ミュージカル「マリオネット」 | ハイパーうらんのブログ

ミュージカル「マリオネット」

ミュージカル座の「マリオネット」という作品を観てきました。


月組、星組とキャストが違う二つの組で公演されているので土曜は両方の組、日曜日は星組の計三回です。


今回の日記は長いです。この作品は好きすぎるので。印象に残った役者さんを称えるのも私の観劇日記のスタイルですが普段より挙げる人の数も多いです。自分用の記録の意味もあるのでよろしくね。




さて、ストーリーですがミュージカル座のホームページにあるのを引用してみますね。



「フランスの下町で時を告げる、時計台のからくり人形。町の名所でもあり、庶民に親しまれいるその人形に、ある日の落雷事故がきっかけで命が宿る。
そこに居合わせた、地味で何の取り柄もない人形職人とのファンタジックな出会いを、洒落た音楽に乗せてコメディ・タッチでお届けする、心あたたまる物語」


です。


補足すると、


上手く行かないことばかりで悩んでしまっている主人公が自分が作った人形達の世界に行き主人公が再び自分の道を見つけて行く姿が描かれて行きます。命の宿ったその人形は主人公のおじいさんが作った作品。ずっと時計台の上から主人公を見守ってくれていて、それに命が宿ったことから話は進んでいきます。
あと、やはり異界から来た者とは出会いがあれば別れがある。再び人形の世界へ戻って行く時計台の人形との別れがなんとも切なく展開されていきます。



この作品は本当に素晴らしくってね!


4年振りの再演なのですが次回公演作品が発表されるたびにマリオットであることを期待していました。それがついに念願叶ったんですよ!


この作品の代表的なシーンに「オーパッキャマラード」というのがあります。初めて人形たちが主人公の前に登場し踊るシーンです。明るく楽しいシーンなのですが「ついにマリオネットを再び観ることが出来ているんだ!」という実感からジーンときてしまいましたよ。私にとっては伝説的シーンのようなもの。そんな人、私くらいだろうな。



4年前だと面白かった記憶はあるものの細部は忘れている部分もあるわけですがそれでも結構覚えているもんですね。


「四年前はあの人が演じていてさあ・・・」とか「いよいよあのシーン!」とか。


この作品は楽しい一方でかなり感動的なシーンもあります。お涙頂戴のいかにも!というシーンじゃないのに結構泣けました。心が伝わるってやつです。リアルにイメージ出来て自分のことに置き換えて泣いたというのもありましたね。



印象に残った役者さんの紹介。



中村ひかりさん。

月組の主演女優。人間界に命を持って登場した時の動きとかまさに人形らしさを引きずりとても好印象。素朴な感じでこれまた良し。あとから星組を観た際、どうしても主演女優を比べて観てしまいますがそれでもなおその素朴な感じが良く思えた。当たり前かもしれませんが素朴に感じさせるのも演技の一つでしょうから。



青島凛さん。

そのもう一方の組の主演女優。この人はどの作品でも青島さんならではの演技ってやつを出してくれる凄い人。今回は主演であること、そしてファンタジーであることから観る前から青島ワールドが展開されることがイメージ出来ていました。思わず眼が釘付けになったシーンがあります。「セ・ラ・ヴィ~それが人生~」という歌を主人公を温かく見守ってくれている人々が歌うシーン。地べたにペタンと座りまるで人形そのものに戻ったかごとく動かずにいる。何もしていないけど確たる物を感じさせるこの演技。いやたたずまい。重要な歌が歌われるシーンなのに他の出演者そっちのけで見ていました。何をするでもないその演技を。終演後このシーンに込めた意味があるのか聞いたらやはりありまして解説してくださいました。また、他の人を見ずにそのシーンでは青島さんを見ていたことを告げるとマニアックですねとも言われた(笑)青島さんは公演が終了するとブログでその作品に込めた物など語ってくれるのでもしかしたらこのシーンの解説もあるかしら。



あべこさん、たむらもとこさん。
お二人共サンドラという主人公を優しく見守る気だての良いおばちゃん役。両方とも捨てがたい素晴らしい存在感でした。



丹宗立峰さん
モーリスという露天の画家。サンドラ同様花屋のフローラと優しく主人公を見守ってくれている。亡き母の写真を持ってきて似顔絵依頼を受けた時に画家としての自覚が芽生えたというエピソードがある。自分のことに置き換えたら涙が出ました。



藤澤知佳さん、田代さん
花屋のフローラ。いかにもフランス人って感じになってました。そのシーンの中心的役では無い、セリフの無い登場人物の一人として出ているところで細かい演技しています。これがとてもこの作品を良い物にしていると思います。何気にとてもいい味してました。



佐野まゆ香さん、武者真由さん
二人共いかにも近寄ってきて欲しく無い雰囲気満載の娼婦役の時のインパクトが素晴らしい。いわゆる白雪姫とは大きくイメージの異なる白雪姫での笑わせぶりもお見事でした。



野田久美子さん
顔を化粧で塗りたくった「悪いことが出来ない魔女」の役。本当は白雪姫に毒りんごを食べさせなくてはいけないのにそれが出来ない魔女ね。いい味出してうまかったですよ~。伝わる人の演技は伝わるんですよね。こういう人を発見出来ると得した気分になります。



石川裕梨さん
元宝塚の役者さん。男役だったんだろうなあ。この作品ではナポレオン役をしました。。いかにも宝塚出身という雰囲気で演技してくれてましたよ。。ナポレオンにイメージするどことなく気品ある感じとかとてもよかったですね。そこに宝塚ジェンヌの格好したお笑いの虹組キララみたいな要素もあり強烈なインパクトでした。



他にも冴月里実さん、高田亜矢子さん、太田智子さん高橋咲さん、などよい人がたくさんいました。



観終わって「ああ、これでまたこの作品を観られるのもまた何年も先になるんだなあ」とシミジミ。初演の際、翌日仕事でもう一回観ることは叶わないのが本当に悔しかったですから。



ちなみに席は月組が最前列ど真ん中!星組は土曜が2列目ど真ん中!日曜日の星組も2列目で三つ横にずれただけの席!


もう大好きな作品を最高の席で観れたこの喜び!この上なく幸せでした!



映像化されないでしょうが「オーパッキャマラード」だけでも配信してくれないかな。余韻に浸れるんで。