「どうなんだ、Saikebon! お前も、「Suzi Wan」の二の舞か?
粉々の、パラパラの、もそもその、シャバシャバなのか?」
まずは、敵の佇まいをうかがう食材ハントマンであった。

カラーリングは、なかなかお洒落なSaikebonであった。
「ーーさすがはSaikebon。隙がないな」
一瞬攻めあぐねた食材ハントマン。しかし、ひるむことなくマウントポジションをとる。

「油断したな、Saikebon! 貴様の調理法は、すべて見抜いた。予言しよう、3分後には貴様を倒す!」
そう叫ぶと、食材ハントマンはSaikebonのマスクをはぎ取った。

「貴様ーー、何か隠しているな? 何だこの袋は?」
食材ハントマンは隠されていた袋の中身をすべて、Saikebonにぶちまけた。

「覚悟はいいか? これでもくらえ!」
いうや否や、沸騰した熱湯をSaikebonの体内に流し込んだ。
ボコボコと、声をあげて苦しむSaikebon。
ーーそして3分の時が流れた。
Saikebonは抵抗する力を失い、ついに食材ハントマンの軍門に降った。

「手間をかけさせやがって。随分、汗をかいてるじゃねえか」
よく見れば、Saikebonは丸腰であった。
「お前もいい度胸だぜ、武器もなしにこの俺に立ち向かうとはな...」
昨日の敵は今日の友。
最後は、Saikebonと熱く握手を交わす食材ハントマンであった。

「最後に一つだけ言っておく。お前の調理時間は、3分じゃなくて5分だ! 何でもアルデンテが良いって訳じゃねえんだぜ、イタリア野郎。でもな、味はなかなかのもんだったぜ」
そう捨て台詞を残し、食材ハントマンは夕陽に向かって消えていった。

「食材ハントマーーン、カムバーーック!!」
少年の叫び声が、荒野に響き渡ったーー。
(少年、どこにいた?)