タクシーに乗るときと、食事のオーダーをするときくらい。
なので、何か工夫しないと、学習が進まないなと。
で、工夫として考えたのが、漫画を読むこと。
日本の漫画を、イタリア語で読む。これなら、始めやすいし、興味も続くんじゃないか。
で、やってみた訳だ。
第一弾は、「サイボーグ009」。
第二弾が、「荒野の少年イサム」。
チョイスに深い意味はない。「One Piece」、「Dragon Ball」、「Naruto」もあるが、あまりにもイメージが強すぎて、イタリア語で読むのが気持ち悪いかなと、思った次第。
狙い通り、文章になれるには効果あり。知らない言葉も、文脈で記憶に入ってくる。
そこはよし。
だが、この学習法には多少の問題があるということが、わかってきた。
それは、「悪いことばほど、頻繁に登場する」ということ。
「くそ!」
「くたばれ!」
「この餓鬼!」
なんてなことは、ほぼ全ページに登場する。
また、時代も違う訳で。
「荒野の少年イサム」って、そもそも設定とか、登場人物とか、展開する事件とかが、少年向けというには重すぎる内容である。当時は、そんなに深く読み込んだこともなかったが、いま読み返すと、ヘビーなのだ。
・イサムの母は、ネイティブ・アメリカンで、話の最初ですでに死んでいる。
・父親は、日本のサムライ。日本の使節団と離れて、ホームレス状態。
・乳飲み子のイサムに授乳してくれた黒人女性は、ならず者に射殺される。
・争いに巻き込まれたイサムの父は、記憶を失い、イサムとはぐれる。
・イサムを拾い上げてくれたのは、ゴールド・ラッシュを目当てに金探しに集まった男たち。
・その街を、ならず者ウィンゲート一家が襲い、何人も撃ち殺す。
・なんとか、イサムを救い出すが、大嵐が街を襲い、洪水で街は全滅。
・生き残ったイサムは、悪党ウィンゲート一家に拾われ、奴隷のようにこき使われる。
・イサムは、正義の心を持った少年に育つが、ウィンゲート一家にガンマンの技を仕込まれる。
・犯罪の手先にイサムを使おうとするウィンゲート一家は、イサムをだまして決闘をさせ、ガンマンを射殺させる。
・ウィンゲート一家を仇と狙うガンマン、ビッグストーンは黒人の賞金首で、幼いころ目の前で母親を一家に撃ち殺されている。
などなど、悲惨にもほどがある。
昭和の漫画は、怖かったねえ。