ミュージカル「アイ・ハブ・ア・ドリーム」 | ハイパーうらんのブログ

ミュージカル「アイ・ハブ・ア・ドリーム」

土曜日の月組を観てまいりました。




この話はミュージカル座ホームページから抜粋したのを載せますと




ミュージカル「アイ・ハヴ・ア・ドリーム」は、1950年代のアメリカで起こった、黒人の公民権運動を描いたミュージカルです。事の発端は、1955年のアラバマ州モントゴメリーで起こった黒人女性ローザ・パークスの逮捕事件。黒人がバスの白人の席に座ったため、バスから引きずり下ろされて逮捕されたこの事件に抗議するため、モントゴメリーの教会に新しく赴任して来たマーティン・ルーサー・キング牧師の呼びかけに応じて、全市の黒人がバスをボイコットして歩き始め、ついにバスの座席の人種隔離撤廃に成功します。この時、黒人たちが“自由の歌”を歌いながら行進したという実話をミュージカルに・・・(略)。



ドラマは、貧しい黒人女工が働くアネットの店を中心に、キング牧師に憧れるジャネット、裕福な白人青年トムと婚約し、白人社会と黒人社会の板挟みになって苦悩する混血黒人女性のフィリス、人種共学を求めて白人の大学へ入学を決意するジャネットの弟マイク、KKK団による白人の暴力に暴力で対抗しようとするスパイク率いる黒人グループ“キッズ”などの登場人物が、ローザ・パークス事件をきっかけに、一斉に公民権運動に巻き込まれて行く姿を描きます。これは、市民が勇気を持って立ち上がり、一致団結して社会を変えた、20世紀の偉大な民衆革命でした。「どんな困難や挫折があっても、なお夢を持つ。」というキング牧師の言葉は、今なお、私たちの心に希望の火を灯し続けています。



といった物。



ミュージカル座を代表する有名な作品で旗揚げされる前から既にその前身において公演されたほど歴史があるんです。



でも私がミュージカル座を観るようになってからまだ一度も観る機会が無くって。2011年についに再演されたものの都合がつかず観れずじまい。



ただ、正直言うと写真を見る限り黒人役の為皆さん黒く塗った顔に違和感覚えまして。さらには学校公演にもこの作品が選ばれて上演されているんですが、逆に「学校公演するくらいの作品なのかあ」みたいにあんまり印象としては良くなかったんです。



まあそんな感じで観たわけですがこれが素晴らしくってね!



ミュージカル座の観劇レポートではしょっちゅうこんなこと書いている気もするんですがそんなことどうでもよくってとにかく素晴らしかった!



魂が震えるってこういうこと言うのかな?なんてこと頭によぎりましたよ。



想像するだけでわかるでしょうが黒人が理不尽に殺されてしまったエピソードが語られたり、舞台上でも殺されてしまう場面とかあります。でもそこで泣くとかではないんです。



みんなが団結して立ち上がったその姿に「不覚にも」涙が出ましたね。



冷静に観ていたのに。なのに。いかにも涙頂戴のシーンじゃないのに。



連邦裁判所から「バスの人種隔離は違憲である」の判決を勝ち取り黒人側の全面勝利となりながらもなお白人が抵抗の姿勢を示しているのに対しみんなが団結するシーンできましたね。



このシーンのあとからはキング牧師の有名な「私には夢がある」の演説(アイ・ハブ・ア・ドリーム)に、そしてこの作品の代表ナンバー「自由への行進」でもただただ涙が流れるという。



この作品観て心が動かない人がすごいなあ、なんて思ってしまいましたよ。



しかしながらカーテンコールではずーっと鳴り止まない拍手。何度も緞帳が降りても続く拍手にみんな思いは一緒なんだなと思いました。



http://www.musical-za.com/COMPANY/movies/29jiyuuenokoushin.htm



こちらはその「自由への行進」のリンク。もしかしたら舞台を観ていない人には普通の曲に聞こえるかもしれない。でも私は本当に素晴らしい曲だと思います。この動画がアップされていなければこの1曲が欲しい為にCD買っていましたね。



最初に学校公演に選ばれている作品が逆にマイナスイメージ、と書きましたが「この作品だからこそ」学校公演に選ばれたんですね。学校公演に選ばれる作品は他のよりあお手軽みたいなイメージ持っていた私が馬鹿でした。



印象に残った役者さん。



狩俣咲子さん。



恋人がKKKに殺されてしまった女性を演じます。過度に悲しみが表現されているのではないのに気丈にふるまいながらもその奥の悲しみが伝わるあの演技。この人のこの演技がなければ作品の印象も変わりかねないすっごく重要な役でした。狩俣さんが演じているからこそだよなあというのを感じましたね。安心して観ていられました。さすがです。



田中利花さん。



いろんな大きい舞台に出演されている人ですがやはりさすがでした。素晴らしい。



阿部よしつぐさん。



さすがです。近年大きい舞台で大きい役をやるようになりましたがそれだけのことはありますね。



特に3人挙げましたけど、この作品は舞台の上にいること自体に、この作品を作った一人であるということにすごく意味があると思いました。何度も上演されている作品で毎回大きく出演者が変わっているみたいですけど今回のこのキャスティングで観れて本当に良かったと思いました。



ちなみに。知っている役者さんもみんなかなり黒く顔を塗っているんでまるっきり印象が違います。下手すれば誰かわからないくらい。その中でなお皆さん光っているんだから素晴らしいですね。



黒人の話ですからダンスもまさに黒人のリズム感みたいな感じ。「本当に日本人が踊っているの?」くらいの見事さだったのは是非ひとこと書いておきたいです。