それでも教育のため、先生からの質問は、手加減なしに襲ってきます。
今日は、
「ある会社で、採用面接を行った。応募者二人の中から、一人を推薦する」という宿題についてのトークから授業は始まりました。
いろいろとダメ出しをされた後、話は自分の体験についてへと発展。
「あなたは、採用面接をして応募者の選考をしたことはある?」
「いまはないが、何年か前にいたタイの会社ではしました」
「なぜいまはしないの?」
「今の会社は大きいので、採用部署があります。タイの会社は小さいので、自分でやりました」
「その仕事は好きな仕事なの?」
「その仕事は好きな仕事なの?」
はあ?!
「その仕事」って、なんやねん? 採用対象の仕事のことなのか、採用面接をするという仕事のことなのか?
採用対象の仕事だとしたら、そもそも面接官側が好きとか、嫌いとか言う立場なのか? 意味はあるのか?
面接をすることを言っているなら、そんなもん、好きとか嫌いとかでやるものなのか?
「好きでも嫌いでもありません」
「いや、でも、あなたのことだから。好きか、嫌いかあるでしょう?」
「仕事は仕事なので」
「あー、そうなんだー」
イタリア人は、仕事でも、これは好きとか嫌いとか、個人の見解が入るのだそうで。
そんなん、知らんわ!
今日の授業は、お買い物の日常会話。
例題として、スーパーで買い物をする男女の会話が出てきました。
「リンゴを買って、バナナを買って……。ジャガイモも買おうか?」
「いらない。ジャガイモはまだ、家にあるわ。でも、食器用洗剤とビスコッティがないの」
おかしくない? この会話。
野菜売り場で、洗剤がないって? 売り場変わるまで、待てんのかい!
イタリア人は、こうなんです。あれはあるけど、そういえばこれがないと思いついたら、言わずにはいられないのです。
先生は、そう言う。
子供か?!
空気読まれへんのんか?!
会話はなおも続きます。
「お水も買わなくちゃ。ガス入りがいいわね」
「僕はガス抜きがいいんだけど」
「ガス入りのお水ください」
「ガス抜きがいいなあ」
「じゃあ、ガス入りを一本とガス抜きも一本買うわ。全部でいくら?」
「今日もたくさんお金を使ったね」
「イタリアは物価が高いから。品質も良いものを買わないとね」
お前が、あれもこれも買うからじゃろうがあー!
何年つきあっとんねん?! ツレの好みぐらい把握せえや!
今日はガス抜き、今度はガス入り買おたらええやんけ? なんで、いっぺんやねん!