ミュージカル「カムイレラ」
昨日ミュージカル座の「カムイレラ」月組を観てきました。
アイヌ民族のことを題材にした作品です。
とにかく印象に残ったのは主演の平田愛咲さんと坂元健児さんの歌のうまさ!本当に素晴らしかったです。
さらにはその他の男性陣の歌のうまさにも驚き。正直私は男性の歌に感動することが少ないです。うまいなあとは思うのですが唸りはしないというか。大絶賛まではしないというか。
この舞台では男性同士の歌の掛け合いというのに感動しました。とにかく圧巻。そんな場面観たの初めてかも。男優だけで歌うシーンは何度でも観ていますけど。ちなみにそのシーンは田中秀哉さんとどなたかです。
演技も皆素晴らしい。ミュージカル座常連の外部出演者の松原剛志さん、菊池まさはるさん、北村がくさんはきっちり期待通りでした。
あと、今回ミュージカル座では初めての方が脚本、演出の他に作詞作曲されていたのですがこれが新鮮でした。ミュージカル座って何故か「ミュージカル座だなあ」というなんか共通する雰囲気が曲にあるんですよ。普段そんなこと感じながら観ていたわけじゃないんですがこの作品では明らかに違う雰囲気を感じました。
ついでに言うと出演者の数人がブログでこの作品での歌の難しさを書いているのを見たのですが素人でもその難易度が伝わりましたね。もちろん音程外した人、歌い損じた人は誰もいませんでしたよ。
次に不満な点。本当はブログでは悪い感想は書かないようにしているんですがあえて。
「これ、ミュージカル座の作品としてやる必要あるの?」と思いました。
ミュージカル座所属の役者の出演が少なすぎです。しかも重要な役としては二人しか出ていない。この作品は男性が重要な役をする作品でありその男性の役者がミュージカル座はとても少ないのは知っていますが。
でも30人の出演者の中でミュージカル座の中心的役者は4人しか出演していません。研究生とかで私の知らない役者さんもいたのかもしれませんけど。
作品の雰囲気、曲の雰囲気がミュージカル座とは違うのは本来は大いに結構。歓迎するもの。しかし4人しか出ていなくて雰囲気が今までのミュージカル座のものと違うことで「ミュージカル座の中心的な役者さんが外部の作品に出演している」って印象でした。
この作品はハッピーエンドではありません。悲劇の歴史ですから。でも同じく悲劇を書いた作品の「ひめゆり」はとても好きな作品です。悲劇だから不満なんじゃないです。
私は普段ミュージカル座の公演では必ず両方の組を観ることにしていています。さらには好きな作品、お気に入りの役者さんが主演する場合などには3回観に行きます。
今回はたまたま都合により一回だったのですが一回にしておいて良かったです。一回で十分。再演があっても行かないかな。ミュージカル座のすべての作品の中でそんなこと思うのは初めて。
歌のうまさ、演技のうまさ、作品は十分見ごたえありとその点では満足なんです。やはり上で書いた違和感が大きいのかな。出演していた4人のミュージカル座所属の役者さんは皆お気に入りの方。その人たちの活躍具合が低いこと。役での重要度が低かったこと。持ち味がほんのちょっとにしか活かされていなかったこと。あ、そのうちの一人である男性は活躍していたけど。とにかく結局のところそれが一番不満なみたいです。再演してもそれは変えようがないし。非常に素晴らしかった主演女優をミュージカル座の役者に代えれば、なんて感想出てくるわけないし。
う~ん、不満の全てはやはりそこなんでしょうね。