おおばここばこ-克己


小5から小6のときの担任の

S先生はとても厳しい先生だった


勉強や部活動(相撲部)はもちろんのこと

運動会やマラソン大会、誕生会やお別れ会、

児童会の選挙活動や家出人探しに至るまで

本気で取り組まないと おもいっきり叱られた


あまりに厳しいので

父兄からの批判は多かったし

正直、私も好きではなかった


でも当時は従順な優等生だったので

S先生の "お気に入り" になっていた


小学校を卒業するとき


S先生から1枚の色紙を贈られた


大きな字で 克 己 と書かれていた


意味が全然わからなかった


読み方すらわからないのに

意味なんてわかるわけがない


小学生なんだから、もっと簡単な

言葉を選べばいいのに、と思った


でも、人生経験を積むにつれて

だんだんわかるようになってきた


克己心 = 己れに克つの心


落ち込んでいる自分

弱気になっている自分

冷静さをうしなった自分

私利私欲に走りそうな自分

自分のことばかり考えている自分


そんな自分に打ち克つ強固な意志


それが 克己心・・・


卒業してから18年たった今も

色紙は大事にとってあります