、ブドウを除梗後、無破砕のままアンフォラに入れて軽く蓋をしただけ。もちろん酸化防止剤の亜硫酸は一切使用していない。発酵が終わると想像していた以上にワインは若々しく、5ヶ月の後、上澄みだけをタンクに移して、今はまだその中にある。生産量は1500リットル。ブースに用意されたのはタンクからのサンプルだ。

$WINE STREET EXPRESS-ベルンハルト・オットさん

ベルンハルトさんに「ヨスコ・グラヴナーの影響?」と聞いてみたところ、「いや、彼のは過激すぎる。むしろヴォドヴィヴェッチのほうが好み」と返って来た。正直、どっちもどっちという気がしますが・・・。
その貴重なワインを試飲させてもらった。オットの他のワインと比べて線が細いというか、果実の豊満さに欠けている感じは受けたが、亜硫酸ゼロとは思えないほど健全。後口に修練性のタンニンのようなものを感じたのは、5ヶ月も皮と果汁がマセレーションされたせいかもしれない。
日本からの来場者の一人、中濱潤子さんにこのことを話したら、「もっとすごいのがシュタイアーマルクにあるよ」と教えてくれた。ゼップ&マリア・ムスターの「エルデ」というワイン。行ってみると、そやつは素焼きのボトルに入っていた。ヴィンテージは2007年。シャルドネとソーヴィニヨン・ブランのブレンドで、オットと異なるのは除梗せずにブドウを房のままアンフォラに入れてしまうことだ。

$WINE STREET EXPRESS-ゼップ・ムスターのアンフォラワイン

こちらのワインは色が既に琥珀色。どんよりと濁っていて世のビオワインファンがいかにも好みそうな雰囲気。香りを嗅ごうとグラスに鼻を近づけた瞬間、思わずたじろいだ。硫化水素系の香りが強烈に漂う。でもその手のワインが好きな人ならば必ずや歓喜するに違いない。自分の好みかと聞かれれば、ノーと言わざるを得ないけど・・・。

あと2日間。今日は日曜なので混みそう。午前中の招待客向け特別公開時間に集中し、午後は美術史美術館にフェルメールを観に行こうと思う。