応援している訳ではないが、法律論的に面白いので、「高須クリニックvs.民進党代表&議員」民事訴訟 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

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代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

民進党議員の国会内発言に関して、名誉棄損の被害にあったとして、高須クリニックの院長が民事訴訟を提起したそうだ。

勝てるのか?

損害賠償金1000万円と謝罪広告の掲載という訴訟目的を達せられるかという観点で言えば、難しいと思う。

わが国には、国会議員の免責特権が存在する。国会内での言動について、責任を問われることはないとされている。

しかし、宣伝効果、名誉の回復という実質効果でいえば、目的を達する可能性は十分にある。
事業家としては、それで十分であろう。

一方で、直接の発言者でない党代表を訴訟の相手方に含めた意図が、世間の憶測を呼んでいる。
いわく、戸籍情報の公開を狙っているのではないかと。

院長の意味深な?リツイート行為も、そのような解釈を助長しているところがある。

はたして、戸籍情報を入手し、これを公開することができるのか?


名誉棄損裁判の証拠として提示するなど、法廷で開示する状況を作り出すことは難しいだろう。
訴訟当事者の特定は、戸籍を開示しなくても十分可能だからだ。

担当弁護士による第三者請求で戸籍情報を入手したとしても、合法的に公開することはできない
それでは、意味がないだろう。

可能性があるとしたら、どんな状況か? 考えてみた。

まず、日本の裁判所で争う→前述の免責特権の存在のため、敗訴する→裁判所を変える、という手がないか?


国会議員の免責特権は、「わが国の制度」である。
それが訴訟上の邪魔になるのであれば、外国裁判所に訴えたらどうなのか?

しかし、「日本国民同士が、日本国内で生じた紛争について、外国裁判所に訴えること」はできない。
裁判管轄権が存在しないからである。

だが、相手が外国籍の保有者であったらどうか?


相手方の母国で、訴えを起こすことができるのではないか?

訴えを起こされた外国裁判所は、訴えを受け付けるか、却下する場合はその理由を明らかにする必要がある。

  • 訴えを受け付ける=訴訟相手方が当該国民であると認めたことになる。
  • 訴えを却下する=当該国民ではない、または、当該国民であるが正当な訴訟要件が存在しないなど、却下の理由が明らかになる。


要するにだ。
高須クリニック側が、台湾ないし中国の裁判所に本件民事訴訟を提訴した場合、実質的に民進党党首の国籍情報が特定されることになるのではないかと思われる。

「自分は相手方が貴国民であると信ずべき理由があるので、本件訴えを貴裁判所に提起いたします」。


そういって、国際裁判を行う算段ではないのか?

高須院長はそこまでのストーリーを立てたうえで、「まず敗訴するために」日本国内で訴訟提起している可能性はないか?

これはすべて個人の妄想である。