駅の売店で買い物。SUICAを使うつもりが、残高不足で現金に変更。
ここまではふつうの出来事。
数百円のお釣りをもらって、小銭入れにしまう時間が申し訳ないので、ズボンのポケットにじゃらじゃらと投入。
すると、なぜか床に一、二枚硬貨がこぼれる。
待たせているほかの客に悪いと思いながら、急いで拾い、ポケットへ。
すっかり落ち着いた新幹線の車内。
三時間後、足を組み替えた拍子に、ポケットで「じゃらり」と小銭が動く。
「ああ、あのときのお釣りか」と、ポケットをまさぐり、二、三枚の硬貨を小銭入れに納める。
これで、すっきり。
ゴミを捨てに立ち上がると、
「じゃらん」
と、ズボンの裾に小銭がまとわりつくように落ちていく感覚。
「ははあ、ポケットに穴があいていたのか!」
謎が解けた思いで足下を見回すも、小銭は落ちていない。
おかしいなと思いながらゴミを捨て、席に戻る。
ひょっとして? ズボンの裾を探ってみると、丸い形が手に触れる。
裾上げ部分から、百円硬貨三枚回収。
このズボン、ポケットが破れていた上に、裾上げの縫い目もほつれていたという画期的な偶然。
たまたまそこにコインが飛び込むなんて……。
いやあ、ズボンを買い換えろって話だね。おはずかしや。