山川出版社刊「古代氏文集」(沖森卓也・佐藤信・矢嶋泉編著)。
「本書は、日本古代史・日本語学・日本文学を専攻する三名による学際的な共同研究の成果として、平安時代初期の諸氏族の氏族伝承を記した下記の諸書について、最善の写本を尊重した本文を校訂して示し、さらに平安時代初期語による訓読文を復原して提供するものである。」
と冒頭に語る本書ですが、まず紹介されるのが津守氏の氏文とされる「住吉大社神代記」です。
その中に、
「凡そ大神宮(おほかみのみや)、九箇処に在り」
と記されています。住吉大社系統の宮が9箇所にあったというのですね。
その場所を並べると、
- 墨江(すみのえ)
- 西成郡(にしなりのこほり)
- 菟原郡(うはらのこほり)
- 播磨国賀茂郡(はりまのくにかものこほり)
- 長門国豊浦郡(ながとのくにとゆらのこほり)
- 筑前国那珂郡(つくしのくになかのこほり)
- 紀伊国伊都郡(きのくにいとのこほり)
- 大唐国(もろこしのくに)
- 新羅国(しらきのくに)
となっている。
大唐、新羅がきっちり入っていますね。大陸との繋がりをしっかり宣言していると受け取れますね。
小説の中で、自信を持って?渡来人ネットワークの拠点説を展開できそうです。
これはすべて個人の下調べである。