映画「ゴーン・ガール」を観ました。なるほどね、という感じの映画でしたが。 | 「藍染 迅(超時空伝説研究所改め)」の部屋

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小説家ワナビーの「藍染 迅(あいぞめ じん)」です。

書籍化・商業化を目指し、各種コンテストに挑戦しながら、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ、アルファポリスなどに作品を投稿しています。

代表作は異世界ファンタジー「「飯屋のせがれ、魔術師になる。」。

ネタバレになるので、ストーリーの詳細には触れません。
触れ込みの割には、プロットにひねりや深みが足りなかった気がします。

今回は、タイトルに込められた意図のお話。

「Gone Girl」というのは、原題も同じです。
「Gone」とはふつう、「行ってしまった」とか「いなくなった」という意味になります。

極々ふつうに和訳すれば、「消えた女の子」というところでしょうか。

通常成人した女性に対して、「girl」という表現は使いません。
女の子というニュアンスになるので、性的差別表現と判断される場合があります。

それをあえてタイトルに使っているところに、ひとつめの意図があります。
消えた女性は、主人公の妻なのですが、子供時代から父親が書く小説のモデルになっていたんですね。

よって、世間のイメージや小説の世界では、常に幼い少女のままなのです。

その少女がいなくなってしまったという意味がひとつ。

しかし、現実の世界では少女は大人になってしまった。もともと、少女はいないんですね。
そういう意味で、「少女はもういない」というのがふたつめ。

ところが、誘拐に見えた事件には意外な裏があることが分かってくる。
前半は完璧な妻、完璧な女性に見えた人物が、後半になると、実はとんでもない女性だったということが浮き彫りになります。

このとき「Gone」は、まったく違う意味になるんですね。

これはもう、「頭がおかしい」とか「いかれた」という意味になります。
そうなると、「girl」という単語がぴたりとはまります。

「あの子いかれてるよ」という言い方な訳です。これがみっつめであり、本当の意味だろうと思います。

そこが映画のミソであり、いかれ具合を畳みかけようとしているんですが、演出が足りませんね。ぞっとする怖さが出てこない。

そういう意味で、いまいちだなと評価しています。

みなさんはどうご覧になるでしょうね?