話としては、「何の目的で、これほど巨大なものを築いたのか?」ってな切り口で展開するわけであるが、そこが肝かいってツッコミたくなる。
何トンも重さのある巨石を二百万個も?人力で積み上げた。
その労働力をどうやって養ったのかってところは、気にならないのか?
凄まじい経済的余力がなけれは不可能だった筈だ。
それだけ農業生産性が高かったということだろう。要するに、食い物が余っていたのだ。
まさに、「エジプトはナイルの賜物」という状況が続いていたのだろう。
特に努力しなくても定期的な河川の氾濫で大地は肥沃であり、ばらまき農法で手間をかけずとも収穫が得られた。
農閑期ともなれば、いくらでも人手を集められるという状況があったのだ。
謎を求めるならば、エジプトの豊かさがなぜ終わりを迎えたかであろう。
おそらくは人口が殖えすぎて、生産と消費のバランスが崩れてしまったのだろうが、その辺のメカニズムを社会科学的に実証する試みがあってもいいと思うのだが。
「歴史経済学」とか、「生産性考古学」のような科学が注目されても良い気がする。