「DASH村」以来の農業従事は、番組の企画というレベルを超えて本格的である。
最近は、米の品種改良に取り組んでいた。
ということもあって、番組では米作りに関する「生のデータ」が取り上げられる。
- 一粒の米が、何本の稲に分けつするか?
- 一粒の種もみから収穫できる米の量は、どれだけか?
後者は、収穫倍率というそうだ。作物の生産性を示す重要なデータである。
米の場合、現在の農業技術では100倍を超える。150倍に達するという情報もある位である。

一方、小麦はというと、現代でも20倍程度に過ぎないそうだ。
米の生産性は、小麦の実に5倍から7倍にも達する。
しかも、小麦は連作がきかない。
小麦の自給率なんて、上がる訳がないのである。(日本では)
しかも、米は炊くだけで美味しく食べられる。
粉にして、水と練って、延ばしたうえで茹でたり、焼いたりしなければまともに食べられない小麦と比べると、主食としていかに優れているかがわかる。
しかも、美味い。
気候が適した(=湿潤温暖な)アジアでは、圧倒的に米食文化が一般的だ。
美味い、安い、便利と、良いことずくめなのだ。
だから、一度米食文化に馴染むと、抜け出せなくなる。
- 江戸時代、都市部では白米ばかり食べていたので、多くの人が脚気に苦しんだ。
- 太平洋戦争でも、戦士は飯盒炊爨で火を焚いていたため、居場所を見つけられ、敵に攻撃された。
それでも、日本人は米を食う。
タンパク質含有量が小麦や、トウモロコシより少ないので、米を主食にしている限り大きくなれないのだが、それでも米を食っている。
笹ばっかり食べているパンダのことを、笑えない。
せめて、納豆を食べよう。
――ナポリには、ないんだよ!
